Shokz(旧:AfterShokz)が新しく発売を開始した骨伝導イヤホン「OpenRun Pro」。かつてのハイエンドモデルであった「Aeropex」から、音質や使い勝手を含め、さまざまな進化・改善点があった。
両方のモデルをヘビーに使い込んだからこそわかる、細かな違いにもフォーカスを当てて、その相違点についてなるべく細かくお話しできたらと思っている。
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なお、「OpenRun Pro」の使用感レビューは個別に記事を書いているので、こちらも合わせて確認してもらえたらうれしい。
【OpenRun Pro】音質が劇的向上!急速充電対応!レベルが格段に上がった骨伝導イヤホン【レビュー】
骨伝導イヤホンのパイオニア「Shokz(旧:AfterShokz)」がリリースした最新モデル「OpenRun Pro」。今までの最上位モデルであった「Aeropex」から確実な進化を遂げて、満を持して
「OpenRun Pro」と「Aeropex」の違い一覧
まずはじめに「OpenRun Pro」と「Aeropex」の違いを早見表にてご紹介しよう。それぞれは細かい変更点かもしれないが、一つひとつ確実な進化を遂げている。
Open Run Pro | Aeropex | |
アプリ対応 | Shokz アプリ(iOS/Android) | 非対応 |
オーディオ | 第9世代技術 Shokz TurboPitch™ |
第8世代技術 PremiumPitch™ 2.0+ |
マイク | ノイズキャンセリング・マイク | |
Bluetooth | 5.1 | 5.0 |
ワイヤレス距離 | 10m | |
バッテリー | 140mAh | 145mAh |
使用時間 | 最大10時間 | 最大8時間 |
待機時間 | 最大10日間(240時間) | 最大10日間(240時間) |
充電時間 | 約1時間 | 約2時間 |
クイックチャージ | 5分の急速充電で最大1.5時間使用 | なし |
体積 | Aeropexより20%小型化 | --- |
防塵防水性能 | IP55 | IP67 |
重量 | 29g | 26g |
それでは、それぞれの項目について、私が実際に使ってみて実感した違いについてお話ししよう。
骨伝導技術と音質の向上
まず骨伝導技術について変更があった。「Aeropex」が第8世代技術なのに対して、「OpenRun Pro」は第9世代の骨伝導テクノロジーが採用されている。
第9代骨伝導技術では、重低音が強化。鮮明でクリアな中高音を実現するとともに、深みのある低音を実現している、とのことである。
実際に聴き比べると、その違いは明確だ。
「OpenRun Pro」のほうが、音の広がりや奥行きを感じられる。低音が強化されたことで、全体としての深みや臨場感が出てきた印象だ。
「Aeropex」も良い音質で、中音〜高音の音がクリアで透き通っている印象だった。しかし同じ曲を交互に聴き比べてみると、「OpenRun Pro」が数段階もレベルアップしていることに気付かされる。
私だけの感覚では自信が持てなかったので、隣にいる妻にも試してもらったのだが、概ね同じ感想であった。「OpenRun Proが劇場なら、Aeropexはラジオって感じ。それぐらい立体感を感じた」とのことだ。
骨伝導イヤホンは、その性質上、イヤホンに比べたら音質は劣ってしまっていた。しかし「OpenRun Pro」なら、音楽を諦めなくても良い。
急速充電に対応!使用可能時間も10時間に向上
「OpenRun Pro」では、念願の「急速充電」に対応するようになった。なんと、たった5分間の充電で、最大1.5時間の音楽再生が可能になるのだ。
充電に必要な所要時間は以下の通り。30分もあればほぼ充電が完了するというのは、非常に魅力的だ。
- 20分チャージ:0-60%充電
- 30分チャージ:0-90%充電
- 1時間チャージ:0-100%充電
しかも、連続再生時間も2時間プラスとなり、最大10時間まで可能となった。これならもう、バッテリー問題に悩まされることもないだろう。
ランチやディナーの合間とはいわない。お風呂やトイレなど、ほんのわずかなスキマ時間で充電すれば、一日中つかいつづけられてしまうのだ。この絶対的な安心感は「Aeropex」にないメリットだ。
マイクの音質が実は向上している
カタログスペック的には、どちらも「ノイズキャンセリング・マイク」となっているが、実は性能はすこし向上している。すくなくとも私にはそう感じられた。
以下の記事で、過去に Shokz 社がリリースしている骨伝導イヤホンとのマイク性能比較テストを行った。その結果、やはり「OpenRun Pro」のほうがクリアで、声をハッキリと認識できた。
【OpenRun Pro対応】Shokzの骨伝導ヘッドホンのマイク品質テスト
Shokz(旧:AfterShokz)の最新骨伝導ヘッドホン「OpenRun Pro」を試用する機会をいただいた。詳しいレビューはまた別途記事にまとめようと思うが、今回はマイク音声の比較テストの結果を
防塵・防水性能はすこしダウン
防塵・防水性能については、実は「OpenRun Pro」のほうが劣っているのだ。「Aeropex」はIP67なのに対し、「OpenRun Pro」はIP55となっている。
「IP○△」となっていた場合、○が固形物・粉末に対する防塵への耐性で、△が水に対する耐性を示す。
IP67:「塵埃の侵入がない|強力なジェット噴流水による噴流水によっても機器が影響を受けない」
IP55:「塵埃の侵入を完全に防止できないが電子機器の動作には問題がない|あらゆる方向からのノズルによる噴流水機器が影響を受けない」
しかし、劣っているといっても、十分な防水性能はあるので安心できる。公式の説明では、
OpenRun Proが持つIP55防水性能は、あらゆる方向からの噴流水(3.63mm)からの1-3分間の耐水性を持つことを意味し、小雨や汗などで濡れることは問題ありません。 しかし、降り続く雨の中で装着して使用する場合、スピーカーから水が入ってくる可能性があります。そのため、雨の中や濡れた状態での長時間の使用は避けてください。
とのこと。日常生活はもちろん、スポーツをするうえでも安心して使用できるほどの性能は保っているので、安心して使える。雨の日のランニングだけは注意しよう。
Bluetoothの対応バージョンが向上
Bluetoothのバージョンが 5.0 から 5.1 にマイナーアップデート。しかしこれを実感することは難しく、「以前よりもすこし安定性が高まった」程度に考えたらいいだろう。
実際、Aeropex のときから Bluetooth の接続は安定しており、接続が勝手に切れたり、音がブツブツ切れるようなことはなかった。これは OpenRun Pro でも継続しており、接続は非常に安定している。
ちなみに、Bluetooth 5.1 の特徴は「危機探索方式の改善」。これまでの技術では、受信側と送信側の距離を「だいたいこのあたり」と予想していたが、5.1 ではより正確な位置情報が得られるようになった。
重量は 3g 増えるも、体積は20%小型化
Aeropex の重量が 26g なのに対し、OpenRun Pro の重量は 29g。カタログスペックで 3g ほど重くなっている。
しかしこれを実感することはほとんどできなかった。そもそもが十分軽いのだ。一般的なプラスチックレンズのメガネの重量が 30g 前後といわれているため、メガネよりも軽くできている。
また、体積については OpenRun Pro のほうが 20% ほど小さくなったとのことだが、これもあまり実感は得られなかった。しかし、ボタンは確実に大きくなっており、Aeropex よりも指先での操作がしやすくなっている。
Shokzアプリ初登場!イコライザや設定変更に対応
そして最後に、Shokz が専用アプリをリリース。OpenRun Pro はこのアプリに対応しており、イコライザなどの設定変更ができる。
…らしい。しかし残念ながら、今日現在でアプリが日本のAppStoreでリリースされておらず、使用することができない。
しかし公式の説明では「イコライザに対応」とのことなので、音質を自分好みに調整することができるのだろう。公開されるのが非常に楽しみだ。
絶対「OpenRun Pro」推奨!価格差 4,000円の価値あり
「OpenRun Pro」と「Aeropex」の性能差は以上だ。そして価格はそれぞれ以下のとおりとなっている。
- OpenRun Pro:定価23,880円(税込)
- Aeropex:定価19,998円(税込)
価格にして4,000円の違いがある。これだけの差であれば、私は間違いなく「OpenRun Pro」の購入をおすすめする。
理由はやはり「音質の向上」と「急速充電への対応」だ。この2つがあるだけで、オーディオデバイスとしての楽しさと、使い勝手の良さが、段違いになってくる。
もし予算が厳しいのであれば、Aeropex ではなく、廉価版である OpenMove のほうが良い。骨伝導イヤホンとして十分な性能を持ちながら、1万円弱という価格で手に入る、入門用としては非常におすすめできるモデルだ。
【OPENMOVE】1万円を切るコスパ最強の骨伝導式ヘッドホンの魅力を全力レビュー
骨伝導ヘッドセットのパイオニアであるAftershockz社がリリースした、骨伝導ヘッドセットのエントリーモデル「OPENMOVE」。 正直おどろいた。そしてこの感動を、ぜひ多くの人にも体験してもらい
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