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タスク管理のコツは、タスクとプロジェクトを適切に判断・区別すること。【GTDをもう一度 Vol.4】
前回は、Inbox内の「アクションが必要なもの」を分類するために、アクションの数で分けるお話しをしました。
そこでお話ししたのは、「プロジェクトは、タスクの集合体」ということでしたね。
つまり、2つ以上のアクションが必要であれば、それは「プロジェクト」となるわけです。そうすると、プロジェクトというのは、実は意外と多いものです。
そこで今回は、どうやってプロジェクトを作ればいいのか。それについてお話しします。
綿密なプランニングさえあれば、頭にある「気になること」を追い出すことができ、毎日を安心した気持ちで過ごすことができます。
そのためにもまず、正しいプロジェクトの作り方、プランニングの仕方を知ることが重要です。
プロジェクトをプランニングする意味
プロジェクトそのものは、実行することはできません。
実行できるのは、プロジェクトを達成するために必要な、具体的な行動の1つ1つ。つまり、タスクです。
このタスクを1つ1つクリアしていくからこそ、プロジェクトが進んでいる実感を得られるのです。
そして、すべてのタスクをクリアした時に、求めていた結果を得ることができる。行動の積み重ねによって、目的を達成できるわけです。
踏むべきステップが目に見える。逆に言えば、そのステップを踏めば、求める結果を得ることができる。
これが、日々の安心感を生むためには不可欠なんです。
プランニングしなければ、ストレスは溜まるばかり
例えば、「Aさんとディナーの約束したなぁ」という内容が、Inboxにあるとしましょう。
Aさんとのディナーを達成するためには、複数のアクションが必要です。つまり、プロジェクトですね。
このプロジェクトのプランニングをしないでいると、頭の中にはとめどなく不安が流れこんできます。
「お店どこにしよう。ってか、Aさんに都合のいい場所ってどこだろう。いや、そもそも日取りを先に決めなくちゃダメか…いやいや…」
結局、こんなことが頭を駆け巡ってしまい、日々の生活の中で常に気にしてなければいけなくなります。
頭の中に何かが残りつづけるのは、求める結果と次にとるべき行動が明確になっていないか、それらのリマインダーが定期的にレビューできるシステムに置かれていないことが原因である。
via: はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
何を、どういう順序で行えば、目的を達成できるのか。その道筋を立てていないと、闇雲に暗闇を歩き続けることになります。
逆に、進むべき方向と、踏むべき道筋を立ててしまえば、あとは足を動かすだけ。機械的に身体を動かせばいいだけなのです。
だからこそ、プロジェクトのプランニングは大切なんですね。
では、プロジェクトをプランニングするには、どういうステップを踏めばいいのか。それには5つのステップが必要です。
今回は、Aさんとのディナーを実現するまでの過程を例にとってみます。
1.目的と価値観を見極める
そもそも、何故Aさんとのディナーをやるのか。これがまず最初にあるべきです。
約束をしたから?いや、それならきっと「約束を守りたいから」が理由になります。他にも「Aさんと会話をする場を作りたいから」かもしれません。
そもそも何故このプロジェクトが、自分にとって必要なのか。その目的と、自分の価値観を見つめ直します。
このステップが何故重要なのか。それは、今後すべてのステップは、このステップに向けて発進されるからです。
目的が違えば方法が違う。価値観が違えば結果が違う。
自分が得たい結果があるのなら、最初に目的と価値観を明確にしましょう。そうでないと、最後の最後になって「こんなはずじゃなかった…」と落胆する原因となります。
2.結果をイメージする
自分が得たい結果を、頭の中で創造します。
「Aさんが和やかに笑っている様子が浮かぶ。私と2人で、時間は夜かな。店の雰囲気は、静かで清潔感のある場所だなぁ。…」
こんな感じで、自分が得たい結果のイメージを思い浮かべるようにします。
得たい結果を具体的に思い浮かべるほど、次のステップで出てくるアイデア・懸念事項・リスクなどが想定しやすくなります。
ですので、自分は最終的にどんな状態になっていたいのか。それを頭の中で形作り、明確化しておくことが大切です。
3.ブレインストーミングをする
得たい結果が想像できると、その結果に向かって、脳は勝手に別の想像を始めます。
「Aさんの都合は、いつなら大丈夫だろう」「お店の定休日や時間は?」「エリアはどこらへんにしよう」「待合せはどこにしよう」「そういえばAさんって、タバコ吸ったっけ?」「あれ、誕生日近かったような…」
あなたの脳は、望んでいることと現在の状況の間にギャップがあることを認識し、そのギャップを埋めるための手段を自動的に模索しはじめる。
via: はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
ただし、この時の想像はかなり自由奔放。あっちにいったり、こっちにいったり。かなりワガママに働き続けます。
ですが、ここでの想像に制限をかけてはいけません。思い浮かぶままに想像し、それを文字に残しておきましょう。
整理は、このあとじっくりするので大丈夫。まずは、可能性をガンガン出すことが大切です。
4.思考を整理する
ブレインストーミングで出てきた数々のアイデア。これを整理することが、プロジェクトのプランニングのスタートです。
例えば、こんな感じ。
1-1: 日付と時間を3つピックアップする
1-2: Aさんに候補日を連絡し、アポイントを確定させる
1-3: Aさんに待合せ場所と時間を連絡する
2-1: エリアの決定
2-2: レストランのリストアップ
2-3: レストランの予約
かなりアバウトですが、こんな感じになりますかね。
どんな順序で行動を起こせば、ゴールに到達できるのか。それを組み立てていきましょう。
あるタスクが終わらないと実行できないタスクもあるでしょう。逆に、同時に進行できるタスクもあるでしょう。
これらを上手くまとめて順序よくステップを決めていき、ゴールへの道筋を決めておく。
これができれば、あとは実行するだけです。
だって、その道を踏めばゴールへ向かえると、今ココで決定したのですから。あとは何の心配もせず歩くだけ。それだけで、ゴールに到達できると今決めたのです。
5.次にとるべき行動を判断する
プランニングが道筋なら、行動は足を踏み出すことです。実際に行動にしていきましょう。
まずできることは、ディナーをする日付と時間を3つリストアップすることと、エリアの決定ですね。
それが終わったら、アクションの結果の記録もお忘れなく。
まとめ
<プロジェクトのプランニングにおける5つのステップ>
1.Why
目的と価値観を見極める。
2.Goal
結果をイメージする。
3.How
ブレインストーミングをする。
4.Plan
思考を整理する。
5.Do
次にとるべき行動を判断する。
あとがき
今回は、プロジェクトの作り方についてお話ししました。かなり概念的な内容になってしまいましたね。
次のエントリーでは、私が具体的にどうやって進めているかお話しします。
EvernoteとToodledoを利用した方法ですので、ユーザーにとってはお役に立てるかと思います。
プランニングは、正直めんどうくさいです。時間もかかるし、プラン通りに進まないことだってある。
ですが、道筋を定めないで場当たり的に行動していると、結局目的に辿りつけなかったり、得たい結果が得られなかったりします。
時間を作って、しっかり練るようにしたいですね。それでは。
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