夜中、どうしようもない腹痛に襲われて目が覚めた。吐き気もある。かろうじて我慢はできているから、少し寝て様子を見よう。
———3時間経っても全然良くならないぞ。どうしよう。でも「気持ち悪い」とか「お腹痛い」なんて症状で救急車呼んだら迷惑かな。
実際、救急車を呼ぶべきか迷ってしまう人は少なくありません。そんなときの助けになるのが、東京消防庁が開設している「救急相談センター」です。
また、迷ったときの判断の助けになる「Q助」というアプリを消防庁がリリースしているので、そちらも合わせて利用すると良いでしょう。
※当記事では主に東京都における救急相談センターについて記述します。各地方によって、類似のサービスがあったり、場合によってはない場合もありますので、ご自身の地域については各人で調べてみてください。
私の調べで「#7119」を設置している地域は平成29年8月現在で、東京都、大阪府、奈良県、福岡県、札幌市(周辺含む)、横浜市、 田辺市(周辺含む)。平成29年10月以降に、宮城県、埼玉県、神戸市が開始予定とのこと。
救急車、呼ぶか迷ったら「#7119 救急相談センター」
東京消防庁では、急な病気やケガをしたときの相談窓口として「救急相談センター」というのも設けています。これは24時間年中無休で対応している窓口です。
東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><救急車の適正利用にご協力を!><救急車の適正利用のお願い!!>
連絡するときは「#7119」。この番号に電話をすれば、相談窓口に繋がります。
電話をかけるとどうなるの?
電話をかけると自動音声ガイダンスに繋がり、その後、相談医療チーム(医師・看護師・救急隊経験者などの職員)の人と話すことができます。そこで今の状況などを説明・相談し、今後のアクションについて助言をもらうことができます。
その結果、緊急性が高いと判断された場合は、そのまま救急車の手配もしてくれます。自分で改めて119に電話する必要はありません。
電話は、必ずしも本人が掛ける必要はありません。以前実際にあった話ですが、妻の体調が悪くなってしまったときは代理で私が電話を掛けました。妻にはすぐ近くにいてもらい、基本的な受け答えは私がしつつ、わからないことは妻に聞きながら話す、という感じです。
体調が悪くて話すのも辛いような状況であれば、近くの家族に電話を掛けてもらうのは良い判断だと思います。
また、電話をかける前に予め用意しておくと、話がスムーズになるものがあります。たとえばお薬手帳や、普段飲んでいる薬がわかるものは手元に準備しておきましょう。
緊急性が高ければ、迷わず119番
救急相談センターは、あくまで相談する場所です。なので明らかに救急車を呼ぶ必要があるとわかる場合は、迷わず119番に電話をするべきなのは間違いありません。
例えば、
- 突然のしびれや半身の麻痺
- 大きな怪我や大量の出血
- 広範囲の火傷
- 痙攣が続く
- 意識障害
- 急に倒れた
- 胸や腹部の激しい痛みや吐血・下血
- 突然の激しい頭痛
- 呼吸困難
こういった症状の場合は、まっさきに119番へ電話しましょう。
大原則として「救急車は、本当に必要とする人のために利用するべき」ですが、自分が「本当に必要とする人」の場合はためらわずに救急車を使うべきです。
小さな子どもの場合は「#8000」へ
対象が子どもだった場合、もし自分の子どもの体調に関して相談したい場合は、上記の対応とは別に、「小児救急でんわ相談」に相談してみましょう。
小児救急電話相談事業(#8000)について |厚生労働省
小児救急電話相談事業(#8000)についてについて紹介しています。
番号は「#8000」です。
ここには私たち夫婦も何度もお世話になりました。特に2歳になるまでの間は、小さな不安が数多くあり、自分たちで全く判断できないようなものばかりでした。
「大人なら、なんてことはない症状」だったとしても、それが子どもの場合どんな影響が出るか、素人にはわかりません。なので判断に困ってしまったなら、専門家の判断を仰ぐのが大切です。
その際は、母子手帳やお薬手帳をお手元に用意しておくのを忘れずに。
それでも電話するのが不安な人はアプリ「Q助」
それでもやはり電話をするのが躊躇われるという人は、消防庁がリリースしている「Q助」というアプリを利用してみましょう。
「Q助」は、アプリ内にて表示される質問事項に答えていくだけで、症状の緊急度を判断し、今後の対応についてアドバイスをくれるアプリです。
アプリ内での診断の結果、緊急度が高いと判断できれば、アプリ内からそのまま119番に電話を掛けられます。その他にも、医療機関の検索や、全国のハイヤー・タクシーの検索などもできます。
自分ではなんでもないように思えていたことも、実や緊急を要するケースはあります。「Q助」を利用することで、そういった “見えない緊急性” を知るキッカケになるでしょう。
執筆後記
以前Twitterで以下のコメントを見かけたときに、この記事を書こうと思いました。
41度の熱が5日続いて手足と顔が痺れて動けなくなりヤバイと思って人生で初めて救急車呼んだんですが、「別に何もできないですよ」「タクシーでは来れなかったですか?」と詰められまくったの辛かった。結局その日は帰らされたから別の病院いったらすぐ入院になった。どういう時に救急車呼べばいいの…
— けんすう (@kensuu) 2017年11月14日
本当に呼んで良いのか判断が難しいので不安ですし、「まだちょっと頑張れるし、自分より救急車を必要としている人は他にいる」と考えてしまいますよね。
なので私も、家族が何度か救急車のお世話になっておりますが、自分たちで判断して救急車を呼んだケースはほとんどありません。主観的に判断しようとせず、専門家の第三者的な意見をもらうのは、本当に大切な手順だと思います。
こうした相談サービスは、ぜひとも活用していきましょう。