こうしてブログの記事を書いている僕の横で、もうすぐ五ヶ月になろうかという娘がうつ伏せになりながらジタバタと一人遊びを繰り返している。
そんな娘の姿をみて思います。最近になってようやく、少しは自分が父親であると感じられるようになってきたようだなと。
これから結婚・出産を考えている男性や、今まさに出産を控えている男性の方は、もしかしたら「子どもが生まれたら自分は父親になるんだなぁ」なんて感慨深く考えているかもしれません。
でも、そんなことはありません。「今日は一人の男で、明日からは父になる」なんて、そんな明確な区切りはないんです。
じゃあ、妊娠中から徐々に父親という意識になっていくの?……残念ながら、それも違いました。妻が妊娠している最中でも、頭ではわかっているとはいえ、自分が父親になるなんて実感は得られませんでしたよ。
父親なんてそんなもんです、きっとね。
もし、「よーし!明日からオレは父親になるんだぞー!ふんっふんっ!」なんて息巻いているプレパパがいるなら、ちょっとだけ肩の力を抜いて、僕の感じるところを聞いていってください。
子どもが生まれて最初に感じたのは "孤独感"
僕は、妻の出産にはずっと立ち会っていました。娘が生まれるその瞬間までずっとに一緒にいて、娘の産声を妻と一緒に聞いていました。
妻が妊娠しているとき、僕は漠然と「これから父親になるんだなー」なんて思っていまして。そして、生まれたその瞬間から父親としての自覚が芽生えるのだと、そんな幻想を抱いていました。
そんな僕が最初に感じたのは、「疎外感」です。
あっ。もちろん感動しましたよ。感動したし、嬉しかったし、安心したし。いろんな感情が渦巻いた結果の少しあと、落ち着いてきた頃に感じたのが「疎外感」でした。
生まれた娘と産んだ母。そこには、目に見えない "絆" を感じざるを得ませんでした。
それはそうですよね。二人はこの長く苦しい10ヶ月あまりをずーっと一緒に過ごしてきたわけで、二人の関係性はできあがっているんです。それはそれは、昨日今日で対面したような僕が入り込めないほど。
なので、今日からいきなり父親面しろって方が無理。「よっしゃお父さんに任せろー!」なんて言ったって、なんにもできないんですよ。男が最初にできることなんて、各種書類を完璧に揃えて提出してくるぐらいですよ。
子どもと共に自分も成長
そもそも男なんて、本当に父親かどうかなんてわかりません。
少し言い方が悪いかもしれませんが、「これがあなたの子どもよ」と言われたら、それを信じるしかない。お腹から生まれてきた女性と違って、具体的に父親を感じられるようなものなんて男にはないんです。
ちょっと寂しく思いますが、そんなもんです、男なんて。
そんなもんだから、父親であるという事実や自覚、今日か明日かなんていうのは必要ない気がしています。そんなものは投げ捨てるべき。
大切だと思えているのは「父親になるんだ」という決意のほうかな。今はまだ全然だし、至らないところばかりで家族に迷惑をかけるけど、家族を守ると決めて自分の役割を演じ続けることが大切なんだと思います。
二人の絆を暖かく見守るのが楽しい
娘と妻の関係性をみながら感じた疎外感。それは間違いないのですが、かといって "家族" を感じられないわけではありません。むしろ、今まで感じたことがないほどに "家族" を感じています。
この三人が今はひとつの塊として生活をしている心地よさ。これは今まで感じたことがないほどに暖かいものです。
そして、そんな中で感じる "妻と娘の絆" は見ていて本当に心地よいです。
ある朝。僕が起きてリビングに行くと、授乳後でお腹いっぱいになり眠りこけている娘と、その娘をお腹に乗せたまま疲れて寝ている妻がいました。なんとも、言い表しようのないほどの愛おしさが、そこにはありました。
そこにいる二人は間違いなく僕の家族であり、僕の幸せをカタチにしたものでした。
父親という肩書は今でもやっぱり欲しいです。父であると感じられる何かが欲しいとは思います。でもそれはきっと、娘が大きくなって「おとうさん」と一声かけてくれた瞬間なのかなーなんて勝手に想像しています。
これから父親になるという世の男性諸君。父という存在に憧れる気持ちもわからないでもないけど、そんなものはすぐに実感できるようなもんじゃないからさ。強く憧れるだけ、落胆も大きいよ。
だからまずは、家族を感じて、家族を大切にしていってくださいね。
あとがき
果たして、自分が父親だということをいつ頃に実感できるのだろう。大きくなった子どもを持つ父親の方々は、いかがでしたか?
でも今は、妻と娘のコントを見ている日々が楽しいから、もう少しこのままでもいいかなー。