Evernote の代替として活躍中の Notion 。自分用のデータベースとして構築を進めておるところだ。
Notion の強みは、ページのレイアウトの豊富さと、それによる情報の整理整頓のカンタンさにある。そういう点は Evernote と違う便利さだ。Evernote はホント、大雑把にいえば、テキストでしか記録を残せなかったからなぁ。
その分、Notion より Evernote が優れているのは「検索機能」だろう。
Evernote は、けっこう雑に使っても機能していた。とりあえずメモを放り込んでおいても、あとから検索すれば、大抵の場合は必要な情報が取り出せるものだった。
その点で Notion はまだ弱い。適当な管理をしていると、とたんに「あのメモ、どこにやったっけ?」というピンチに追い込まれてしまう。
Notion では、情報をどこに集めて、どこに置くかが、意外と重要になる。
だからぼくは、まぁ Evernote でも同じことをしていたんだけれども、「Inbox 整理術」が有効だと思って実践している。
Inbox整理術とは
もともとは Getting Things Done、通称GTDというタスク管理手法における考え方のひとつで。概要は以下の通りだ。
頭の中にあるすべての事柄を、とりあえず「Inbox」と呼ばれる箱にとりあえず入れる。まずは入れる。それが "何か" という「判断」はあとでするとして、まずは頭を空っぽにするために、すべてを Inbox に集約する。
そして、頭の中のものをすべて出しきったら、ようやく「判断」のフローとなる。Inbox に入れたものを一つひとつ摘み上げて、それが Todo なのか、ただの参考資料なのかを、判断し、適切に整理整頓していく。
これがいわゆる GTD におけるタスク管理のフローで、GTD が優れていると呼ばれる由縁である。
これはタスク管理にだけいえることじゃあない。たとえば家の掃除でもそうだ。
タンスの片付けをするのに、もっとも効率的な方法は、まず一度、タンスの中のものをすべてぶちまけて、それから「これはいる」「これはいらない」など判断し、整理していくことである。
絶対にやってはいけないのが、タンスの一番上の引き出しを開けて、ひとつものを摘み上げて、「これはいらない」といってゴミ箱に捨てて、そして次のものを拾い上げ、「これはまだ使える」とタンスに戻す作業だ。
これではいつまで経ってもタンスはキレイにならないし、ものを適切な場所に配置することもできない。
作業は単純でシンプルなほうがいい。「A→B→C→A→B→C→A→B→C」という作業は非常に非効率なのだから、作業手順は「A→A→A→B→B→B→C→C→C」とするべきだ。
だから、まずは一箇所に集める。それだけに集中する。判断は後回し。
これを Notion でも活用する。
Notion の Inbox ノート
ぼくは Notion の一番上に「Inbox」というノートを作っている。ここがすべての情報の受け皿で、どんな情報もまずはココに入れるように心がけている。
妻から依頼された買い物のメモ。ちょっとしたブログ記事アイデア。仕事で発生したやるべきこと。たまに見返したくなる娘の動画のワンショット。琴線に触れた言葉。ウェブで見つけたあとで読みたい記事。
こういった、ぼくに関するあらゆる情報を、まずはこの Inbox に集めるのだ。
べつに、最終的に Notion のメモとして残さなくてもいい。捨ててしまうしれないメモもある。鼻紙にすらならない程度の、アホくさいメモだっていいのだ。
重要なのは「ここに必ずある」って安心感だ。
「あのメモ、どこいった?」「さっき良いアイデア思いついたんだけど、なんだったかなぁ」「さっき先輩にやっといてって言われたこと、なんだっけ?」
ぼくは自分を過大評価しない。忘れっぽいことも自覚しているし、記憶に頼ることもしない。慢心しないし、油断もしない。バカだからね。
取ったメモを一箇所に集めておけば、仮に Inbox の中が10万のメモで埋め尽くされたとしても、時間さえかければぼくは欲しい情報を取り出すことができる。
だってぼくは、そこにあるってことだけは、しっかりと覚えていられるから。
執筆後記
Notion は、自分のデータベースを構築していく過程が、なんともいえない快感で、とても楽しい。
ただ、いきなり 100% 正解の整頓方法を見つけ出すのは難しいから、基本はトライ・アンド・エラーの繰り返しだ。
だからこそ、Inbox 理論を取り入れて、情報のありかを明確にしておくことが大切なんだ。ぜひ試してみて。
GTDに興味を持った人は、以下の書籍を読むと良い。ここにGTDのすべてが書かれている。