万年筆のインクが使えるローラーボールペンがあるらしい。そんな噂を耳にして、踏み出した次の一歩は相当に早かったと思う。
万年筆は好きです。でもやっぱりボールペンの手軽さには勝てないところもあって、なんだか気軽にガシガシ書いていくにはボールペンが役に立ちます。
でも油性のインクがやっぱり好きになれなくて。書き味もそうですが、なにより筆跡の色合いが好きになれないのです。万年筆を使っていて楽しいと思えるのは、書き味とは別に、このインクによるところも大きいですから。
そんなわけで、ボールペンとしての気軽さを残しながら、万年筆のインクも楽しめる。それは私によって夢の様な文房具だったわけです。
夢の文房具はカキモリオリジナルボールペン
この万年筆のインクが使えるローラーボールペンは、「カキモリ」という文房具店がオリジナルで製造されている非常に限定された商品なのです。
カキモリとは?
「カキモリ」は蔵前と表参道に店舗を構える文房具屋さん。非常にこだわりをもたれている文房具店で、その雰囲気や世界観はウェブサイトからも感じ取れます。
人が書いた文字の暖かさ。情緒。風情。そういった「心で感じられるもの」を表現してくれる文房具屋で、私が個人的に大好きなお店です。
過去にも当ブログで「オリジナルのノートを作れる文房具店」として紹介させてもらいました。
私が行ったのは表参道店
蔵前の店舗は以前にも何回か伺ったのですが、最近表参道にもお店を出店されたとのことで、初めて足を運んでみました。
今回はペンの紹介なのであまり長く書きませんが、非常に良い所でしたよ。古くおもむきのある家屋の一部屋を借りている形で、ほっこり暖かさを感じるお店でした。
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お店の方に許可をいただいて、360度の写真を撮ってきました。少しでも雰囲気が伝わるといいのですが、ホンネを言えば実際に足を運んで肌で感じてもらいたい。それぐらい良いお店です。
万年筆のインクが使えるローラーボールペン
カキモリ表参道店で購入したのが、カキモリオリジナルローラーボールペン。価格が1,728円とリーズナブルなのも嬉しいところ。
せっかくの機会だと思い、インクも新しく買いましたよ。パイロットの「iroshizuku」というラインの「天色」を購入。鮮やかな水色に近い色合いのインクです。
袋から出すとこんな感じ。付属でスポイトと小さい器が付いてきます。
このスポイトと器は、インクを注入するときに使うもの。ボトルの中のインクが減ってくると吸引しづらくなりますので、このスポイトを使って一度器に出し、それを吸引するためのものです。
ペンの書き方や手入れの方法は、基本的に万年筆と似ています。したがってあまり長い間使わないでいると、インクが乾いてしまって使えなくなるとのこと。一番のメンテナンスは、長く使い続けてあげることですね。
スケルトンの外観がインクの楽しさを助長する
それではペンの外観にフォーカスしていきましょう。
キャップ先から見たところ。
キャップにはカキモリのサインが入っています。こういうところがオリジナルっぽくていいですよね。
ペン軸部分。中のカートリッジが丸見えになっています。
キャップを取った所。外観からペン先の感じまで、LamyのSafariのスケルトンカラーに似ています。
パーツは全部で4つに分かれます。「キャップ」「ペン先」「カートリッジ」「ペン軸」の4つです。
インクを入れると「透明なペンでよかった」と心から感じられます。なぜなら可憐なインクの風合いをずっと楽しむことができるのですから。
書き味も最高で文句なし!
インクのフローは良好で、ぬるぬるとした感触。つらつらと力なく書き続けていける感じは、万年筆のそれと似ています。同じ水性のペンでも、サインペンなどとは全然違う書き味です。
でもやっぱり万年筆とは違いますね。油性のボールペンに近いんだけど、紙に設置した感触は万年筆にちょっと近づいている感じ。
詳細を伝えにくいのですが、私の感覚だけで言うなら「いつまでも書いていたくなるような気持ちの良い感触」です。
書いた線の太さは、ちょっと太めです。海外製万年筆のFサイズか、日本製のMサイズ程度の太さ。中字ぐらいの感じです。
ホームページの方でもかなり綺麗な写真がいくつも掲載されています。興味が湧いた方は、ぜひ一度見てみてください。
執筆後記
このボールペンの存在を知ってから、周りの文房具好きの友人知人に教えたくて仕方なくなってしまいました。こんなにいい物を、自分だけが知っていて良いわけがあるまいと。
いろんな人に、ぜひこのペンの魅力を知ってもらいたいと思うばかりです。
残念なのは、ネットで購入することができないところ。自分で足を運び、手にとって買うしかありません。
でも、それでいいのかもしれません。「カキモリ」というお店の温度感を肌で感じてから使ってもらいたいという気持ちも、確かに私の中にありますから。
最後に
今回の記事は、以下のセレクションにも取り上げられています。文房具好きの方が12名、各々がオススメしたい一品を紹介していますので、こちらも合わせて楽しんでみてください。