私がEvernoteの事を好きなのには、いくつか理由があります。単純に「機能が素晴らしい」ってだけじゃないんですよ。
Evernoteって、今はもう大きな企業じゃないですか。でも、いわゆるお固い無機質な企業じゃない。中の "人" を感じられる非常に稀な会社なんです。
そんなことが感じられるウェブサービスだからこそ、安心・信頼して使い続けていられるのかも。そんなことを感じられたちょっとした出来事があったので、今日はそんな話をご紹介します。
ブログ記事に関する気配りを頂いた
つい先日大きな反響を頂いた「Evernoteの2段階認証設定」に関する記事。これに関するちょっとしたお話です。
こちらの記事を見て頂ければ分かると思いますが、ガッツリQRコードも確認コードも載ってます。
これには理由があって、分かりやすい記事を作りたかったんです。実際のセキュリティコードとかQRコードとか、どんな感じなのかってのはモザイクをかけちゃあ分からない。
だから、できるだけ生の情報を提供したかったんです。
もちろん、セキュリティの面を考えて、この記事を掲載した後には再度2段階認証を設定し直しています。
でも、この事を心配して下さった方がいらっしゃいました。Evernote社です。
お客様の当該記事では、2段階認証の設定に用いるQRコードが、そのまま撮影可能な解像度で掲載されております。
こちらのスクリーンショット画像のQRコードより、第三者が2段階認証の確認コードを生成される可能性が懸念されます。当該記事、お客様のEvernoteアカウントの2段階認証を一旦完全に無効にしてから、再度2段階認証の有効化の手順を実施いただければと存じます。
また、併せまして当該QRコードに関しましても、読み取り不可なよう画像を加工いただくことを推奨致します。
と、このようなメールが私のもとに届いたわけです。
これが非常に嬉しかったんですよ。自分のブログを見て頂いていたって事実もそうですが、ちょっとした気配りや対策案をわざわざメールで知らせてくださって……。
こういう暖かさが感じられる企業っていいなーって、純粋に感じたんです。
また、今回の件をブログに掲載したい旨を伝えた際も、非常に快く承諾してくださいました。
中の人が垣間見える会社って素敵
なんでいいなーって感じたかって、中の人を感じられたからって事に尽きる気がしています。
最近立て続けに企業の横暴な態度に直面してきたからでしょうか。「会社」という無機質なものへの恐怖が、無意識のうちに心に根付いてしまったのかもしれません。
そんな中で、こうした「会社と言えども人で成り立っている」と感じられた出来事に、何か暖かさを感じたんだと思います。非常に些細なできごとだったかもしれませんが。
でもこれって、SNSでもよく思うことなんです。
人を感じられない企業SNS
ほら、企業がSNSを利用しようとすると、なんだか一方的なアナウンスになりがちじゃないですか。「セールやってます!」「こんな商品はじめました!」とか。
でもそういう企業のSNSって、得てして流行ってないんですよね。
そりゃそうです。SNSってそもそもはコミュニケーションツールであって、人と人とが繋がるサービス。これを「販促のために使ってます!」って姿勢を表に出して活動してたら、そりゃあ消費者としては抵抗ありますって。
愛される企業もある事実
そんな中でも共感が得られる企業がいくつかあります。
それは例えば「JAL」。Facebookページを見て頂ければ分かると思いますが、企業の押し売りなんかじゃなく、中の人が今の思いを綴った気持ちの良いSNS活動をしています。
こういう会社ってやっぱり応援したくなるものです。「全く同じ条件・サービスを得られるんだったら、暖かさを感じられるコッチにしたい」と、消費者が最後の選定基準とするのは、こうした企業の "人" なんじゃないでしょうか。
Evernoteの "人" を感じさせる活動
じゃあEvernote社は人を感じられる会社なのか。私は「Exactly(そのとおりでございます)」と答えます。
それは今回の件だけで判断しているのではありません。
例えば、以前私がEvernoteのアカウント名を変更したいと悩んだ時でした。Evernoteの設定画面からはどうにも変更できなかったため、Twitterの公式アカウントに質問をリプライで飛ばしました。
すると、非常に快く、そして迅速に、アカウント名の変更方法を教えてくださったんです。
Evernote社はCEOが近い会社
また、Evernote社のCEOであるフィル・リービン氏も、非常に表によく出てくる方で有名です。
私もお会いしたことがあります。日本で開催された「Evernote User Meetup」に参加した時のことで、非常に気さくな態度で、参加者と笑顔で会話を楽しんでいる姿が印象的でした。
これだけの大企業のCEOが、日本のイベントに足を運び、ユーザーの一人ひとりと会話を楽しむ。そんな姿は、あまり他の企業で見たことがありません。
CEOであるフィルさんの姿勢に始まるEvernote社の「人を感じられる雰囲気」。これが好きだからこそ、私はEvernoteを信頼して使い続けているんだと、今回の件で改めて感じました。
あとがき
今後、より一層ITが発達していくことで、企業のあり方が今にも増して悩まれるようになると思います。
ですが、どんなに時代が進んで技術が進歩しても、根本である「人と人との繋がり」を大切にできる企業が、結局のところ生き残っていけるんじゃないかと、そう思います。
と言うか、そういう企業こそが残っていって欲しいなぁと思うばかりです。