私はもうGmailを使って長いので使い慣れた感じがあり、逆にこの "システム" が非常に使いやすく感じています。
ですが、初めてGmailを使う人にとってはその "システム・仕組み" 自体がちょっと分かりにくいみたいですね。
確かに、「すべてのメールって何?」「ラベル??フォルダはないの?」「アーカイブとゴミ箱って何が違うん?」などと、あんまり親しみのない名前がありますからね。
この辺りは結構仕事場でも質問を頂くことがありましたので、ちょっと私なりに、それぞれの言葉・機能の関係性についてお話しします。
特に、一番分かりにくいであろうアーカイブとゴミ箱の違いについて、ご説明しますね。
Gmailの言葉の位置関係
Gmailの説明をするために、まずは各言葉の位置関係を知っておくと、理解が早いかと思います。
そこで、「すべてのメール」「受信トレイ」「アーカイブ」「送信済み」「下書き」「ゴミ箱」「迷惑メール」の相関図を書いてみました。それが以下の画像です。
それぞれの言葉の持つ意味は、上記のような関係性にあります。
ではこれを元に「アーカイブ」と「ゴミ箱」の違いについてご紹介します。
……と言いたいのですが、その前にもう少しだけ、Gmailの考え方について話をさせてください。
「アーカイブ」と「ゴミ箱」の違い
そもそもGmailの基本コンセプトは、「整理整頓」ではなくて「検索」に重きを置いています。これ重要。
例えば何かメールが届いた時。それを「整理整頓」するために、フォルダ分けをしたりはしません。基本的には「すべてのメール」という大きな枠の中に入るだけです。
それでも目的のメールを探し当てられるのは、そのメールが持つ「性質や特徴」を「さまざまな角度から検索できる」からです。その「性質や特徴」を付けるために、ラベルという機能があったりするわけです。
何が言いたいか。まずは「フォルダ」という古い考え方を捨てることから、Gmailの理解は始まるということです。
大きな図書館は不必要になったんです。本を棚に陳列する必要はなくなりました。"図書館" という建物の中に本がごっそり入っていればそれで良くて、目的の本は強力な検索システムが探してきてくれます。
以上の話を踏まえておくと、「アーカイブ」と「ゴミ箱」の話もわかりやすいです。
「アーカイブ」と「ゴミ箱」の違い
解釈としての違い
「アーカイブ」とは、言葉の上では "保管すること" を意味します。つまり、そもそも「ゴミ箱」のように捨てるのではなく、"保管" するんです。
Gmailに入ってきたメールは、基本的にはすべて「受信トレイ」に入ってきます(厳密には「受信トレイ」というラベルが付く)。
そして、その受信トレイに入ってきたメールの処理には、大きく2つの選択を迫られます。「保管する」か「捨てる」か、その2つです。
「保管する」ことを選んだ場合が「アーカイブ」です。つまり、「受信トレイ」から取り出して普段は目につかない所に置いておくけど、必要になった場合には取り出せる状態です。
「捨てる」ことを選んだ場合が「ゴミ箱」です。言葉の通り "不要" と判断した結果であり、未来永劫二度とそのメールを見られなくなっても構わない。そういう状態を指します。
以上が解釈としての違い。じゃあ実際に機能としての違いは何なのか、それをお話しします。
機能としての違い
「アーカイブ」した場合は、「受信トレイ」からは外されます。しかし、「すべてのメール」の中には含まれます。
そのため、「アーカイブ」したメールも基本的には検索の対象となります。
「ゴミ箱」に入れたメールは、捨てたメールなので、検索の対象外となります。
また、「ゴミ箱」に入れたメールは、30日間は再度拾いあげることができますが、30日が経過すると完全削除となり二度と手に入らなくなります。
以上で、「アーカイブ」と「ゴミ箱」の違いの説明を終わります。
要は、「アーカイブ」は目に見えない状態にするだけであって、捨てるという意味ではありません。あくまで "保管" なんですね。
上記の話がわかると、先日ご紹介したメールの処理方法についても分かりやすく解釈できると思います。
あとがき
Gmailの考え方は、Evernoteのそれに似ていますね。整理整頓に時間を掛けず、必要な物を必要な時にどうやって取り出すかに重きを置く。それが重要なんです。
なので、検索システムを上手く機能させるために、1つ1つの情報にいろんな属性を付与させてあげるんですね。