
ぼくが愛用している至高のキーボード「Happy Hacking Keyboard」。"至高" は言いすぎかもしれないが、それでも「これなしではモノ書きのたのしさも半減だ」と言えるぐらいに、ぼくうはトリコになっている。
さて、そんなHHKBが、自身の特長として謳っているものの中に「持ち運べるコンパクトサイズ」というのがある。いわく、以下のような内容だ。
無駄を削ぎ落としたキー配列によって実現したA4ハーフサイズ強のコンパクトなサイズもHHKBの根幹をなす要素です。
お気に入りの万年筆のような感覚で持ち運べるため、外出先でも“マイ・キーボード”として、HHKBならではのタッチとキー配列を楽しむことができます。
たしかに、余分な要素をそぎ取ったシンプルなデザインで、絶妙に「持ち運べなくもないサイズ」といえる。しかし「持ち運びしやすいか」といわれれば、ちょっと首をかしげてしまう。カバンの中に入れれば、やっぱり重いし、そしてかさばる。
そしてなにより、HHKBを快適につかうには、パームレストの存在が不可欠な点も見逃せない。そのため、HHKB+パームレストをカバンに忍ばせる必要があり、それだけで結構な体積&重量になってしまうのだ。
この問題をなんとか解決しようと躍起になり、すこしでも持ち物を減らせないかと試行錯誤をはじめたのが、おおよそ1ヶ月前。
そしてようやく出したぼくなりの結論は、「キーボードルーフをパームレスト代わりに使う」という方法だった。
HHKB専用キーボードルーフとは
キーボードルーフとは、その名の通り、キーボードのための "屋根" だ。キートップがむき出しにならないように置いておく「カバー」だと思ってくれればいい。
こんな形で、ただキーの上に被せておくだけの、プラスチック製のカバーである。



価格は実に4,000円。特別な素材をつかっているわけでもなく、なにか特殊な加工がしてあるわけでもない、極めて一般的なプラスチック製のカバーだ。
強化プラスチックというわけでもなさそうで、高いところから落とせばヒビ割れてしまいそうだ。しかも非常に指紋がつきやすく、触っているとすぐに汚くなってしまう。
唯一特長としてあげられるのは、四隅に付けられた "足" だ。HHKBが直接プラスチックに触れないように、ちょっと高さをつけてくれる。
しかし別に滑り止めの効果もないし、HHKBにくっつくわけでもない。ただただ上から覆いかぶさっているだけなので、逆さにすればポロリと取れてしまう。
そんなプラスチックのカバーに4,000円を支払うのには、やはり抵抗があった。しかし、これで持ち物が減るなら儲けもんだと、意を決して買ったのだった。
キーボードルーフをパームレスト代わりに使う
そんなキーボードルーフだが、これをHHKBの手前に配置すると、なかなかいい具合のパームレストとなる。

高さがちょっとだけ足りないが、こんなのは誤差の範囲。実際に、このスタイルで1週間ぐらい使いつづけているが、高さが原因で使いづらさを感じたことはない。

プラスチックの強度も心配だったが、これも問題ない。ただ手首を置いているだけであり、上から強い力を入れているわけではないので、おそらく割れることはないだろう。
使い終わったら、本来の役割である「キーボードルーフ」として活躍。カバンの中に無造作にいれても、キートップが何かに引っかかって壊れる心配がなくなったのは、地味にうれしかったりする。——いや、それが本来の役割か…。
外出先でHHKBをつかえる喜び
「パームレストを使わないでも、HHKBを使いこなせるようになればいいのでは?」と思い立って、何日かチャレンジしてみたのだが、やはり無理だった。
HHKBの厚みだと、どうしても手首を持ち上げながらタイプしなければならない。その差が些細であればぼくも我慢するのだが、長い時間つかえばつかうほど、明らかに疲れやすくなっていた。
なのでパームレストは、ぼくにとって必須アイテムだ。
今回のキーボードルーフのおかげで、ワンサイズ小さいカバンでもHHKBを入れられるようになった。iPad と HHKB だけを持ち出してモノカキができるようになったことが、最近のなかではかなりうれしいできごとだ。
ちなみに外出先でHHKBを使うときは、このスタイル。キーボードとHHKBの間には空間があり、互いに干渉することはない。誤入力の心配もなく使える。
