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【SIMGOT EM2 レビュー】音質もデザインも美麗なSHURE掛けイヤホンの品質に酔いしれる

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Bluetoothでつなげるワイヤレスイヤホンは散々使ってきた。イヤホンだけじゃなく、ワイヤレスヘッドホンも4〜5個は買った。

だから今は、有線のイヤホンが良い。

ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンは確かに便利だ。しかしその価格のいくらかはバッテリーと充電器とワイヤレス機能にコストを持っていかれている。

ならば今は、その価格の分だけ、すべてを音につぎ込んで欲しい。使い勝手とかではなく、単純に良い音で音楽を聴きたいのだ。

いま私が使っているのは「SIMGOT」の「EM2」という有線のイヤホンだ。

メーカーから提供してもらったものだが、非常に気持ちの良い音で、今では私の愛機となっている。

この時代に1万3千円を掛けて、あえて有線のイヤホンを選ぶのはアホに思えるかもしれない。しかしBluetoothのワイヤレスイヤホンに慣れてしまっている耳には、とっておきのご馳走になるだろう。

SIMGOT「EM2」の概要

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SIMGOTは、2015年に中国の深センに設立された新興オーディオメーカー。デビュー作である「EN700」は品質・音質ともに評価が高く、オーディオ好きの人の間では話題になったとのこと。

そんなSIMGOT社が2019年5月に販売した新作ハイレゾ対応イヤホンが、今回紹介する「EM2」だ。

SHUREのような耳掛け型のイヤホンで、着脱式のケーブルシステムを採用。クリアボディのデザインが印象的で、ケーブルもハイグレード4芯銀メッキ混合編線で美しい。

それはまるで、アクセサリを身につけるような感覚だ。

最大のこだわりは、やはり音質だ。過去に人気を博した同社のEN700シリーズの最上位モデル「EN700PRO」と同じダイナミック型ドライバーを採用したハイブリッドデュアルドライバで、ハイレゾ・オーディオにも対応している。

SIMGOT「EM2」のカタログスペック

SIMGOT「EM2」のカタログスペックは以下の通り。

カラー 5色(パープル/グリーン/ピンク/クリア/クリアブラック)
インピーダンス 10Ω
ヘッドホン感度 101dB
周波数応答の範囲 15Hz-40kHz
定格電力 3.5mmストレートプラグ付きの15mW
歪み度 <1% 101 dB
チャンネルバランス <1.5 dB (1000Hzで)
ボーカリズムの原則 ダブルダイナミックドライバー

搭載しているドライバーと音質

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「EM2」は、ダイナミックドライバが1つ、バランスドドライバが1つ搭載されたハイブリッド型

ダイナミック型コアドライバーは、高分子複複合チタンコート振動板を採用した強磁力ドライバー。人気であったEN700シリーズの最上位モデル「EN700PRO」と同じもので、生き生きとした臨場感のあるサウンドを。

バランスドライバーは、チューニングベント付フルレンジ・バランスド・アーマチュア・ドライバー。低音の量感と質はダイナミック型のような心地よい自然さがあり、中域から高域はバランスド・アーマチュア型ならではの滑らかさや美しさを表現する、とのことだ。

詳細については後述するが、実際に聴いてみたところ、音質は非常に良かった。音ひとつひとつが粒立っていており、自然でクリアな感触だった。

SIMGOT「EM2」はアクセサリのような美しさ

それでは実際に開封した様子をご紹介する。

SIMGOT「EM2」は、パッケージを開けるところから楽しい。アクセサリを梱包しているような丁寧さで、商品への愛情を感じるパッケージだ。

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付属品は以下の通り。イヤホンとケーブルは分かれていて、自分で装着して使用する。

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付属品一覧

  • イヤホン本体
  • 0.78mm 2pin端子ハイグレード4芯銀メッキ混合編ケーブル
  • レザーキャリングケース
  • 高域強調型イヤーピース:S・M・L
  • バランス型イヤーピース:S・M・L
  • VIPカード・保証書
  • 取扱説明書
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銀メッキ混合編ケーブルが美しい

個人的に気に入っているのがこのケーブルだ。今までのどんなケーブルよりも美しく、その白銀の控えめな輝かしさが、まるでアクセサリーのようである。

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イヤホン本体とプラグは別々にわかれており、自分でつないで使用する。もし断線しても、本体を買い換える必要はなく、ケーブルだけ替えればOKだ。

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本機はいわゆる「SHURE掛け」をするタイプのモニターイヤホン。耳の上から引っ掛けて装着する。

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耳に接触する部分は、耳への負担を軽減しつつ、よりフィット感を向上させるために、ビニールの補強がされている。非常につけ心地がよく、長時間の利用でも耳が痛くならないすぐれものだ。

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クリアボディのイヤホン本体もまた美しい

SIMGOT「EM2」は「パープル/グリーン/ピンク/クリア/クリアブラック」の5色展開だが、すべて透明なクリアボディとなっている。中身の機構が見えるようになっていて、非常に目を惹くデザインだ。

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単体だけで見たときも絵になる美しさ。耳に装着したときには、目立ちはしないが、その独特なデザインが嫌味にならない程度に主張してくれる。

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肝心の音質:クリアで粒立った音が心地いい

SIMGOT「EM2」の音質についてお話ししよう。

ちなみに音質についてはAmazonの商品レビューにも数多くの評価が寄せられている。私個人の意見だけでなく、そちらのコメントも合わせて参考にすれば、より疑問や不安が解消されるだろう。

中域〜高域にかけてクリアで安定した綺麗さ

この機種の特徴は、中域〜高域のクリアさにあると思う。

高音がキンキンうるさかったり、ぼんやりこもったりすることがなく、非常にクリアで、音の粒がハッキリと聴こえる印象だ。長時間聴いていても疲れないバランスの良さがある。

低音がゴリゴリ鳴るようなことはない。ズンズン・ドンドンしたような音楽が好きな人には似合わないかもしれない。

「低音の迫力に欠ける」とも言える。もしかしたら人によっては物足りなさを感じるかもしれない。

私自身、そこまで低音を重視はしていないが、実は「もうちょっとベースとドラムの音を楽しみたいな」と感じたのが正直な感想だ。

しかしこの問題は、イヤーピースを変えることで大きく改善でき、よりバランスの整った機種に昇華されたように思う。

イヤーピースは低反発ウレタン製に変えよう

私はいま、FSC社製の「低反発ウレタン製イヤーピース」を当機種に付けている。

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これは「SHURE 215」などにデフォルトで付いているようなタイプのイヤーピース。

柔らかい素材のため指で押すと簡単に変形するが、すぐに元の形に戻るのが特徴。柔軟性のある素材で、耳の穴の形にしっかりとフィットしてくれるのだ。

そのため、シリコン製よりも遮音性に優れ、耳にやさしく密着してくれる。

本機種に採用してみたところ、低音のインパクトが強まった。ゴリゴリに主張するようになったわけではなく、低音がクリアになった感じ。ドラムやベースの音の粒がひとつひとつ聴き分けやすくなったような印象だ。

もともとのクリアな中域〜高音にくわえて、粒だった低音が合わさり、全体として最良のバランスができあがったように私は感じている。

そもそも私は、カナル型のイヤホンがダメなのだ。湿っぽい耳垢であるため、シリコン製のイヤーピースは滑ってしまい、すぐに耳から抜け落ちてしまう。

なので低音の弱さは、もしかしたら私とシリコン製イヤーピースの相性の悪さが起因しているのかもしれない。

しかしいずれにしても、当機種の性能を100%引き出すのは、低反発ウレタン製イヤーピースであると、私は疑っていない。ぜひ音質に不満を感じたなら、騙されたと思って採用してみて欲しい。

Amazonレビューでの評価も概ね同様

Amazonの商品レビューを拝見しているが、概ねは私と同様の意見であった。

中音〜高音については、「ごちゃつきや音のこもり、高音の刺さりやシャリ付きがない」「高音は程よく伸び、ボーカルの透明感や艶感が心地良い」「音数は多く、きちんと分離されて粒感が際立つ」といった意見が散見できる。

しかし一方で低音については「低音はしっかり鳴らず、量感も多くない」「切れ味のあるこ美味良い響き」「中低音は出にくい印象で、つながりが悪く、不自然に感じる」といった意見があり、インパクトに欠けるような意見が多い。

否定的でありつつ冷静で公平な意見もあるので、ぜひ合わせて確認をしてみて、後悔のない買い物をして欲しい。けっして安いイヤホンではないのだから。

あとがき

「中国製品」=「リーズナブルな模倣品」「安価な粗悪品」というイメージはすでに過去のものなのかもしれない。そう思えるほど、本製品の品質には満足している。

いや、もちろん「そこそこの物を安価に」というのも中国製品の特徴だろう。しかし本気の製品については高い技術力を発揮できるものなのだなぁと。

本製品についてはメーカーから提供してもらったものではあるが、一切の贔屓ひいきも義理立てもなく、純粋に気に入っており、いまでは「SHURE 215」よりも頻繁に使用している。それだけ満足度の高い製品だ。

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  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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