ウェブディレクターとして働いていると、言いたくないけど言わなければならないことが多々あります。
「修正してもらったところですけど、前の感じに戻してください」「赤で依頼したんですけど、やっぱり緑にして欲しいです」「パターンを見たいので、いくつかデザインお願いします」
クライアントからの依頼を正面から全て聞き入れるのではなく、間に立ってせき止めるのもディレクターの大事な務め。しかし、クライアントの要望にも極力応えなくてはいけませんからね。
さて、そういう“言いにくいこと”をハッキリと、しかし相手の立場に立って嫌な気持ちを極力減らすように伝えるのは、ディレクターの素量の問われるところ。私の一番苦手な“コミュニケーション能力”、いわゆる“コミュ力”ってやつです。
そんな私が使っている姑息な手段。それは、指示書を作成するときに“手書きフォントでキツくならないようにする”という方法です。
手書きフォントで指示書を作る
例えば、私がよく使っている「ふい字」で指示書を作ります。すると、「何をこの人は冗談を言ってるんだよー HAHAHA」と思ってもらえ、相手も軽い気持ちで「いや、無理っすww」と断れるでしょう。
ですがこれが「ヒラギノ角ゴ」だと、冗談なのかマジなのかの境界線が曖昧すぎて反応に困ります。「えっ、どっち。この人マジで言ってるの…?」
「ヒラギノ明朝」なんかを使われた日には、隣の先輩に「ねぇ、こんな指示書来たんだけど、どう修正したらいいですかね」と相談するレベル。本気過ぎる。なんとか修正した後で「いやー冗談ですよーw」と言われても納得できません。時間を返せ。
逆に、一見「えっ。これ冗談でしょ」って思われそうな事を本気でお願いしたい時なんかはいいと思います。
※水玉コラとは
しかしやり過ぎてもいけません。「どせいさんフォント」なんぞ使おうものなら、「できるもんならやってみなよー」と煽ってるようにしか見えません。
と、タイトルの趣旨に沿って話しができているか怪しいですが。。つまり何が言いたいかと言うと、フォント一つでも伝わり方が変わってくるということです。
印象が全然違ってきますので、その時々に合ったフォントを選択することも、意外と重要な気遣いだったりするんです。と、個人的には思っています。
私が好んで使っている手書きフォント
では、私が好んで使っているフリーの日本語フォントをご紹介しましょう。手書きに限らず紹介しますので、ぜひご活用ください。
フロップデザイン
スマートフォンUI
やさしさアンチック・やさしさゴシック
ひま字
Migu
あんずもじ
えり字
どせいさん
ふい字
あとがき
個人使用だけでもかなり楽しめます。私の場合は、テキストエディタやEvernoteのデフォルトフォントを手書きフォントに変えて、文章書きの楽しみを演出しているんです。
物によっては視認性が悪くなるのですが、気分が良くなるので止められません。