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HHKBの評価に関する4つの真実、3つの誤解、2つの間違い

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「そろそろ "良い" キーボードを買ってみたい」と思って調べていくと、必ずたどり着くひとつの選択肢。それがHHKB。Happy Hacking Keyboard と呼ばれるキーボードです。

調べてみると、だれもかれもが「こいつは最高だぁ」と絶賛していて、それはそれでなんだかちょっと胡散くささも感じてしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、HHKBを愛用しているぼくが、ちまたに溢れているレビューを評価してみようと思います。ぼくの主観がたぶんに含まれていますが、「それって実際のところどうなの?」という疑問に応えられたらうれしいです。

真実①:キーを押したときの独特な感触が気持ちよすぎる、というのは本当

HHKBを愛用する大きな理由のひとつが、この「タイピングすることへの心地よさ」にあります。

キーをタイプしたときの独特の感触。これにやみつきになってしまい、もうこれ以外のキーボードには戻れなくなってしまう。それぐらいの "中毒性" がありますね。

「ちょっと面倒なメールや議事録、ブログ記事の執筆でも、HHKBを打てるなら我慢できる」

そんな風に思えるときもあるほど、タイピングすることへの楽しさやワクワクが膨れ上がる。この感覚に間違いはないし、それこそがHHKBの特徴といえますね。

真実②:パームレストが必須である、とぼくは考えている

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HHKBは結構厚みがあるため、そのまま使うと手首が中に浮いた状態になってしまいます。これだとかなり不安定で、手首も結構つかれてきてしまう。

なので「パームレスト」と呼ばれる、手首を置いておくための板が必要になります。

「なくても全然だいじょうぶだよ」という人もいますが、ぼくには必須なように思えます。パームレストなしだと、どうしても手首を不自然な形でキープすることになるので、お世辞にも "快適" とはいい難い使い心地です。

パームレストは、専用の「木の板」がありますが、高さと大きささえ合えば他のものでも代用は可能。ぼくは「キーボードルーフ」といって、キーボードの埃よけカバーをパームレスト代わりに使っています。

真実③:静音性能が高くて外出先でも活躍する、のも本当

型番に「Type-S」と表記されているものは、「静音タイプ」と呼ばれるモデル。キーボードのタイプ音が静かである、というタイプです。

これは本当に静か。

一般的なメカニカルキーボードは、タイプするたびにカチャカチャと甲高い音がなり、それを不快に思う方もいます。また、結構に大きな音がなるので、ビデオ会議などをしていてもタイプ音が会話のじゃまになってしまうことも珍しくありません。

静音タイプは、音の表現としては「ドスドス」「ゴスゴス」という感じの音。低く、どっしりとした音になるので、空間に響くことなく、相手への不快感を減らすことができます。

実際にタイプ比較をした動画がありますので、参考にしてみてください。

真実④:見た目・デザインがかっこいい。間違いない。

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HHKBは非常にシンプルで、無駄のないデザインをしています。キーへの印字が目立たないようになっていて、「キーボード」がひとつの作品のように仕上がっています。

特に日本語配列を普段使っている人にとっては、かなり大きなメリットになるかと。

日本語配列の場合、「ひらがなが印字されていて、見た目がごちゃごちしててダサい」という特有のデメリットがありますよね。HHKBでは、日本語配列版だとしても、ひらがなの表記がありません。

また、「ユーザーは基本的にブラインドタッチができる」という前提があるため、印字も目立たず、パッと見た感じはプレーンで無地なデザインなように感じられます。

このシンプルさが、持っていて・使っていて楽しいと感じられるポイントのひとつでもありますね。


誤解①:コンパクトで持ち運びに最適、とは言い難い

一般的なフルサイズのキーボードに比べたら、横幅もそこまで長くなく、コンパクトです。テンキーもありませんのでね。カバンの中にザッと突っ込んで持ち歩くことはできます。

しかし「最適」かといわれれば、それはちょっとむずかしいところ。

まずパーツが多い。上述したとおり、やはりパームレストがないと使いづらいので、パームレストも一緒に持ち歩かなければなりません。

そして、この厚みです。おおよそ4.0cmほどの厚みがあって、これが結構嵩張るのです。カバンの中に入れたときに存在感を感じざるを得ません。

さいごに重さ。電池を含まずで約550g。これに単三電池2本分の重さ、約50gが加わります。
そしてパームレスト。素材にもよりますが、木製のものなら250gぐらいの重さになります。

これらを合計すると、850gぐらいになります。これにマウスなどの必要パーツを加えると、結局1kgぐらいの重さになってしまいます。そうなると、なんだか「手軽に持ち運べる」というのとはちょっと違うかなと思うのです。

誤解②:カーソルキーの操作が独特で使いにくい、とは言い切れない

たしかに、HHKBのUS配列キーボードには矢印がありません。カーソルを動かしたいときはファンクションキーを押しながら、スラッシュやセミコロンのキーを押します。

この操作がいちいち面倒くさく、なかなか慣れないために使いづらさを感じる、という意見をよく耳にします。

しかしこの問題はUS配列キーボードのみの悩み。日本語配列のキーボードにはカーソルキーがキチンと搭載されているので、使い勝手の悪さを感じることはありません。

誤解③:新しいモデルの方を買ったほうがいい、わけではない。

HHKBには様々なモデルが発売されています。最新のものが「Professional HYBRID TYpe-S」というモデル。これは静音性にすぐれ、ワイヤレス接続に対応したモデルです。

しかし必ずしも、このモデルが最適なわけではありません。

そもそも、HHKBにおいては、モデルによる優劣はないのです。基本的な構造は今も昔も変わっておらず、「HHKBらしい気持ちのいい打感」はどのモデルでも味わうことができます。

なので、古い有線モデルであっても十分に使えます。型落ちという表現になりますが、それでも戦力としては十二分であり、比較的安く手に入れることが可能なんです。

ぼくも最初、HHKBに興味を持った当初は、いきなり高いお金を出すことをためらったため、メルカリで古い有線モデルを買いました。

そして、使ってみて気に入ったので、有線モデルはふたたび売却。無駄なお金のロストを最小限にして、いまはHYBRID Type-Sを使うに至りました。


間違い①:どれだけタイプしても疲れない、ってことはない

これには個人差があると思いますが、すくなくとも僕が使っている限りは、普通に疲労感を感じます。

たしかに、タイプしている時間がたのしくて心地いいので、時間を忘れてタイプし続けることはできますが、指先や手首、腕への疲労感はちゃんとあります。

むしろ、キーストロークが深く、ひとつひとつのキーをしっかりと押さなければならない分、Macのペチペチしたキーボードよりも疲れやすく感じることすらあります。

HHKBはたしかに考えつくされたプロダクトで、疲労感も最小限に抑えられるようにできているんだと思います。しかし「疲れない」ということはないと、ぼくは思っています。

間違い②:最高のキーボードだ、と断定はできない

HHKBは間違いなく "良いキーボード" です。タイプしたときの独特な心地よさは、他に類をみない快感があります。

しかしだからといって、盲目的に「最高だ」と断じることはできません。決めつける必要もないです。

ぼくにとっては、MacのMagic Keyboardも十分にタイプしやすいキーボードです。自分のコンディションによっては「今日はこれが良いかも」と思うことも多々あります。

また最近では、Logicoolのメカニカルキーボード「MX MECHANICAL Mini」が非常に楽しくて気に入っています。HHKBに比べるとストロークが浅く、軽い力でパチパチと打てる快感さは、HHKBのそれとはまた違った心地よさです。

「HHKBを経由した結果、いまは違うキーボードを愛用している」というユーザーは、ぼくの周りにも普通にいます。HHKBをひとつの通過点として、自分にとって最適なキーボードが見つかったら、それがベストだと思いますよ。

HHKBに固執する必要はないのです。

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  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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