日々アウトプットが重要だと話をしていますが、それは何も "自分の考えを他人に伝えること" がアウトプットなのではありません。
対象が自分でなくても、頭の中のことがらを外に吐き出したら、それがアウトプットになります。自分の考えを書きだしたり、アイデアを発想して残すことも、アウトプットの一部なんですよ。
ただ、いきなりノートに向かって物を書こうとしても、なかなか書きにくい。自分の発想を広げていくには、白紙のノートは広すぎるんです。
なので私は、フレームワークと言われる "型" を利用したり、"発想のトリガー"となる物を使って、考えを巡らせるようにしています。
そこでよく使うのが「マインドマップ」「マンダラチャート」「発想トリガー」の3つです。
ただ、これはこれで「どのツールを、いつ使えばいいのか」に迷われる方も多いと思います。ですので、私がこれらのツールを使っている理由と目的を、それぞれお話ししていこうと思います。
"自分の内面"と向きあって新しい気づきを得る
自分の思考の整理とか、あるテーマに対する考えを広げていくなど、その用途が幅広いのが「マインドマップ」。
マインドマップは基本的に "自分の頭で考え" て行います。つまり、発想の源泉は自分の頭の中。
頭の中というのは存外自分が思っている以上にわからないもの。その "気がつかなかった自分の考え" に目を向けて、新しい発想を生み出せるのが「マインドマップ」の強さです。
マインドマップについては、@sawonyaさんのブログは大変役に立ちます。初心者がどう使いこなしていいかを丁寧に解説しているので、是非とも参考にしてみてください。
▼@sawonyaさんの記事のまとめはコチラから。
マインドマップ超初心者~中級者に役立つ記事まとめ - NAVER まとめ
一つのテーマに対して、枝を無数に繋げていく発想法。出来上がったマインドマップを見返すことで、今まで気がつかなかった自分の内面に気がつけるかもしれません。
利用しているツールですが、マインドマップの基本は手書きです。多数の色を使って、自由に枝葉を伸ばしていくのがマインドマップの基本となります。
ですが、手軽にサクサク書いてしまいたい時もあります。例えばセミナーでの講演を聞きながらまとめるとか、スピードを求められる場面もあります。
そういうときにはMacのアプリを利用すると便利です。具体的には「Mind Node」を私は使っています。Enterキーを押せば枝を増やせ、Tabキーを押せば枝を伸ばせる。スピード勝負の時は重宝します。
MindNode Pro 1.9.1(¥850)
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
販売元: IdeasOnCanvas GmbH - IdeasOnCanvas GmbH(サイズ: 4.4 MB)
全てのバージョンの評価: (36件の評価)
私がマインドマップを使うとき
無限に広がるというのは、とても甘美な響きです。しかしそれは、終わりがないという逆の意味も含んでいます。
またマインドマップの作成にあたって、ある程度のルールに則ってはいますが、基本は自由に発想を伸ばしていくのが特徴。私は、どうもこれが苦手なのです。
私は、自由に発想を広げていくよりも、ある程度の型があって、それを埋めていく方法のほうがスッキリと考えをまとめやすいんです。
なので私がマインドマップを使うのは、自分の考えを雑記的に書きなぐっていく時か、リアルタイムで情報をまとめるときによく使います。
雑記的に書くのは、自分と向き合うため。定期的に「自分は何を考えているんだろう。これからどうしていきたいんだろう」みたいな、ふわっとしたテーマについて想いを巡らせるときにダラダラと書いています。
リアルタイムで情報をまとめるのは、例えば上述したようなセミナーのときですね。「Mind Node」を使って、聞いた内容をバシバシ記入していき、自分の考えもその都度記入していく。そんな使い方の方が、私には合っているようです。
あるテーマについて深く掘り下げていく時は、マインドマップではなく、別の方法をとっています。それが次にご紹介する「マンダラチャート」です。
発想から収束までをオールマイティにこなせる万能ツール
ある一つのテーマがあり、それについての考えを広げていきたい。そして、広げたアイデアを収束に向かわせたい。
気づきを得つつも、結論を出すのに役立つのが「マンダラチャート」です。
「マンダラート」は3×3のマスを利用する発想方法。中心にテーマを書き、それに対する考えを残りの8マスに記入していく。そして今度はその8マスをそれぞれの中心テーマとして、新たな3×3のマスを作り、発想していきます。
▼こんな感じで、中心にテーマを作り、その周りには派生した考えを記入(A〜H)。そして、派生した考えに対して、更に深く掘り下げていきます。
マインドマップのように "無限大" に伸びていかないので、私個人的にはとても落ち着いて考えを巡らせることができます。ある程度のフレームや枠、型やルールが決まっている方が、発想が伸びやすかったりするものです。
iPhoneには専用のアプリがあるので活用してみて下さい。
iMandalArt 2.7.1(¥1,100)
カテゴリ: 仕事効率化
販売元: Hiro Art Directions,Inc. - Hiro Art Directions inc.(サイズ: 2.6 MB)
全てのバージョンの評価: (468件の評価)
Evernoteでマンダラチャートを使いたい人は、こちらの共有ノートもご利用下さい。以下のリンクをクリックして、ノートを保存すれば使えます。
このノートは、@rashita2さんが以下の記事で共有されていたノートに、自分なりにちょっと手を加えたものです。
とても使いやすいのでお気に入り
この「マンダラチャート」の良い所は、型が決まっている所です。マインドマップのように無限に広がるわけではなく、決まっている型枠を埋めていく方法です。
なので、空白を埋めていく快感と、終わりが目に見える安心感があります。
マインドマップのように「完成したマップが汚すぎて見る気もしない」という私なりのネックもありません。3×3のマスを埋めるだけですので、芸術的センスのない私でも安心して使えるのです。
新しい発想を手に入れる
マインドマップやマンダラチャートは、自分との対話を主とする発想法です。では、自分という枠を飛び越えて、もっと突飛な、そして異質な発想をしたい時にはどうするか。
アイデアとは既知と既知の組合せなので、0から生まれるものではありません。ですので、Aというテーマに対して新しい刺激を加えてあげることが、新しいアイデアの発想を促します。
そんな時に有用なのは、「発想トリガー」。言葉の通りで、アイデアを発想するための "引き金" となる言葉たちです。それには例えば、「エクスカーション」や「オズボーンのチェックリスト」があるでしょう。
こういう強制力を利用して、"強制的に突飛さを引き出す" と良いです。
エクスカーション
エクスカーションは、動物を利用した発想方法です。
例えば、新しいボールペンの製品開発のためのアイデアを出したい時、ある動物を1つピックアップします。例えば、犬にしましょうか。
そしたら次に、犬に関する特徴をできる限りいっぱいリストアップします。「ワンワン吠える」「嗅覚が鋭い」「シッポを振る」「主人を持つ」などなどです。
そしたら最後に、これらの特徴をボールペンに組合せるんです。「ワンワン吠えるボールペン…ちょっとうるさくてニーズが無さそう」「ふわっふわな尻尾をつけたボールペン…これなら女子ウケしそうだ!」なんて感じです。
アイデア創発の素振り:エクスカーション――ノート1つで100個以上のアイデアを出す方法 (1/3) - ITmedia Biz.ID
オズボーンのチェックリスト
ブレーンストーミングを作ったアレックス・F・オズボーンが作った発想法で、あらかじめ準備したチェックリストに答えることでアイデア発想する方法です。オズボーンのチェックリストは以下の9つがあります。
1.転用
新しい使い道は?他分野へ適用はないか?2.応用
似たものはないか?何かの真似はできないか?3.変更
意味、色、働き、音、匂い、様式、型を変えれないか?4.拡大
より大きく、強く、高く、長く、厚くできないか?時間や頻度などかえれないか?5.縮小
より小さく、軽く、弱く、短くできないか?省略や分割できないか?何か減らすことができないか?6.代用
人を、物を、材料を、素材を、製法を、動力を、場所を代用できないか?7.再利用
要素を、型を、配置を、順序を、因果を、ペースを変えたりできないか?8.逆転
反転、前後転、左右転、上下転、順番転、役割など転換してみてらたどうか?9.結合
合体したら?ブレンドしてみたら?ユニットや目的を組み合わせたら?
Via: オズボーンのチェックリスト法 発想法110番 | 問題解決・アイデア発想法ポータルサイト
何かしらの、外部からの強制力をもって発想することは、とても自然な行為です。「自分の頭だけで考えたい!」「新の発想とは、自分の頭から生まれるものだ!」なんて、意固地にならずに、他の力を利用することも重要な発想方法ですよ。
個人的には、このアイデア鉛筆って方法も大好きです。分厚い本ではないので、機会があれば一読することをオススメします。
Evernoteを活用したアイデアの発想方法については、@rashita2さんの作品も大変オススメ。
あとがき:ツールは適材適所
すべてのツールにおいて、それには適した役割があります。ひとつの事ですべてを補おうとしても、それは難しい。
自分の目的や用途に応じて、様々なツールを使いこなす。執着をせずに、水のような心を持ち続けることが大切です。
囚われない生き方をしていきましょう!