「秘密の質問」とは、本人確認のための手法のひとつである。
アカウントの設定時などに求められる設定項目で、「好きな食べ物は?」「母親の旧姓は?」など、本人にしかわからないであろう質問を投げかけて、回答を決めておく。
パスワードの再発行時などの本人確認が必要なときに、その質問にたいする回答を入力してもらうことで、本人であることを確認することができる。
「秘密の質問」の回答にはいつも悩んでしまう…
このセキュリティ手法が、ぼくはとても嫌いだ。理由は単純で「覚えていられないから」だ。
質問項目は、サイトやサービスによってまちまちだ。中には「一番好きな映画は?」「好きな食べ物は?」など、年齢や気分によって回答が変わってしまうであろう質問があったりする。
くわえて厄介なことに「ひらがな」「カタカナ」「漢字」の指定がない場合がほとんど。同じ言葉であっても「さいふ/サイフ/財布」などというバリエーションができてしまう。
こうなるともう、あとから思い出すことなんて不可能だ。スターバックスの会員パスワードの再発行で「好きな映画は?」と尋ねられて、もうすでに30回は失敗している。
そもそも会員登録をしたのが、ぼくが何歳の頃だったのかもわからないし、仮にわかったとしても、そのときの自分が好きで観ていた映画なんて予想もつかない。
こうなるともう、パスワードの再発行は諦めなければならないような気がしている……。
さて、こういう失敗が起こらないように、実はぼくは、ある時期から、ひとつの裏技を実践している。
これをすることで、どんな「秘密の質問」が来ようとも絶対に困らないし、自分が設定した回答を忘れることもない。しかも、第三者は絶対に、ぼくの回答を予想することができない。
すべての「秘密の質問」に対して「同じ回答」を用意しておく
その裏技というのは「どんな質問に対しても、おなじ回答をする」というものだ。
たとえばあるサイトで「一番好きな映画は?」と聞かれたら『たまごかけゴハン』と設定する。「母親の旧姓は?」と聞かれても『たまごかけゴハン』と設定する。
「一番好きな食べ物は?」
「一番最初にデートにいった場所は?」
「生まれた町の名前は?」
「最初に飼ったペットの名前は?」
「中学三年生のときの担任は?」
「子供の頃のヒーローは誰?」
「最初に乗った車の車種は?」
「子供の頃の憧れの選手は?」
「初恋の人のファーストネームは?」
すべて回答は『たまごかけゴハン』にする。
こうしておけば、ぼくは今後、秘密の質問に対する答えを求められても『たまごかけゴハン』とだけ答えればいいのだ。
この手法の最も良い点は、第三者が予測できないところにある。「中学三年生のときの担任は?」の回答が『たまごかけゴハン』だとは、どんな凄腕ハッカーだろうと予想できまい。
あとがき
最近は見ることも少なくなってきたけれど、それでもたまに設定を求められることがあるね。
あぁ……。秘密の質問に対して、真面目に回答を考えていた昔の自分に、時間を返してあげたいよ。