11_エッセイ

糸井重里さんと、絹のスカーフ

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ぼくは糸井重里さんが好きだ。糸井さんがつくる製品が好きだし、ゲームが好きだし、本が好きだ。インタビューが好きだ。

なかでも一番好きなのは、糸井さんの書き言葉なんだ。

「コピーライターだから文章が上手」とか「言葉のチョイスや表現がウィットに富んでいる」とかじゃなく、まぁたしかにそういう点も好きではあるんだけど、ただただ漫然と、まるっとそのものが好きなのだ。

糸井さんが書く「今日のダーリン」を読んでもらえたら、みんなにもきっと伝わってくれるんじゃないかなって思って、すこしそんなお話を。

「今日のダーリン」はウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で毎日更新されてる “エッセイのようなもの” だ。ちなみにアプリもあって、スマホからでも読める。スマホ版のほうがスナックつまむみたいに手軽でおすすめだよ。

ほぼ日アプリ

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「今日のダーリン」は毎日更新される。基本的に今日と昨日のぶんしか残ってなくて、過去をさかのぼって読むことはできない。

ほんとスナックみたいだ。パクっとたべて、美味しかったなーって思って、もう一度たべたいと思ったら、もうなくなってる。指についたスナックのかけらを舐めて余韻を楽しむしかない。

で、ぼくが糸井さんの言葉が好きだって言った話だけど、それはきっと糸井さんの言葉が「ふわり・ふらり」しているからだと思う。

ちょっと参考に、したの文章を読んでもらいたい。

フリーのコピーライターだった時代には、
ぼくの1月は、ほんとうにヒマだった。
年末のうちに、正月広告をはじめとして、
印刷所が休みに入るまでに、徹夜でもなんでもして
翌年の掲載原稿をつくってしまうから、
いざ年が明けると、することはなくなっているのだ。
まぁ、だいたいは無理がたたって健康を損ねて、
うれしくもない寝正月になることが多かった。
そして、受注産業だもんだから、
1月からそんなに仕事の依頼はこないということで、
「なんだかヒマでかったるいなぁ」という感じで、
腫れぼったい顔をして屁をたれているような日々だった。

「今日のダーリン」 2019年1月10日 より抜粋|ほぼ日刊イトイ新聞

どうだろうか。

なんとも掴みどころがないというか、自然で、やさしく、やわらかい感じ。漢字で書けるところもあえてひらがなで表現して、一見すると読みにくいはずなのに、さらりさらりと読めてしまう。

ふわっとしているけど、けっして「薄っぺらい」とか「軽い」感じは不思議となくて、むしろ言葉に重みはある。芯が通っていて、押しても動かない、びくともしない強さがある。

でも、ひとたび風でも吹けば、そのまま、ふわり。あてもなく、ふらり。どこかへ行ってしまいそうな。どこへでも行ってしまいそうな。

「絹のスカーフ」のようだと思った。

読んでるぼくを包みこんで、暖めてくれる。執着もしないし、まとわりつきもしない。肌ざわりがやわらかで、さらさらで、触れているだけで気持ちがいい。

ぼくがブログで文章を書きはじめて、かれこれもう10年は経つのかなぁ。いつかぼくも、こんな「書き言葉」が作れるようになりたいんだ。読んでるみんなを気持ちよくできるような、そんな言葉を作れる人に。

それでは、今日はこのあたりで。 ハロー!そして…グッドバイ!

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