やらなければいけない仕事があるのに、「どうやって処理をしようか…」「なにから手を付けたらいいのか」と、考えなくちゃいけない事がいろいろと多くて、結局あとまわしにしてしまう。
そういう経験はだれでもあると思います。
タスクの実行の前に "考える" って作業が発生すると、途端に腰が重くなってしまいますよね。「何をするべきか」「どうやってやるべきか」を考えて計画するのは、想像以上に大変なもの。
そうやって、悩んで、迷って、二の足を踏んでしまい、結局だれに仕事を振るでもなく、かといって自分で終わらせるわけでもなく、ボールを自分ひとりで持ち続けてしまう——。
これが最悪の結論です。
チームでする仕事ほど「タスクの抱え落ち」は厳禁!プロジェクトに関わる人間すべてに迷惑が掛かってしまう失態ですので、あってはならない事態です。
私はウェブディレクターですから、自分ひとりで完結できる仕事なんて極わずか。8割以上がチームとの関わりの中で仕事をしています。
だからこそ、ボールは "打ち返す" ことが大切だと、よく言われてきました。
キャッチボールなんて生易しいものではなく、来たボールは反射的に打ち返す。それぐらいの反射神経が、ウェブディレクターにとっては必須のスキルです。
では、来たボールをどうやって "反射的に" 打ち返しているのか。考えたり、悩んだりする時間を極力圧縮し、即座に Do に変換する方法をご紹介します。
自分の中に答えが "ある" か "ない" かを一瞬で判断すべし
タスクの抱え落ちをしてしまう最大の原因は、「考え」たり「悩ん」だりすることに気を重くしてしまい、いつまでも手を動かせない点にあります。
この「頭を使って、タスクの処理方法を決定づける」というタスクを、極力労力をかけずに、余計な時間をかけずに、終わらせる。
これこそが、ボールを打ち返すために必要な "反射神経" です。
自分だけで答えが出せそうか判断する方法
では具体的にどうするか。コツは「2分だけ考えてみる」です。
忙しくて、少しでも手を動かしていたい気持ちはわかります。ですがそこをグッとこらえて、2分だけでいいから、その仕事の進め方について考えてみましょう。
もし自分の中に答えがある場合は、方向性や道筋みたいなものがぼんやり浮かんできます。結論は出ないにせよ、このまま "考え続けていられる" ような感覚があります。
逆に自分の中に答えがない場合は、頭の中が真っ白になる感覚があります。「何から手を付けたら良いのだろう」「何がわからないのかわからない」と、頭の中がボヤボヤしてしまう感覚です。
短い時間で良いので、まずは手を付けて、考えてみる。これが大切です。
自分だけで答えが出せるならスケジュールを押さえる
自分だけで答えが出せるなら、タスクを「実行」する前に「考える」というタスクを実施する必要があります。
この「考える」というのがなかなかに厄介。「テンションや気分が乗ったらやろう!」と甘く考えていると、いつまで経っても着手できません。
また、時間を見積ることも非常に難しいのも特徴です。1時間で終わるかもしれませんし、予想外にすんなり答えが出て、15分程度で終わるかもしれません。
こういう見積りがしづらい「タスク」は、Todoとしてタスク管理ツールに入れるのではなく、「スケジュール」に組み込むことがオススメです。
Googleカレンダーなどのスケジュール管理ツールを使って「○○について考える」という時間を、予め押さえてしまう。
そうすれば、気分やテンションに左右されず、時間をキチンと確保することができます。
スケジュールに押さえておく時間は仮です。「1時間考えたけど答えが出なかった」というケースもあるでしょう。
そうしたら改めてスケジュールを押さえるか、あるいは「自分では答えがでない」と結論づけて、次の項目に進むようにしましょう。
自分だけで答えが出せないなら次のアクションを急ぐ
自分だけで実行できない・答えが出せないと判断したら、見切りを早めにつけましょう。
「人に頼っちゃいけない」「自分でなんとかしよう」「自分がなんとかしなくちゃいけない」と考えて、いつまでも自分だけで抱えていてはいけません。
あるいは「じっくり考える時間を作ればだいじょうぶ。いまは忙しいだけ」というのもよくありません。
これは大抵「考えてるふり」しているだけ。時間を無駄にしているのと同じです。いくら考えても答えがでないのですから、時間を掛けたって終わりません。
では自分だけで解決できない問題の具体的な対処法をお話しします。
答えを出せないタスクの処理法①:答えを知っていそうな人に相談する
自分だけで解決できないのであれば、さっさと誰かほかの人の力を借りましょう。これが一番です。
「迷惑がられたらどうしよう」「こんなことを聞くのは恥ずかしい」「怒られたら嫌だなぁ」
そんな「まだ起こってもいないこと」に頭を悩ませるのは意味がありませんし、もしそんな風に気負いするなら「そう思われない努力」をするべきです。
うざがられない相談のコツ①:時間を確保する
たまに、いきなり相手のデスクに行って「ここについて教えてください!」みたいに切り出す人がいますが、絶対NGです。
相手はあなたのスケジュールで動いているわけではありませんので、相手の都合やスケジュールにキチンと配慮して行動しましょう。
「○○について教えていただきたいんですが、今話しかけていいですか?」とか「○○に15分ぐらいお時間いただけませんか?」などと言って、相手の都合に寄り添う姿勢が大切です。
うざがられない相談のコツ②:自分の結論を持っていく
「これこれについて、どうしたらいいですか?」と、漠然とした質問を投げかけて、いきなり答えを求めるような相談の仕方をする人もいますが、これも止めましょう。
答えが出せないからといって、「考えなくていい」「相手に答えを出してもらえばいい」というわけではありません。
相談するときにも必ず、自分でキチンと考えて、自分なりの結論を持って相談しましょう。答えを出す必要はないので、自分の意見を持つことが大切です。
その考えに至った工程を相手に伝え、「自分はこうするのが良いと思う」「私はこうだと思うんだけど」と話されたほうが、相談を受けた人も答えやすい。
いきなり「教えてくださいー」と言われても、相手は困ってしまいます。最悪「自分でググってください」と突っぱねられるのがオチです。
答えを出せないタスクの処理法②:誰かに割り振る
自分だけで処理できないものは、潔く誰かに割り振ってしまうのも大切です。「タスクを振る」というのも重要なスキルです。
たとえば私はディレクターという立場で、プロジェクトではデザイナーやマークアップエンジニアと関わることが多くあります。
クライアントから来た質問について自分では判断できなかったり、技術的に高度な話でわからなかったときは、すぐに担当者に振ってしまいます。
俗に言う「丸投げ」に近い形で割り振ることもゼロではありません。心苦しいですし、回答できない自分を恥ずかしく思うときもありますが、タスクを抱え落ちして人に迷惑をかけるぐらいなら、自分の恥なんていくらでもかきます。
また、タスクの出どころに対して、ボールを打ち返すことも多々あります。
今ある情報・リソースだけでは検討・判断できないと感じたら、即座に「できません・足りません」と主張します。
今ある材料だけでなんとかしようと躍起になってはいけません。クライアントに対しても、キチンと「その情報だけでは判断できません・わかりません」と言えることが大切です。
最悪なシナリオは抱え落ち
どんな状況においても、最悪な状況は「タスクの抱え落ち」です。自分のせいでプロジェクトは進まず、後ろに控えている人たちすべてにシワ寄せがいく。これほど最悪なシナリオはありません。
自分の見栄や恥なんてものは考えず、そのタスクを進めるために何が最善かを考えて、早め早めに処理をするようにしましょう。
すべてを自分だけで実行しないでください。「HELP」と叫べるようになるのも、大切な能力のひとつです。
タスク管理本はこれ1冊でOK
「タスク管理って、Todoをリストアップするのとは違うの?」という方は、まずこの本を読むことをオススメします!というか、この本だけ読んでおいたらバッチリです。
この本に書いてある内容をキチンと守れれば、おそらく仕事や人生でタスクの処理に困ることはなくなるでしょう。それぐらい強力な本です!