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Web会議で使えるイヤホン・ヘッドセットのタイプ別特徴と失敗しない選び方

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リモートワークが普及し、オンライン会議が一般的になってきたため、マイク付きのオーディオデバイスの利用機会・需要が最近で非常に増えてきた。

マイク付きのイヤホン・ヘッドホンには、いろんなタイプがある。それぞれ良い点もあれば、悪い点もあるので、自分に利用シーンや生活スタイルに合わせて最適なものを選びたい。

私もいろんなものを試してきたので、非常に私見ではあるが、各オーディオデバイスのメリット・デメリットをまとめてみた。買い物をするさいの参考になれば幸いである。

有線とワイヤレスの違い

メリット デメリット
有線イヤホン・ヘッドホン
  • ワイヤレスに比べると、安くて良いものが手に入りやすい。
  • 音声トラブルが起こりにくい。
  • 音声に遅延がない。
  • iPhoneだと充電しながら使用できない(特別なアクセサリが必要になる)
  • コードが意外と邪魔。カメラとの角度と距離が制限される。席を外したりできない。
ワイヤレスイヤホン・ヘッドホン
  • コードがないので、デバイスとの位置関係を気にする必要がない。座席を離れての通話が可能。
  • 現代の主流なので、選択肢の幅が広い。
  • 同じ値段の有線イヤホン・ヘッドホンに比べると、音質が比較的悪い。(音質の良いものを買おうとすると、相応の値段を出す必要がある)
  • 充電の手間がある。充電のし忘れ、長時間の利用での電池切れなどのトラブルがある。

まずオーディオデバイスを選ぶ上で迫られる選択肢が、「有線か、ワイヤレス(無線)か」という点だ。

結論から言うと、オンライン会議・ビデオ通話を目的とした場合は、ワイヤレスタイプを選ぶことをオススメする。

オンライン会議は、主には席に座って行うと思うが、ずっと座りっぱなしかというと、実はそういうわけでもない。

家の中であれば、必要なものを取りに立ち歩かなければならなかったり、飲料を取りに行ったりすることもある。意外と〈立ち歩く〉機会いうのも多いのだ。

人によっては1対多数でのオンライン授業・オンラインセミナーを実施することもあるだろうが、そうすると身振り手振りといった〈動き〉が必要になる。

コードがあると、自分の行動に非常に大きな制限がかかってしまう。その場を「離れられない」というのは、あなたが思っている以上にデメリットとなる。

特別な理由がない限りは、ワイヤレスタイプのイヤホン・ヘッドホンを購入のがオススメだ。

タイプ別マイク付きイヤホン・ヘッドホンの特徴まとめ

タイプ別の詳細な説明は後述するが、まずは各オーディオデバイスの特徴をまとめた。

それぞれメリット・デメリットがあるので、自分のワークスタイル・ライフスタイルに合ったものを選びたい。

メリット デメリット
ワイヤレスイヤホン
  • 小型で着け心地が軽快なため、長時間の利用でも疲れにくい。
  • カナル型・低反発ウレタン型など、密閉性の高いイヤーピースを利用すると、遮音性が高く、外部の音に邪魔されにくい。ノイズキャンセリング機能のあるタイプも良い。
  • 品質がピンキリ。安価な中国製のものを買うと、マイクの性能が低すぎて使い物にならず「安物買いの銭失い」になりがち。
  • よく無くしてしまう。片耳だけ無くすといったトラブルはよくある。
  • 充電をし忘れて、いざというときに使えないことがたまに。
ワイヤレスヘッドホン
  • 音楽鑑賞・音声通話のどちらにも利用できるので、一台あれば便利。
  • オーバーイヤー型のヘッドホンなら遮音性抜群で、外部の音をしっかりシャットアウト。ノイズキャンセリング機能のついたモデルなら、さらに通話に集中できる。
  • 耳の中にいれるイヤホンよりも、長時間の利用でストレスを感じにくい(個人差あり)。
  • 一回の充電で使えるバッテリー量が多く、バッテリー切れを起こしづらい。
  • ものによっては長時間の利用は疲れる。締め付けが強いものは頭が痛くなるし、重いものは肩が凝る。
  • 価格が比較的高め。
モノラルヘッドセット
  • 小型で着け心地が軽快なため、長時間の利用でも疲れにくい。
  • 一般的なワイヤレスイヤホンよりも通話に特化しているので、音質が良い。
  • 着けている姿が「いかにも」って感じでダサい。
  • 外部の音を多く取り込むので、うるさい場所での利用には向かない。
  • 音楽鑑賞に向かないので、「通話専用機」になりがち。(個人的には動画の視聴などのラフな使い方では重宝している)
ステレオヘッドセット
  • マイクが口の前に位置するので、比較的クリアな音声。指向性マイクを採用している場合、周りの音声を拾わず、自分の声だけを通してくれる。
  • コントローラーが付属しているモデルも多く、手元で音量調整・ミュートなどが可能。
  • 着けている姿が「いかにも」って感じでダサい。
  • マイクとしては「ダイナミックマイク」等の本格マイクに劣り、ヘッドホンとしての音質は純粋なヘッドホンに劣る、中途半端な立ち位置。

ワイヤレスイヤホンとは

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「ワイヤレスイヤホン」は、いわゆる一般的なイヤホンをワイヤレス化したもの。Bluetoothで接続することで、コードレスになった。

ワイヤレスイヤホンのメリット

小型で携帯しやすく、着け心地も軽快。形としても一般的に親しまれてきたタイプなので、利用することへの抵抗は少ないデバイスだろう。

Appleの「Airpods Pro」のようなノイズキャンセリング機能をもったデバイスであれば、外部の音もキレイにシャットアウトしてくれるので、通話相手の声を聞きの漏らす心配もない。

ノイズキャンセリング機能のないデバイスでも、以下のような低反発ウレタン素材のイヤーピースを使うことで、遮音性がグッと上がり、通話環境を良くできる。

ワイヤレスイヤホンのデメリット

充電が切れてしまって、「いざというときに使えない」「通話中にバッテリーが切れてしまった」といったトラブルがある。

しかしこのタイプのイヤホンは、イヤホンを入れておくケースがそのまま充電器となる。

ケースにしまっておくだけで満充電になるので、実はそこまで神経質にバッテリー管理をすることはない。

あとはBluetoothの接続不良により「ブツブツと通話が切れる」「うまく繋がらない」なんてトラブルもある。

ワイヤレスイヤホンの失敗しない選び方

ワイヤレスイヤホンの一番のデメリットは、製品の品質がピンキリだという点だろう。

「ワイヤレスイヤホンの戦国時代」といっても過言ではないほど種類が豊富で、選択肢が多いのが特徴。〈安くて高音質〉を謳った商品も多いのが現状だ。

そこで気をつけなければならないのが、デバイスの品質、特にマイクの性能である。

これは個人的な見解だが、今まで1万円を切った値段で販売されている中国製のワイヤレスイヤホンで、まともに通話できたものはなかった。

〈音楽鑑賞用〉としては使えるのだが、通話機能が全然なものも多いので、購入する際は気をつけよう。

正直、1万円を切るようなものはオススメしない。また無名の中国メーカーなどは注意したほうがいいだろう。

結局、SONY・audio-technica・BOSE・SENNHEISER・SHURE・JBLといった、著名なオーディオメーカーの機種を選ぶのが無難なのだ。

安物を買って2度3度失敗するぐらいなら、最初から2万円かけて良いイヤホンを買えばよかったと思うだろう。

おすすめのワイヤレスイヤホン

Appleの「Airpods Pro」は、なんやかんやいっても安定があるので間違いない。もしそれ以外で選ぶなら、SONYの「WF-1000XM3」がおすすめだ。

高いノイズキャンセリング機能にくわえて、SONYならではの確かな音質。通話機能についても安定感のある品質だ。

値段は高いが、これ一台で何年も使い続けられるほどのポテンシャルがある。長く良いものを使いたい人に推せる一品だ。

ワイヤレスヘッドホンとは

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「ワイヤレスヘッドホン」は、いわゆる一般的なヘッドホンをワイヤレス化したもの。Bluetoothで接続することで、コードレスになった。

ワイヤレスヘッドホンのメリット

ヘッドホンの最大の特徴は「没入感」だ。音楽鑑賞についていえば、音の広がりや大きさを感じることができる。

通話についても同様だ。耳全体を覆う〈オーバーイヤー型〉であれば、外部の音をきちんとシャットアウトでき、通話の音声を漏らさず拾うことができる。

また、耳の中にいれるわけではないので、異物感が少ないのも嬉しい。装着感のよいモデルだと、本当に自然な使用感で、つけたときのストレスが本当に少ない。

バッテリーの持ちの良さも利点のひとつだ。イヤホンよりも筐体が大きく、バッテリーも大容量のものが詰めるからだろう。20時間の利用に対応するモデルも珍しくない。

ワイヤレスヘッドホンのデメリット

先ほどの話と相反するが、ものによっては長時間の利用が疲れる場合もある。

極端に重量が重かったり、締め付けが強かったりすると、頭は痛くなるし、肩もこる。ヘッドホンを選ぶときは使用感に関するレビューをしっかり確認するようにしよう。

個人差も大きいが、私はヘッドホンのほうが長時間の利用に適していると感じている。

あとは価格だ。機構が大掛かりになるので、比較的価格が高めになってしまう。

安いモデルもたくさんあるが、イヤホンと同様、安物買いの銭失いになる可能性があるので、あまりオススメできない。

ワイヤレスヘッドホンの失敗しない選び方

ワイヤレスヘッドホンで大事なのは、音質はもちろんですが、つけ心地の良し悪しは必ず考慮しておきたい。

まず〈オーバーイヤー型〉が良い。

耳の上に乗せる〈オンイヤー型〉は、耳を押し付ける形になるので、長時間つけていると痛くなる可能性がある。

〈オーバーイヤー型〉は、耳に覆いかぶさる形になるので、耳を圧迫することがないので、疲れにくく痛みも出にくい。

また、締め付けが強いものは要注意だ。ヘッドホンの締め付けの強さは、ものによって大きく変わる。

締め付けが強いものは、大きな箱で広げっぱなしにしておくことで〈慣れ〉させることで、締め付けを弱めることはできる。

しかしそれでも根本的な解決ではないので、最初から締め付け具合が丁度いいものを選びたい。実機での確認ができなければ、レビューでキチンと確認しておこう。

最後に製品の品質だ。

ワイヤレスイヤホンと同様、安価で高性能をうたった商品が多数あるが、こちらもやはり「安かろう悪かろう」であるケースが多い。

1万円を切るヘッドホンは、やはり〈それなり〉な品質で、マイクの性能も良くないケースが多い。

ぜひ著名なメーカーの製品を選んでほしい。価格帯も、少なくとも2万円ぐらいは出したほうが、後悔も少なくく、満足できる買い物となると思う。

おすすめのヘッドホン

私がイチオシしたいのが、BOSEの「Noise Cancelling Headphones 700」だ。BOSEの最新型ヘッドホンで、過去の名作「QC35」からさらに進化した逸品だ。

まずノイズキャンセリング機能が秀逸。〈効き具合〉を10段階で調整でき、外部のノイズをごっそりと抜いてくれる。

話しかけられたときにも反応できるように、手元のスイッチひとつで外部の音を取り込むことも可能。自分の話し声が、ヘッドホン越しにもキチンと聞こえるのだ。

ほかにも語りたいことは山ほどあるが、〈音質〉から〈日常での使いやすさ〉まで、すべてにおいて文句の付け所のない製品である。

モノラルヘッドセットとは

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ワイヤレスイヤホンの中でも、片耳にしか装着しないタイプもある。普通のイヤホンよりも、通話に特化したタイプのイヤホンだ。

モノラルヘッドセットのメリット

片耳にしか着けないので、自然な使用感が特徴。長時間つけていても疲れることがない。ワイヤレスであるため、座席の移動なども自由だ。

通話に特化しているため、一般的なワイヤレスイヤホンよりもマイクの品質が良く、電話やオンライン会議で重宝する。

モノラルヘッドセットのデメリット

片耳にしか装着しないので、外部の環境音に邪魔されやすい。室内での仕様であれば問題ないが、カフェの中や街に雑踏での使用は難しい。

また、音楽鑑賞に向かないのも特徴だ。モノラル音声のため、BGM程度のラフな使い方であれば全然問題ないが、本格的に音楽を楽しむものではない。

とはいっても、動画の視聴レベルであれば十分に活躍するので、個人的には日常生活でもかなり助かっているデバイスだ。

モノラルヘッドセットの失敗しない選び方

片耳イヤホンといえば、メーカーは「Jabraジャブラ」「Plantronicsプラントロニクス」の2社。この2つのどちらかを買っておけば間違いない。

Jabraジャブラはデンマークの会社で、ヘッドセットのリーディングカンパニー。業務用およびBluetoothヘッドセット分野における世界シェアNO.1だ。

Plantronicsプラントロニクスは、アメリカの音響機器メーカーで、こちらもヘッドセットの世界的なトップメーカー。航空機起用ヘッドセットの実績もある、確かな品質が特徴だ。

5,000円もあれば十分な性能の製品が買える、コストパフォーマンスの良さも嬉しい。

おすすめのモノラルヘッドセット

Jabraジャブラ」と「Plantronicsプラントロニクス」のものであれば間違いないが、コスト面に配慮して以下の商品をチョイス。

私はこれのひとつ下のモデルである「Explorer 110」を愛用しているが、安定感が素晴らしい。接続の安定感、通話品質の安定感、あらゆる面で信頼できる逸品だ。

ステレオヘッドセットとは

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「ステレオヘッドセット」は、通話に特化したオーディオデバイスで、イヤホンとは別にインカムが付いたタイプだ。

ステレオヘッドセットのメリット

通話に特化しているため、クリアな音質で会話できるのが特徴。マイクが口の前に位置するので、話した言葉をクリアに届けられる。

指向性マイクを採用しているタイプであれば、周りの雑音などは拾わずに、自分の声だけを通すことができる。

コントローラーがケーブルに付いているモデルも多く、音量調整やミュートを手元で操作できるのも、地味に助かる機能だ。

ステレオヘッドセットのデメリット

良くも悪くも〈中途半端〉なのだ。

マイクの性能にこだわるなら、「ダイナミックマイク」などの本格的なマイクを採用するべきだし、音質にこだわるならヘッドホンの方に軍配があがる。

「通話に特化したデバイス」ではあるが、実際には「通話にしか使えない」ともいえるので、他の利用用途への応用が効きづらいのが、大きなデメリットだ。

ステレオヘッドセットの失敗しない選び方

ステレオヘッドセットを販売しているメーカーは、SONYやBOSEなどのオーディオ機器メーカーではなく、ロジクールやバッファローなどのPC用品メーカーが中心だ。

個人的な見解だが、エレコムのものはあんまり信用していない。品質的に〈中の下〉ぐらいの位置づけな印象なので、私だったら選ばない。

ロジクールの製品は、過去にマウスやキーボードを使ったこともあるが、安心できる品質なので信用を置いている。実際、価格.comの人気ヘッドセットランキングを見てみても、ロジクールの商品が人気だ。

もし私がヘッドセットを買うなら、ロジクールのものを選ぶだろう。あるいはオーディオメーカーとしての信頼と実績もある「ゼンハイザー」が良い。

ただしステレオヘッドセットは、ワイヤレスのモデルが極端に少ない。

いわゆる〈ゲーミングヘッドセット〉と呼ばれるモデルであれば、完全ワイヤレスの商品も多い。価格はすこし高めでフォルムも派手なものが多いが、代用可能なので、合わせて検討してみよう。

総括:個人的にはワイヤレスヘッドホンを推したい

私は長らく、ワイヤレスヘッドホンを愛用している。音楽鑑賞・オンライン会議・外出先での通話など、日常のあらゆるシーンをこれ1つでまかなえる〈対応力〉がやはり魅力なのだ。

ワイヤレスイヤホンは、耳に入れたときの異物感が苦手なのだ。耳への圧迫感がつらく、長時間の利用に耐えられない。

片耳イヤホンを長らく愛用していた時期もあったが、やはり音楽鑑賞には向かないために、使わなくなってしまった。

どれかひとつを選べと言われたら、やはり私はヘッドホンが良い。

ちなみに私が愛用しているのが、BOSEの「Noise Cancelling Headphones 700」。

優れた音質・ノイズキャンセリング機能にくわえて、自身の声がヘッドホン越しにも聞こえるように配慮されていて、通話にも優れた性能を発揮してくれる。

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  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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