先日、私が務めているクリエイティブテック・エージェンシー「TAM」のディレクターとして、ノーコード並びにGlideに関するインタビューを受けました。
以下のリンクから無料で視聴可能!20分程の番組ですので、よければぜひご視聴ください。
「ノーコード革命」がWeb開発・IT人材の働き方にもたらすインパクト。注目のサービス「Glide」とは?
Listen to this episode from グローバル・インサイト on Spotify. Web業界では今「ノーコード革命」、つまりコーディングをせずにプロダクトを作るという潮流が生まれています。このノーコード革命とはなにか、それがどのようなインパクトや可能性をもたらすのかについて、注目のノーコードサービス「Glide」にお詳しいデジタルエージェンシーTAMのディレクター、高田和広さんに伺います(出演:高田和広、岡徳之 / 写真:Glide on Twitter)。
この記事では、そんなインタビューの中でお話しした内容について、すこしかいつまんでご紹介します。
何故いまノーコードなのか
「ノーコード」という言葉をよく聞くようになったのは昨年から。Googleトレンドで調べてみても、2020年の中旬頃からよく話題に上がるようになっています。
「ノーコード」とは、Webサービスやアプリ開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードを、パーツとしてビジュアル化。欲しいパーツを置きたい箇所に配置していくことで、アプリなどを開発することができるサービスのことを指します。
ノーコードと呼ばれるツールは多種あります。Webサイトを作るもの、ECサイトを作るもの、アプリを作るもの、などなど。
じゃあなぜノーコードが流行り始めたのか。
その理由はいろいろ考えられますが、最も大きな理由は「スピード」だろうと考えています。
今日のトレンドが、3ヶ月もすれば陳腐化する時代。そんな中で新しいサービスやプロダクトをリリースするのに、十分な市場調査やマーケティングを行うことは難しい。
しかも「いままで世の中になかったものを新しく作る」ともなると、難易度は跳ね上がる。過去のデータを頼ることはできない、未開拓の道を進まなくてはなりません。
以前までは、十分な市場調査・ユーザー調査を行い、根拠を手に入れることで、プロダクトやサービスの成功を導いてきました。
しかし今は、その根拠を事前に仕入れることが難しい。だからフローが変わったのです。
今は「仮説」と「検証」を繰り返す時代。100%の完成版をいきなりつくるのではなく、まずは未完成のプロトタイプをさっさと作り、そこから改善を積み重ねていくのが、成功への道筋となったのです。
一寸先の闇を歩くために、転ばぬ先の杖が必要です。それがノーコードツールなのだと、私は考えています。
なぜGlideなのか
ノーコードツールは多々ありますが、私がいま注目しているのがGlideです。
一番の強みは、スプレッドシートを基盤としてアプリが作れる点ですね。
全く新しいツールを使う必要がなく、社会人なら誰もが使っている「Excel」という既存ツールを活用できる。つまりは「だれでも使える」んです。
今まで「アイデアがあっても、それを形にすることができない」というケースが、珍しくありませんでした。私もそのひとりです。
ディレクターという仕事は、ひとりでは何もできません。デザイナーやコーダーなど、その道のプロフェッショナルの協力がなければ、ランディングページ一枚すら作れないのです。
そんな私でも、Glideというツールさえあれば、頭の中にあるアイデアをすぐに形にできてクライアントに提案できてしまうんです。こんな素晴らしいことはありません。
私がIT業界のWebディレクターだからできるわけではないんです。「Excelを使ったことがある人なら誰でも作れる」というのが、Glideが素晴らしいポイントなんです。
よりスペシャリストが求められる時代へ
しかし、ノーコードツールが万能だなんて、そんな勘違いをしてはいけません。
これはあくまで「過程」を作るツールであって、「完成品」を作るためのツールではないのです。
だから今後も、スペシャリストの需要は減りません。むしろ「誰にでもできること」の範囲が広がったことで、よりプロフェッショナルが求められるようになっていくでしょう。
誰にでも取って代われるようなスキルは取捨選択し、「自分にしか提供できない価値とは何か」を考え抜かなければ……。