プライベートムービーって作りますか?私はたまに作ります。
ただ、制作にあまり時間はかけません。凝ったものを作ろうとしても手間と時間ばかり掛かってしまうので、基本的には手抜きです。動画や静止画を切って貼って作るだけ。構成をシッカリ練って……みたいなことはしません。
そんな手抜きムービーでも、悩んでしまうのがBGM。音楽ひとつあるだけで、そのムービーの雰囲気がガラッと変わるため、BGMは外せません。
でも、このBGM探しが意外と面倒だったりするんですよね。ムービーの雰囲気にあった感じのものを探すだけでも結構時間が掛かったりします。
そんな中、あるウェブ記事の中にこんな一節が目に留まりました。
ある映像があります。それを流しながら、バックになにか適当な音楽をかける。それは、アイドルソングでもロックでも演歌でもなんでもいい。すると、どんな曲でもその映像がプロモーションビデオみたいに見えてくるんですよ。
via: なぜ、人間はストーリーを重視してしまうのか? 【特別対談】濱口秀司×ちきりん(4)|マーケット感覚を身につけよう|ダイヤモンド・オンライン
先ほどの記事は、ビジネスデザイナーである濱口さんとブロガーであるちきりんさんの対談をまとめたもの。
人がいかに "ストーリー" というものを大切にしているか。その点についてマーケティングやイノベーションのあり方などと絡めて、非常にわかりやすい形でまとめられています。個人的に結構納得できました。
さて、その対談の中で、気になる話題がありました。それが冒頭にご紹介した一節なのです。
ビジネスデザイナーである濱口さんは、対談の中でこう話します。
基本的に人間は、ストーリーを求める生き物なんだと思います。それは、簡単な実験で証明できるんですよ。
ある映像があります。それを流しながら、バックになにか適当な音楽をかける。それは、アイドルソングでもロックでも演歌でもなんでもいい。すると、どんな曲でもその映像がプロモーションビデオみたいに見えてくるんですよ。
本当です。映像の移り変わりと、音の変化を勝手に頭のなかでつなげるんですよ。場面転換とAメロとBメロの切り替えみたいにばっちり合っていなくても、本当にちょっとしたことでシンクロしているように思い込むんです。
via: なぜ、人間はストーリーを重視してしまうのか? 【特別対談】濱口秀司×ちきりん(4)|マーケット感覚を身につけよう|ダイヤモンド・オンライン
つまり、人間というのはストーリーを無意識下の中で重要視していて、いろんな事象に対して自分の都合の良いように解釈をしてしまうと。そういうことみたいです。
濱口 これはけっこう深い話なんです。私達が歩けるのはなぜだと思います? もしかしたら、1歩足を踏み出したら転ぶかもしれないですよね。そこには不確実性がある。未来は誰にもわからないですから。でも、1歩を踏み出せるのは、ぼくたちが「転ばない」というポジティブなストーリーを頭のなかに描いているからなんです。
ちきりん いい方向に話を作り上げることで、次の行動が起こせるってこと?
濱口 生きていくために必要だから、ストーリーをつくる回路が脳内にできているんだと思います。
なので、動画を作成したときのBGMは、それが例え適当に当て込んだだけのものであっても、それを見た人が勝手に都合よく解釈してくれるんだそうです。
ならば試してみよう
もしその話が本当なのであれば個人的には非常に助かります。なんせ動画のBGM選びに手間取っていましたからね。
そこで、ちょっと試しです。かなり昔に行ったイギリス旅行の写真を数枚繋ぎ合わせて、適当な動画を作ってみました。
そこに、二種類のBGMを当ててみます。
ひとつは、アップテンポで明るめの雰囲気の曲を。
もうひとつは、ちょっとジャジーでシックな感じの曲を。
なるほど確かに、同じ映像なのに感じる印象が全然違いますね。
全然違うんですが、どちらがミスマッチしているっていう感じではなく、どちらも良い雰囲気を出しています。
人の脳っていうのは、本当に "都合の良い方に解釈する" ようです。
もともと「脳は騙しやすい」とも言われていますしね。サブリミナル効果やだまし絵などもそうですし、占い結果を信じる心理なんかも同様。みんな脳の勝手な解釈が原因になる現象です。
なんだか、プライベートムービーのハードルが低くなったようで、非常に嬉しい発見でした。
あとがき
クリエイティブな作品を作るなら、そこにこだわりは必須だし、ひとつひとつの構成には意味と理由がなければならないと思います。
でも、自分用のラフな作品程度であれば、自分の脳の解釈に身を任せてしまってもいいかもしれませんね。
今後のプライベートムービー作成は、とりあえず気分に合った音楽を適当に貼り付けるようにしようと思います。