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骨伝導式ヘッドホンでよくある5つの疑問を解消!仕組み・音質・音漏れなど

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私は最近、骨伝導式ヘッドホンを愛用しています。愛用しているのはAfterShokzアフターショックスAeropexエアロペクス。つけ心地が非常に軽くて長時間つけていても疲れずらく、パワフルでクリアな音質が特徴の逸品です。過去にレビューも書いていますので、よければ合わせてご覧ください。

さて今回は、そんな骨伝導式ヘッドホンが気になっているけど、まだ手にとったことがない方へ。骨伝導式ヘッドホンについて、よくある疑問点について回答します。

その中のいくつかはAfterShokzアフターショックスAeropexエアロペクス」特有の使用感だったりしますが、概ね「骨伝導式ヘッドホン全般」にも言えることかと思います。

骨伝導式ってどういう仕組で音が聴こえるの?

「骨伝導」とは、その言葉通り、音の振動が「骨」を通じて聴覚神経に伝わることをいいます。

これの逆が「空気伝導」。一般的なイヤホン・ヘッドホンは、音波が外耳と鼓膜を通じて、内耳に伝わります。

たとえば私たちが、おせんべいを食べたとすると、バリバリっという咀嚼音が聴こえます。これは顔の骨を通して、その振動が内耳に伝わることで、音が聴こえてきます。

この現象を利用したのが骨伝導式ヘッドホン。

骨伝導式ヘッドホンには「トランスデューサー」というパーツが備わっており、これが微振動することで、頬骨から内耳に音を届けています。

骨伝導って安全性・健康面に問題ないの?

「頭に振動を流す」という仕組みがゆえに、「危険性はないの?」「脳に悪影響があるのでは?」と懸念される声が散見されます。

しかしその点については、気にしすぎる必要はありません。

骨伝導は、特別に開発された技術ではなく、日常生活の中にありふれている一般的な事象。「自分が聴こえる仕組み」もそのひとつです。

頭がい骨とは自分が声を発するたびに震えているのです。 もちろんその震えは音として蝸牛、そして脳へと伝わっています。 私たちは、耳から入ってくる音と、骨伝導の音の両方をいつも聴いているのです。

via: 骨伝導について|骨伝導ヘッドホン・イヤホンなど|ゴールデンダンスオンラインショップ

骨伝導ヘッドホンの振動は、特別強力なものではありません。頭を打ち付けるような振動を常に浴びせるわけではありませんので、安心して利用できます。

また、懸念される電磁波についても問題はありません。いや、正確には「骨伝導式だからといって特別に危険視することはない」という表現のほうが正しいですかね。

電磁波についても問題はありません。 ほかの電気製品と同じように電磁波は発生していますが、ごく微弱なもの。 自然界に存在する電磁波と同レベルの強さです。 安心して骨伝導製品をご使用ください。

via: 骨伝導Q&A|骨伝導製品開発|骨伝導専門メーカーゴールデンダンス

個人的な見解としては、微弱といえども電磁波を浴び続けること自体、健康には悪影響だと考えています。できれば避けるべきでしょう。

しかしそれは「骨伝導ヘッドホンだから」という特別なものではなく、ヘッドホンなどの電子デバイス利用する上では避けて通れないものです。こればかりは仕方ありませんね。

ちなみに「骨伝導」を利用して音を聴く技術は、古くから活用されてきました。

耳が聞こえない音楽家として有名なベートーベンは、タクトを口に咥えて、そのタクトをピアノに押し付けることで、ピアノの振動で頭蓋骨を震わせ、音を聴いていたといいます。

音漏れは発生するの?どれぐらい音漏れするの?

「振動を伝えることで音を聴く技術」といっても、音漏れはします。残念ながら「自分だけが聴こえる完全な指向性」のあるものではありません。

たとえば私が愛用しているAfterShokzアフターショックスAeropexエアロペクスでは、以下のような結果が得られました。

場所は室内で、誰もいない静かな空間です。そこでAeropexエアロペクスを装着し、1m程度離れた位置で、すこし激しめのロックを聴いてもらいました。

iPhoneの音量を半分ぐらいにしているときは、ほとんど聴き取れないレベル。耳をすませばようやく聞こえますが、なんの曲を聴いているのかは判断できません。

iPhoneの音量を限界まで上げると、シャカシャカ聴こえます。ボーカルの声もハッキリ聴き取れ、なんの曲を聴いているのかも判断できるレベルでした。

骨伝導だからといって過信しないようにしましょう。意外と音が漏れていて、周りの人に迷惑をかけてしまうかもしれません。

via: 【AfterShokz Aeropex レビュー】この骨伝導式ヘッドホンが日常に変革をもたらす - あなたのスイッチを押すブログ

製品によって性能の差異はあるかと思いますが、「骨伝導ヘッドホンだから音漏れしない」というわけではありませんのでご注意を。

ただし「普通のヘッドホンよりも音漏れしやすい」というものでもありません。一般常識範囲の音量で聴く分には、他人に迷惑はかかりません。気にしすぎる必要はないでしょう。

音の大きさはどれぐらい?雑踏でも聴こえるの?

耳を塞がないで音を聴きますので、耳からの音は普通に聴こえてきます。

では「街の雑踏や、車の往来が激しい大通り沿いでは、ほとんど音は聴こえなくなるの?」との疑問がありますが、実はそんなことはありません。町中でも音楽はしっかり聴こえます。

耳からの音も聞こえますが、音楽は頭の中に直接鳴り響くような感じ。それが両方ともミックスされて、ボリュームの大きいほうが勝つって感じです。

たとえば音楽の音量を小さめにしていれば、環境音の中に静かに音楽が流れるイメージ。店内BGMが自然に流れてくるような感じです。

逆に音量をMAXにして、爆音で音楽を聴いていると、環境音は聞こえなくなります。耳からの情報がかき消されてしまうので、話しかけられても気づけないほどです。

音量次第では耳をふさいでいるのと同じ程度の危険度はありますので、外出先で利用するさいは、ボリュームの強弱に気をつけましょう。

外の環境音がキチンと聞こえる音量を確保しつつ、生活にBGMを彩るレベルで利用するのが、丁度いいでしょう。

音質は良いの?音楽を聴けるほどのレベルなの?

製品のクオリティに左右されますが、私が愛用しているAfterShokzアフターショックスAeropexエアロペクスについては、非常に満足できるレベルに仕上がっています。

中音域の音は非常にクリアで心地いい。楽器ひとつひとつの音を聴き分けることは簡単で、心地よく伸びて広がる感じがあります。

低音は弱めですが、ベースやドラムの音が聞こえないわけではなく、きちんと存在を感じることができます。

ノイズがバリバリしたり、高音がキンキンなったりと、そういう類のストレスは一切ありません。

何より気持ちいいのは、耳を通して音を聞かないってポイントにあります。

頭の中で音が直接広がっていく感じは、一度体験するとヤミツキ。イヤホンを使ったときの窮屈さが苦しく思うでしょう。

ただし「音楽鑑賞用デバイス」としては不十分である点は否めません。もしあなたが「音楽を本格的に楽しみたい」と考えているのなら、同価格のヘッドホンを買ったほうが良いでしょう。

そういう人は、そもそもの用途を間違っています。骨伝導ヘッドホンは、決して「音楽鑑賞用デバイス」ではありません。「音楽」には鑑賞するのなら、それ専用のデバイスを使うべきです。

もしあなたが「日常に溢れる音を楽しみたい」ということであれば、骨伝導ヘッドホンは最適なオーディオデバイスといえると思います。

音楽はもちろん、動画やゲームのBGMを楽しむには、十分なクオリティを発揮してくれますよ。

  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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