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【HHKB愛用者の本音】疲れないわけじゃない!タイプの楽しさと疲労は別の話

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極上の打ち心地を約束するキーボード「HHKB」。多くの人の指先をトリコにしてきたプロダクトで、ぼくもその愛用者のひとりである。

しかし、愛しているがゆえに見えてくることもある。完璧ではない。そういうイマイチがあるからこそ、なんだか愛くるしいプロダクトだとも思えなくもない。いや、欠点はないに越したことはないのだけれどね…。

そこでこの、シリーズ「HHKB愛用者の本音」では、いままであまり語られることがなかった、忖度なしの正直な気持ちをお伝えしよう。
良いも悪いも関係ない。そういうところも含めて、ぼくはHHKBというキーボードが好きなのだから。

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「HHKBなら疲れ知らず!」は嘘だと思う

HHKBは確かに、快適なタイピング体験をもたらしてくれた。これがあることで、毎日の仕事がちょっとは楽しくなっていると言っても過言ではない。

それほど、「パソコンで文字を打つことが楽しい」と思わせてくれる。ほかにも多種多様なキーボードはあれど、HHKB特有の気持ちのいいタイピング感は、なかなか他では味わえない。

キーを押したときの「押した」という確かな実感。タイプしたときの小気味いい音。キーを押したあとの跳ねっ返り。所有欲を満たしてくれるカッコいいデザイン。

いろいろ褒めすぎたかもしれないけれど、それぐらい "とりこ" になってしまっているのだ。

しかし、だからこそ正直に言うけれど、べつに「疲れない」というわけではない。「打ちやすい」ということと、「疲れない」ということは、同義語ではないのだ。

たしかに気持ちがいい。3,000文字の記事一本書くことが苦にならないぐらい没頭できるのは、HHKBの心地よさあってこそだ。

しかし、記事ができあがったあとには、それなりの疲労感を感じる。すこし指先を休ませてあげたいと思うその気持ちを、ごまかすことはできない。

「永遠にタイプし続けられる、完璧なキーボード」を期待している人がいるのだとしたら、HHKBがかならずしも最適解だとはいえない。長い時間つかっていれば、月なみに疲れてくる。

文章を書くだけがキーボードの役割じゃない

疲労感と使いづらさを感じるのは、とくに細かい作業を行っているときだ。

キーボードをつかうのは、文章をつくるときだけではない。特に長文を作ることは稀で、Slackなどのチャット文化が主流のいまは、細かい文章をたくさん作ることのほうが多い。

あとは、資料を使ったり、XDをつかって画面の設計をしたり、Webで調べ物をしたり……などなど。

マウスやトラックパッドを駆使しながら、せわしなく手を動かしている時間が多いのが、実際の作業風景だ。ホームポジションに手を置きっぱなしにして仕事をすることは、ほとんど無いと言っていいだろう。

くわえて、上記のような作業するにあたっては、ショートカットキーを頻繁に使用する。キーを短くタイプするだけじゃなく、複数のキーを長押ししつづけている時間も多いし、何度も何度もホームポジションに手を置き直す必要もでてくる。

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キーボード周りのこういった細かいハンドリングが増えれば増えるほど、HHKBは不向きなように感じている。

HHKBの特長は「立体的なキートップ」「ストロークの深さ」「確かなタイプ感」であるが、これが逆にデメリットになってしまっている感じだ。

HHKBのキーストロークは 3.8mm、押下圧は 45g。Macのデフォルトのキーボードよりも、指先でキーを "押す" という意識が強く働く。実際に、強い力が必要にもなる。

短く押すだけなら、キーからもらう "跳ね返り" のおかげで快適さを感じられる。リズムよく、軽快に、ピアノを引くように。ティガーが尻尾で飛び跳ねるように、気持ちも指先もホップしてくれる。

しかしショートカットキーを使うにはキーを押し続けていなければならないし、手を置いている場所もコロコロ変わる。そうなると、快適だったはずのタイピング体験が、途端に "違和感" へと変わるのだ。

いつもの場所にすぐに手を戻せなかったり、指先がキートップに引っかかって "つまづく" ような現象が起きる。小指でcommandを押しつづけているのも、楽じゃないなって感じることもある。

HHKBは万能ではないのかもしれない

最近、XDを使って資料をまとめる時間や、細かいHTMLやCSSの修正、コピペの繰り返し作業などが多かったのだが、そんなときも、躍起になってHHKBを使いつづけていた。

HHKBはぼくの愛機だし、かれこれ1年以上使いつづけている。だから疑うことなくHHKBを使いつづけていたのだが、心の深いところにあるぼくの本音は、「なんかちょっと使いにくくね?」とつぶやいていたようだ。

自分の本音に耳を傾けて、Logicool の MX Keys mini に切り替えて作業を進めていたところ、なぜか心と指先が軽くなり、喜んでいた。どうやらぼくは、HHKBにこだわりすぎていたようだ。

HHKBはたしかに素晴らしいプロダクトであり、これはぼくにとっての確信だ。しかし、それを盲目的に信じていた自分は、間違いだったように思う。

ホームポジションを維持しつづけるような場合は、HHKBは至高のキーボードといえる。しかし「汎用性」という視点で考えてみると、個人的には MX Keys mini のほうに軍配があがる。

「気持ちよさ」と「使いやすさ」はおなじではないのだ。HHKBのことが好きだからこそ、この事実に目を背けてはいけない気がした、今日このごろであった。

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  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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