自分が、いつ・どこで・何をしたか。この情報の記録に助けられる場面というのは、思っているよりも多いものです。
例えば、自分が最後に髪を切ったのはいつだっただろうか。あるいは、長い間歯のクリーニングに行っていない気がするが、最後に行ったのはいつだったろうか。
そして、風疹の予防接種を受けた覚えはあるが、それはどこだっただろうか……。
去年受けた予防接種は、麻疹?風疹?
つい先日、ちょっとした諸事情で、麻疹や風疹の予防接種を受けなくてはならない自体がやってきました。
「去年予防接種を受けた気がする……」という曖昧な記憶はあるのですが、気がするなんて不確かな状態でいて良いわけがありません。
加えて困ったことに、それが麻疹だったか、それとも風疹だったか、それも曖昧なのです。もしかすると、麻疹と風疹の混合ワクチンだった可能性も捨てきれない。そんな曖昧な状態。
ですが幸いにも、私は自分の移動経路をEvernoteに保存していました。
FoursquareのチェックインをEvernoteに自動保存
私は、Foursquareでのチェックインの記録を、自動的にEvernoteへ保存されるように設定しています。
自動保存の方法は、ウェブサービス「ifttt」を利用しています。
「ifttt」のレシピは以下のような感じ。何も特別なことはしていなくて、単純に「行った場所の名前」と「地図」をEvernoteに保存するようにしているのです。
FoursquareでのチェックインがEvernoteに貯まりに貯まって、今では1000を超えるノート数となっています。
これを見返せば、自分が過去に「いつ」「どこに行ったか」は分かります。それだけでも大きな情報。記録の断片さえあれば記憶を呼び覚ますことができ、そこから確かな情報を得ることができるのです。
記録と記憶は往来する
さて、問題は「予防接種は、麻疹か風疹か。それとも混合ワクチンか」という「What」の情報です。
ただこれも幸いに、私は「風疹の予防接種を受けた」という記録がEvernoteに残っていました。ですので、風疹の予防接種は確実に受けています。
しかし最後に「風疹と麻疹の混合ワクチンを受けた」という可能性が残ります。こればかりはEvernoteにも残っていませんでした。
ですが「When(いつ)」「Whare(どこで)」「What(なにを)」さえ分かれば、あとは病院に尋ねるだけ。すぐに該当する病院に電話をして「昨年の6月22日に風疹の予防接種を受けたものですが、それが混合ワクチンだったか確認したくご連絡しました」と問い合わせたのでした。
「人の記憶は曖昧で、信じられる記録こそ重要である」
当たり前に思っていたのですが、改めて記録の大切さを感じた一件でした。
また、それ以上に大きな気づきは「記録と記憶は行き来することで、情報を補完し合っている」という事実です。
ある一つの記録がトリガーとなって、自分の記憶の一部が呼び起こされる。そして、その記憶を頼りに、次なる記録を検索することができる。
記録も記憶も、それぞれがそれぞれに補完し合うことで、情報の確度を高めることができる。
従って、Evernoteに "すべて" を記録する必要はないのかもしれません。"記録の断片" を残しておくだけでも、自分の必要な情報は容易に取り出すことができるんですから。
今回の話で言えば、「When」と「Where」と「不完全なWhat」の3つが記録として残っていたからこそ、そこから「完全なWhat」を導けたのです。
あとがき
すべてを記録する必要は全然なくて、しかもそれが「後々重要な情報になる」という確信がなくても良い。
自分の記憶の断片を少しずつちぎって、その欠片をEvernoteに保存しておくことが大切。ちぎられた欠片を元通りにするのは、そんなに難しいことではないのです。
それでは、今日はこの辺りで。