遂に新しいiPhoneが発表されましたね。大方の予定通り、廉価版の「iPhone5c」と性能アップの「iPhone5s」がラインナップとして並びました。
これらは各所で予想もされていたので驚かなかったのですが、今回の発表で一番違和感を持ったのは同時発売される純正ケースについてです。
「iPhone5s」と「iPhone5c」の概要
今回発表された「iPhone5c」は全部で5色。ボディはプラスチック製とのことです。
▼これが「iPhone5C」
もう一つの最も注目されたプロダクトである「iPhone5s」は、iPhone5からの性能アップに成功。64bitのA7チップ搭載で、CPUとグラフック性能が最大2倍とのこと。カメラ性能も大幅にアップしています。
加えて今回は、ホームボタンに指紋認証機能が搭載。ロック解除はもちろん、アプリ購入も可能になるらしい。これで面倒なパスワード入力が要らなくなるのかな。
▼これが「iPhone5S」
今回はなんともカラーバリエーションに富んだラインナップになりましたね。今までのiPhoneでは考えられない、緑や赤などのヴィヴィッドな配色が目立ちます。これは廉価版と言うことで、高級感をそぎ落としての親しみやすさを優先した結果なのでしょうか。
そういう意味では「iPhone5s」のNEWカラーであるゴールドは、ちょっとした高級感を醸し出していると言えるような言えなくもないような……。
でも、プロダクトの姿カタチとして大きな変化があったわけではないので、これは予想された範囲です。
そんな中で一番驚いたのが、この純正ケースのラインナップの多さです。
ケースのラインナップが多すぎる
このラインナップを見た時に、私が思った感想を率直に言います。
「最終プロダクトへの自信と誇りはどこにいった?」
▼これが「iPhone5c」の純正ケース。シリコン製の全6色で展開されます。
▼「iPhone5s」用の純正ケース。全5色のプレミアムレザー(革)製になります。
今まで Apple が純正ケースとして発売したのは、iPhone4の時のバンパーだけだったかと記憶しています。あれは、iPhoneの側面に装着することで、極力iPhone自体のデザインを損なわないよう配慮されていました。
しかし、今回のiPhoneはラインナップが多すぎる。色も多いし、iPhone全体を覆い隠してしまうデザインになっています。「iPhone5c」のケースに至っては丸い穴が空いていて、さも「iPhone5cを配色を活かしたケースですよ」と言いたげです。
でも、これで本当にいいのかな。
iPhoneは最終プロダクトとしての美しさと機能を合わせ持った、最高のデバイスだと思っています。それが、その美しさが特徴だったデバイスが、何故ケースなんかで隠されなくてはいけないのでしょうか。
ニーズがあるのは分かります。iPhoneケースや周辺アクセサリは、今や大きなマーケットの一つです。ですが、ここに本体であるAppleが首を突っ込んではいけないと思う。
Appleの製品は、そのものが最終プロダクトで、それが完成品。何かをいじったりするのではなく、それが最高に美しいベストな形だと自負してもらいたい。いや、もらいたかった。
私には、今回の純正ケースのラインナップの多さが、『最終製品としての自信の無さ』や『プロタクトとしての美しさを表現しきれなかった』という面を、文字通りカバーしようとしているように思えて仕方ありません。
……皆さんはどう感じましたでしょうか。
あとがき
「僕は、擦り傷のついたステンレスを美しいと思うけどね。僕たちだって似たようなもんだろう? 僕は来年には五十歳だ。傷だらけのiPodと同じだよ」
by スティーブ・ジョブズ
かつてのスティーブ・ジョブズは、iPhoneにケースなどのアクセサリを付けることを嫌ったそうです。それは彼が、自分の製品が最も美しくいられるカタチを知っていたからだと思います。
「スティーブ・ジョブズがいたら……」って枕詞が嫌いな私ではありますが、今回の発表に関しては亡きスティーブ・ジョブズの感想をぜひとも聞いてみたい所です。
▼今回の発表会の模様は、こちらから閲覧できます。
アップル - イベント - Special Event 2013年9月