知っている事と、やってみた事。そこには大きな違いがあり、当然やってみた事の方が重要なのです。
日々流れてくるニュースやブログ記事を読んで、それが自分の蓄えになっているのだと思っているなら、それはきっと違う。
知識というのはそれだけでは全く役に立たず、知識を知恵に変えてこそ、自分の血となり肉となるものなのです。
知識を積み重ねていく中で、「知恵」に変えないと生かすことはできない。羽生さんはそう語りました。
将棋における定跡
物事には「定石」と呼ばれるものがあります。これは一つの道筋のようなもので、先人たちが切り開いてきた「こうしたら、こうなる」というパターンのようなもの。
でも、この定石は、知っているだけでは役に立たないことが多い。なぜなら、変化に対応できないからです。
知識として知っているだけでは、それを扱えるタイミングが限られる。同じ状況・同じタイミングでなければ、往々にして意味をなさない。
特に現代、物事の流れや、一般的な"普通"が目まぐるしく変化する中で、その定石をそのまま活躍させるのは難しい。
定跡は、ただ記憶するだけでは実戦でほとんど役に立たない。そこに自分のアイデアや判断をつけ加えて、より高いレベルに昇華させる必要がある。
将棋にかぎらず、私達はとかく膨大な量の情報や知識に埋もれがちだ。定跡を生かすにも、情報におぼれるのではなく、まず、"自分の頭で考える"ことが先決だと思っている。
引用元:決断力 (角川oneテーマ21)
知った気になっちゃあいけない
日常生活でも、この「知識と知恵の違い」を体感する機会は多いと思います。
例えば。説明書を読んで「あぁ、こういうことね。オッケーオッケー」と思う。けれども実際にやってみたら、意外と躓いてしまった。そんな経験は誰にでもあることでしょう。
私なんかが良くあるのは、Evernoteの活用方法。「このアプリとこのアプリを組み合わせて、こういう管理フローを作ったら便利って話ね。確かに。」と、字面を読んだだけで理解ができます。
でも、実際にやってみたら、違う発見があった。もしくは、思わぬ所で躓いて、苦戦した。
こんな事が往々にしてあり得るのです。
やってみて初めて身になる
知識は単に得ればいいというものではなく、知識を積み重ねて理解していく中で「知恵」に変えないと生かすことができない。
引用元:決断力 (角川oneテーマ21)
知識は「知恵」に変えなければ、その知識をアイデアに変えることも、状況に合わせて応用させることもできません。
では、知識を知恵に変えるために必要な物は何か。
それは「理解」であり、「理解」するためには「行動」が不可欠なんだと思います。
実際に手を動かして、体感してみる。そうした"経験"を持ってして、初めて「理解」できる。「覚える」だけでは分からなかった「理解」という手応えは、自分の体感をもって初めて感じられるもの。
「覚えた」から「理解した」までの工程で得られる「経験」を得なければ、「知識」は「知恵」にならず、「知恵」で無ければ「知識」は生かせない。
まずはトライ!知恵を蓄えよう
私も、情報収集はメッチャ好きです。新しいことを見たり聞いたりするのは快感ですし、自分の好奇心を刺激されます。
でも、それだけではなく、ちゃんと「やってみた」って経験を大事にしています。
Evernote系のネタを見たり聞いたりしたら、とりあえずやってみる。新しいアプリがリリースされて、キャプチャを見ただけで大体の機能は想像がつく。それでもあえて買ってみて、試してみる。
こういう小さな経験が積もり積もったからこそ、一冊の本を書けるぐらいの「自分の蓄え」ができたんだと思います。
あとがき
超一流の方の言葉には重みと説得力がある。勝負事に対する姿勢や考え方は、ビジネスや生活の中でも役に立つところが多いのです。
それでは、今日はこの辺りで。