小学生の頃に習ったと思う。「時間=距離÷速さ」であると。
時間を短縮しようと思ったら、方法は2つ。距離を短くするか、スピードを上げるか、このどちらかなんです。
そしてこれは、iPhoneにおける各操作においても言えること。
iPhoneアプリにおける「時間=距離÷速さ」とは何か
iPhoneアプリにおいても、「時間=距離÷速さ」という公式は当てはまります。
では、iPhoneアプリにおける「距離」とは何でしょうか?それは、一つの結果を残すまでの作業工程です。
例えば「Twitterにツイートする」という一つの結果を残すために必要な工程とは。「Twitterアプリを起動」→「新規ツイートボタンを押す」→「テキストを入力する」→「完了・送信ボタンを押す」という流れ。これが一般的な流れであり、「距離」となるわけです。
この工程のどれかを取り除くことができれば、その作業にかかる時間を減らせるわけです。
では、iPhoneアプリにおける「速さ」とは何でしょうか?それは、操作する工程を駆け抜けるスピードでしょう。
例えば先程の例で「Twitterにツイートする」という作業。ここで言う「速さ」は、アプリの起動から立ち上がりのスピードや、アプリ自体の挙動の機敏さを指すことになります。
このアプリが持つ挙動が速くなればなるほど、その作業にかかる時間を減らせるわけです。
特に「距離」と「時間」は親密で、切っても切れない存在なのです。iPhoneにおいては、距離こそが大きな要因になり得るもので、距離こそが短縮すべき要因だからです。
大切なのでもう一度。「距離」が必要になればなるほど、「時間」も多くかかる。「距離」こそ、短縮すべき要因なのです。
「距離」が必要になるというのは、つまりその1つ1つの工程の中に、枝分かれする選択肢が存在するということです。
例えば先ほどの例で「Twitterアプリを起動する」から「新規ツイートボタンを押す」という工程の流れがありました。
これは「Twitterアプリを起動する」という工程の後に、「新規ツイートボタンを押す」という工程以外の選択肢が含まれるため、この流れになります。
逆に、そのアプリの中が「新規ツイートをする」という単一の機能であった場合は、「新規ツイートボタンを押す」という工程は不要になるわけです。
では、「枝分かれする選択肢がある」と言うのが、どういうことか。
それは、「他にも機能が存在する」という事です。「タイムラインを閲覧する」「ツイートを検索する」などなど、「ツイートをする」結果以外にも得られる結果があることを意味します。
そうするとどうなるか。つまりは冒頭にお話しした通り、時間がかかるんです。
だから何?
「だから私は、単一機能系のアプリが好きだ!」という話なんです。
「ツイートするだけのアプリ」とか、「スケジュールを登録するだけのアプリ」とか、iPhoneのアプリには、そういう単一の機能しかもたないアプリがいっぱいあります。
それらのアプリは一見すると非常に機能不足で、物足りなく、役に立たないアプリのように感じられます。
ですが、そうではない。機能を犠牲にしたからこそ、得たものがあります。それが "速さ" と "距離"。そして、その2つが短縮されたことによって得られる "時間" です。
高機能なアプリも非常に魅力的。ですが、単一の機能しか持たないアプリだって、等しくとても便利なんです。
それらが全てが誰にとっても便利かと言えば、決してそうではないかもしれない。ですが、同じく時間を短縮することで便利さを感じる方もいらっしゃるかと思います。
愛すべき単一機能系アプリ
最後に、単一機能系のアプリのご紹介です。「こんなものもあるのかぁ」というご参考にどうぞ。
□QuickIn
これは「Foursquare」にチェックインするだけのためのアプリ。起動した瞬間に、現在地周辺のスポットを検索してくれます。コメントや写真を投稿できるので、ライフログとして「Foursquare」を利用している人にも便利。
□Shoot!
カレンダーへのスケジュール入力だけができるアプリ。「タイトル」や「場所」の入力はテンプレート化できるため、素早く登録することができます。
□読取ゾウ
当ブログでも度々紹介しているアプリ「読取ゾウ」。スキャナーアプリなのですが、Evernoteに送信するためだけに存在します。撮った写真の四隅を判別し、補正してくれ、そして即座にEvernoteに送信。このスピードが堪らなく便利なアプリです。
□Quickever Clip
iPhoneのクリップボードにある物をEvernoteに即座に送信するアプリ。テキストはもちろんですが、URLをコピーした状態で当アプリを起動すると、そのURL先のウェブクリップをEvernoteに送信してくれます。
□AutoSnap
「カメラを起動する」「シャッターボタンを押す「Evernoteに送る」などの工程をすべて自動で行える、少し珍しいアプリ。
各工程の待機時間を自分で設定でき、例えば「3秒後にカメラが起動し、3秒後に撮影。3秒後に所定のサービス(Twitter / Facebook /Evernote)に送信」などの設定ができる。
なので、使用する時はアプリを立ちあげ、あとはiPhoneを構えているだけ。それだけで、全ての工程が自動的に進んでいきます。
□MoveEver
Evernote系でも珍しい、ノートを整理するためだけのアプリ。複数のノートをまとめて移動させられるので、iPhoneでEvernoteを整理する人には重宝するでしょう。
□速ToDo
Toodledoにタスクを登録するためだけのアプリ。「面倒だから、後でいいや」といって、タスクの入力をサボりがちな人は、こういうアプリがあると面倒臭がらずに登録でき、タスク漏れが防げます。
□FastEver
Evernoteにテキストを送る。それを最速で行おうと思ったら、このアプリが便利です。タイムスタンプ等の入力補助もあります。
あとがき:時間がかからないのは嬉しい事だ
ですが、「何故そのアプリが便利だと、自分が思ったのか」。その原点を探るのは、決して無意味ではありません。それが明確だからこそ、物は増えず、必要最低限のものだけで、自分の環境を作り上げられるのですから。
物が溢れる時代に、物に溺れないために。自分が何故その道具を持つのか、真剣に考えてみましょう。
それでは、今日はこの辺りで。