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【#3776 センチュリー】ズボラ人が持つべき乾かない万年筆!1万円で金ペンという異常なコスパにも注目

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万年筆を長いあいだ使わずに置いておいて、インクが乾き、書けなくしてしまった経験がある。「自分はズボラだから、手入れが面倒な万年筆は性格に合わないのだろう」と諦めているのだとしたら、ぜひこの一本を使ってみて欲しい。

プラチナ万年筆の「#3776 CENTURYセンチュリー」だ。

何がスゴいか。インクが全く乾かないのだ。たとえ1年間放置したとしても、つい昨日使ったばかりのようなインクフローを保ってくれる。

私のように、ずぼらで、気分屋で、飽き性で、何本ものペンを使いまわしているような人には、最適な一本であると確信している。

万年筆特有の面倒くささと無縁になれる、とても素晴らしい万年筆「#3776 CENTURYセンチュリー」をご紹介しよう。

プラチナ万年筆「#3776 センチュリー」とは

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「#3776 CENTURYセンチュリー」は、プラチナ社の定番万年筆「#3776 シリーズ」から5年間の研究開発を経て、新しく開発された「スリップシール機構」を採用したモデル。

最大の特徴は「インクが乾いて書けなくなる」という万年筆の宿命ともいえる課題が解消された点だ。

カラーバリエーションやペン先の太さのバリエーションは以下の通り。「超極細」はかなり細字で、手帳で使うときなどに重宝する。

カラー ブラックインブラック シャルトルブルー ブルゴーニュ シュノンソーホワイト ローレルグリーン
価格 定価:14,300円/Amazon価格:11,000円強(税込)
ペン先 大型14金ペン
ペンの太さ 超極細、極細、細字、細軟、中字、太字、極太

「#3776 CENTURYセンチュリー」のなかでもっとも安価なモデルが上記の5種類だ。

他にもデザイン・価格の違うモデルがいくつもあるので、気になる方は公式ホームページをチェックしてみて欲しい。

「インクが乾かない」という異常事態

そもそもの常識として、万年筆のインクが乾くものである。

キャップをしてもインクの乾燥を完璧に防ぐことは難しく、インクは徐々に減っていく。ペン先に付いていたインクが固まるので、筆記すること自体ができなくなってしまうのだ。

したがって万年筆というのは、コンスタントに使い続けなければならない。書き続ければ、インクが常に流動するため、固まることはないのだ。

言うは易し、行うは難し。同じペンをコンスタントに使い続けるのは、簡単なようで、意外と難しい。

今は「万年筆が最高!」と思っていても、徐々に飽きてきて使わなくなってきたり、ボールペンが使いたくなったり、移り気するものだ。

特に私は飽き性で、鉛筆が恋しくなるときもあれば、4色ボールペンにハマる時期もある。1年を通して「1本だけを使い続けた」という経験はない。

スリップシール機構:1年使わなくても乾かない仕組み

そんな万年筆の常識を覆したのが、プラチナ万年筆が開発した「スリップシール機構」だ。

一年以上放置してもインク残量が減らず、インクも固まらない。良好なインクフローが継続され、昨日使った万年筆と変わらない書き味を保ってくれる。

以下は、キャップを完全に閉めた状態の万年筆を放置したときに、インク残量がどれだけ減るかを比較した図だ。

これをみると、一年経っても70%強、二年経っても50%程度はインク残量が残っている。この結果には驚きを隠せない。

実際に私も体験した。2ヶ月というわずかな期間だが、全く使わずに放置した結果がこれだ。安い万年筆なら固まってしまい、まともに文字を書くこともできなくなるところである。

筆記して驚いた。普段と全く変わらない、気持ちのいい書き味。ボトル内のインクも、これだけ滑らかに流れるのだ。

これなら私のようなズボラ人間でも、万年筆を持つ夢が叶う。

使いたいときに使って、飽きたらちょっとデスクにしまっておき、半年後の思いたったそのときに何不自由なくまた使いはじめられる。

万年筆の唯一の弱点を克服し、ボールペンを使うような感覚で取り扱える、老舗メーカーの技術の結晶ともいえる万年筆。それが「#3776 CENTURYセンチュリー」なのである。

「スリップシール機構」の詳しい説明はメーカーの特設ページに記載してあるので、興味がある人は見てみると楽しいと思う。

「#3776 センチュリー」は価格の割に驚くほど高スペック

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「#3776 CENTURYセンチュリー」は、定価が14,300円。Amazon価格はさらに安く、1万円強で手にはいる。これは異常な安さだ。

「ペン1本にしては高い」と思われるかもしれないが、この品質にしてこの値段は、破格の安さである事実を知っておいて欲しい。

上記の「スリップシール機構」だけを見ても価格相応のクオリティだが、それに加えて驚くべきは、「#3776 CENTURYセンチュリー」は金ペンなのだ。

大切なことなのでもう一度いう。

「#3776 CENTURYセンチュリー」は、1万円強なのに、金ペンなのだ。「金メッキ」でもなく、紛れもない「14金」の万年筆である。

1万円で金ペンはなかなかにあり得ない

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金製のペン先を持った万年筆が、1万円そこそこで手にはいることは珍しい。舶来物ではまず無理で、国内メーカーの製品でも数少ない。

1万円以下の万年筆で使われるのペン先の素材は、ほとんどがスチール(鉄)製。「安価な万年筆のペン先はスチール製」と相場は決まっているのだ。

スチールの特徴は、錆びやすく、筆感も硬い。一生モノの万年筆として使うには、耐久性に難点があるが、その分だけ素材がリーズナブルなため、ペン自体の価格も安価に抑えられる。

一方の金ペンは、非常に高価である。理由は当然、素材で使われている「金」だ。

金ペンの種類は、金の含有率によって違いがある。

含有率が75%程度の「18金(18K)」と、含有率が58%程度の「14金(14K)の2種類が主流。18Kのほうが含有率が高いため、少しやわらかな書き味の傾向にある。

「#3776 CENTURYセンチュリー」は14金のため、18金に比べたら多少固め。

しかしスチール製などに比べたら断然柔らかく、万年筆らしいぬるりとした触感を楽しめる

ペン先の素材による違いと特徴について、詳しくは以下の記事で紹介している。合わせて参考にしてみて欲しい。

2種類の「#3776 センチュリー」

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Amazonや楽天市場などで「#3776 CENTURYセンチュリー」と検索すると、おそらく価格の違う2種類の万年筆が出てくると思う。

「#3776 CENTURYセンチュリー」は過去に価格改定が実施されている。

以前は「定価:11,000円/Amazon価格:9,800円」だったのに対し、現在は「定価:14,300円/Amazon価格:11,000円強」となっている。

型番でいうと、旧版が「PNB-10000」で、現行版が「PNB-13000」となる。品質的な違いはおそらくないが、ペンの太さのバリエーションが違うので、その点には注意が必要だ。

一生モノのペンが1万円で手に入る

スチール製のペンはインクによる錆が発生するため、何十年と使い続けるには適さない。

一方、金は腐食に強い。そのため「一生モノの万年筆」といえば、金素材のペンを選ぶのが定石となっている。

「#3776 CENTURYセンチュリー」であれば、1万円そこそこで、あなたと生涯を沿い遂げられる相棒が手に入ってしまうのだ。

あなたが浮気しても、変わらぬ表情でそこにいてくれる。使いたいときに使える、とても融通の効く優等生だ。

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  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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