「書くというより撫でる感覚」
これは、パーカーが発売している筆記具「インジェニュイティ」というシリーズのキャッチフレーズ。
「インジェニュイティ」は筆記具なのですが、第五の筆記具と言われるほどで、他のどんな筆記具にも分類されません。
今までは「万年筆(付けペンも含む)」「ボールペン」「ローラーボール(水性ボールペン)」「ペンシル(鉛筆、芯ホルダー、シャープペンシルを含む)」という4に分類され、新しい筆記具が発売されても大概はこのどれかに分類されていました。
しかしパーカーの「インジェニュイティ」は全く新しい。新しいと言うか、今までの筆記具の良い所がすべて盛り込まれた筆記具と言えるでしょう。
先日からこの「インジェニュイティ」を使用しているのですが、非常に良いです。"書く" という行為に、今までにない「気持ちいい」という感覚をプラスしてくれます。
書き味が素晴らしい
「インジェニュイティ」は、その滑らかな書き味が特徴的です。「書くというより撫でる感覚」とキャッチフレーズでも謳っており、この言葉に偽りはありません。
一度触って、書いてみれば、いままでの筆記具との違いを感じられると思います。
各所では「水性のサインペンと変わらない」という言葉も目にしますが、私は全然違うものだと感じています。
「インジェニュイティ」の最大の特徴は、紙と接触した時の摩擦の無さです。紙に面しているペン先に、一切の摩擦の抵抗を感じることなく書けます。水性のサインペンにあるような、キュッキュッという食いつきがありません。
また、水性ローラーペン(ゲルインキ)等と比べても、やはり違った感触です。紙に面した瞬間からスーッと線を描ける感覚は、やはりゲルインキのそれとは違うと感じています。
これは良し悪しの問題ではなく、感覚の違いです。引っ掛かりがない事が、非常に書きにくい・気持ち悪いと感じる方もいると思いますので。
速乾性・耐久性
万年筆などの水性インクと大きな違いがあるのは、その速乾性と耐久性です。
水性のインクは乾きが遅いため、書き終わったすぐに手を擦りつければ滲んでしまいます。また、紙に書かれた文字が水分に触れると激しく滲みます。
そういった欠点が「インジェニュイティ」には無く、書いた端から乾き、その後の滲みも非常に少ないのです。
取扱いのしやすさ
私は以前より万年筆を愛しています。愛しているがゆえに、その欠点も知っています。
万年筆は、キャップを外したままにしておくとインクが固まり、インクが出づらくなってしまいます。1分もキャップを外していれば、次の書き始めはかすれてしまうでしょう。
また、キャップをした状態でも湿気が触れにくいように、万年筆のキャップというのは回転式の物が多い。これが非常に手間なのです。すぐに使いたい時に、いちいちキャップをクルクル回すのは、面倒とっても差し支えありません。
もちろん、スポッと抜くタイプの万年筆もありますが、私が愛用している「ペリカン スーベレーン」や「セーラー プロフィット」は回転式なので、手間を感じるのです。
「インジェニュイティ」は、こういう欠点も解消されています。
「インジェニュイティ」のキャップはスポッと抜けるタイプのもの。ですので、速記性に優れています。そして、ドライアップにも強く、インクが乾き固まりにくいのも特徴です。
メーカー曰く「一晩キャップをし忘れてもドライアップしない」とのこと。日常的に使っている中であれば、滅多なことで乾き固まることはありません。
本体価格とランニングコストに難あり
さて、良い面ばかりを話してきましたが、すべてに対して満足しているわけではありません。主には、本体価格とランニングコストに難点があります。
まず本体価格。ラインナップはいくつかありますが、定価はだいたい¥20,000ぐらいします。
また、最も難点なのはランニングコスト。リフィル一本が¥1,000もします。加えてインクの減り具合はゲルインキのそれを凌ぐほど。非常に短命なリフィルなのです。
また、個人的に残念なのが、ペン先のデザイン。万年筆を模したペン先をしていますが、その実は単なる飾りです。リフィルのペン先を保護するための装飾でしか無く、非常に単純な作りをしています。
せっかく「第五の筆記具」と謳っているのだから、この辺りにも「新しさ」を演出して欲しかったと言うのが、率直な感想です。
ご興味があるならネットでの購入を
良い面もあり、悪い面もある。それを認識した上で、私はこの「インジェニュイティ」を好んで愛用しています。何にも代え難い書き味が、私を虜にしてしまったもので。
同じように、ご興味を持って頂き、そして使ってみたいなぁと感じた方は、是非とも一度試し書きをしてみてください。大きな文房具店やLoftに行けば試し書きをしてくれます。
そして、「買おう」と心に決めたら、店頭での購入には踏み切らず、ぜひネットで購入してください。
正規の値段が¥20,000程度する「インジェニュイティ」ですが、ネットであれば¥10,000を切るモデルもあり、その他のモデルでも¥15,000程度で手に入ります。
▼私が探した中で最安価なモデル。¥5,000強です。
▼私が購入したモデルはこちら。¥10,000になります。
この書き味、一度知ったら抜けられなくなる。そんな魔法がかけられているようですよ。