「風疹」という病気をご存知ですか?ウイルス感染症の一種で、日本では「三日はしか」といも呼ばれています。
症状としては、初期症状で「倦怠感」「微熱」「首のリンパ節の腫れ」などがあり、その後3〜7日程度で発疹が出てきます。発疹は数日でおさまり、痕に残ることも少ないと言われています。
さて、そんなことは半分以上どうでもよくて、成人の大人が自分で苦しむ分には勝手にしてくれで良いのです。
問題なのは、自分の身勝手で他人に大きな迷惑が掛かるってところ。
妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染すると、生まれてくる子どもが先天的な障害(先天性風疹症候群 ・CRS)を抱える可能性があるんです!
男が「忙しいから……」を理由にワクチン接種をサボったせいで、周りの女性・子どもに不幸を撒き散らしているんです。同じ男としてコレは許せない。
「自分は独身だし」「妻はいるけど、まだ妊娠してないし」なんて思っていませんか?「抗体があるから大丈夫」と思っていませんか?自分には関係ないと。
それは違う!あなたが町中で、電車の中で、妊婦さんと一切接触しないことなんてありえないんです!自分の抗体が不十分である可能性を考えてください!予防接種を受けたのが記憶違いである可能性を考えてください!
成人男性の「面倒くさい」が積もり積もって、その結果、いま首都圏の成人男性を中心に風疹が流行してしまっているんです。この事実を、男だったら深く深く受け止めなくちゃいけないんです。
言葉が悪くなってしまいすみません。でも本当に、本当にお願いしたいのです。
風疹は、ワクチンを接種するだけで防げる病気なんです。なので、生まれてくる赤ちゃんに先天的な障害があった場合、それは防げた障害であり、そこには悔しさしか残らないのです。
私には4歳になる娘がいます。元気にここまで成長できたのは奇跡みたいなもので、妊娠中は色んな苦しみや緊張感がありました。
だからこそ、いま妊娠している方々、幸せを目前に控えている人たちに、水を差したくないんです。
私はただの物書きです。医者ではありません。だから言葉で伝え、広めることしかできません。私は、風疹による脅威を、悲しい不幸を、こういう方法でしか防ぐことができません。
だから私は、私の言葉をキッカケに、ひとりでも多くの方が行動を起こしてくれたら、そんなに嬉しいことはありません。ぜひ、明日からの行動を変えてみてください。お願いします。
風疹のワクチン接種が不十分な可能性がある
過去に1回だけしか受けていないケース
「過去にワクチンを接種したから大丈夫」と思っていても、それでは不十分な可能性があります。
風疹の予防接種は、2回受けるのが主流です。1回だけでは、ウイルスに対する免疫が獲得できない可能性や、免疫が徐々に低下していく可能性があるためです。
今現在の予防接種は、1歳と小学校入学前の計2回、定期接種することになっています。
しかし予防接種の整備が不十分な時期があり、1962年度〜1989年度に生まれた女性、及び、1979年度〜1989年度に生まれた男性は、受けていても1回だけ。そのため免疫力が十分ではない可能性があります。
過去に接種したことがない場合も
風疹の集団予防接種は、1977年から女子中学生を対象に始まり、その後、現在の幼児期における定期予防接種という形になりました。
しかしこの制度変更の間に、風疹ワクチン接種をあまり受けていない世代が発生してしまいました。
1979年4月2日~1987年10月1日の間に生まれた人は、集団接種による風疹ワクチン接種を受けておらず、個別での接種もあまり浸透しなかったようです。
つまり、今(2018年11月13日)現在で31歳~39歳くらいの人は、風疹の予防接種を受けていない可能性もある、ということになります
「過去に掛かったことがあるから大丈夫!」は間違い
風疹は過去に1度かかると、生涯かかることはないと言われています。しかしここに落とし穴があります。
過去に掛かったことがあると「勘違い」するケースです。「はしか」や「りんご病」を風疹だと思いこんでいる・勘違いしている・記憶違いをしているケースが、意外と少なくありません。
親が「あなたは掛かったことあるわよ」といったとしても、信じないようにしましょう。記憶違いの可能性があります。
「記憶より記録」を頼ることが大切。「大丈夫だろう」はアテになりませんので、過信してはいけません。
迷ってないで、すぐ行動!
いろんな可能性を示唆しましたが、私が言いたいのは「わからないなら予防接種に行こう!」です。
予防接種を受ける前には、まず風疹に対する免疫があるかどうかの「抗体検査」があります。この検査によって、十分高い抗体価が確認できれば、予防接種を受ける必要もなくなります。
また、抗体検査は必ず必要なものではありません。時間がない場合は、抗体検査を受けずに予防接種を受けることも可能です。その場合、すでに免疫を持っている方が再度接種を受けても、特別な副反応がおこるなどの問題はありません。
あやふやなまま、100%の確信がなく「大丈夫だろう」のまま、生活をしてはいけません。1%でも不安な要素があるのであれば、まずは予防接種に足を運びましょう。
妊婦がワクチンを接種するんだから、男が接種する必要はないのでは?
たしかに「女性がワクチンを接種していれば風疹に掛かることもないんだし、男が気を回す必要はないのでは?」という意見もあるでしょう。
しかしそれは違います。
たとえば、風疹の予防接種は、妊娠してしまうと受けることができません。そして、そういう事情がある女性も少なくないのです。
上述したとおり、予防接種を受けたかどうかわからない人は多い。しかも普段の生活の中で、風疹のことを気にしている人なんて、ほとんどいないでしょう。
そんな人が妊娠して、風疹の危険性を知って、風疹が初めて「自分ごと」になる。こういう時系列は、なにも不自然なことはありません。当然の流れだと思います。
しかし、脅威を知っても対策できない恐ろしさが風疹にはあります。
わかりますか、この不安が。予防接種を受けられないので、妊婦さんは、恐怖と隣合わせで生活をするしかないんです。お腹に抱えた小さな命が、どうかなってしまうかもしれない不安と恐怖。
だからこそ男性は、そして伴侶である夫は特に、こういう不安を少しでも払拭させてあげる義務があると思うのです。
男には予防接種の義務がある
私の妻が、まさに「風疹の予防接種を受けられずに妊娠したケース」でした。
風疹の予防接種を受けようとしていた矢先に妊娠がわかり、その後なんの対策も打てず、ただただ不安を抱える日々でした。
だから気持ちがわかるんです。だから世の中で抱えている風疹の恐怖を、少しでも減らしたいんです。その一心で、この記事を書きました。
風疹に関する知識、妊娠や出産に関する勉強をしたいなら、まずは「コウノドリ」という漫画を読むことをオススメします。本当にオススメします。これは妻を持つ男性のバイブルであると断言できます。
風疹をテーマに取り上げている話が出てくるのは以下の巻ですので、これだけでもぜひ読んでみてください。