仕事にもいくつか種類があるけれど、大まかに「手を動かす作業」と「頭を動かす作業」にわけられると思う。
このふたつを同時に進行すると、だいたいろくなことにならない。やるなら、どちらか一方だ。
「手を動かす」と決めたのなら、考えてはいけない。考える余地もなく、ただ手を動かすことに集中。手を動かしながらの考えごとは "雑念" である。どちらにも集中できていない状態だ。
逆もそうだ。
「頭を動かす」と決めたのなら、作業をしちゃあダメだ。アイデアはOK。メモを取ったり、ラフを作ったり、思考を発散したり、整理する行為は歓迎される。
でも、考えるって決めたなら、考えることに集中しなくちゃ。考えるって、意外と時間も労力もかかるから、きちんと "考える" を実行しなくちゃいけないの。
考えることリストを作ろう
「考えることリスト」を作ろう。考えることに集中できるように。
考えなきゃいけないことって、実は結構いっぱいある。小さなことから、大きなことまで。
仕事のこと。私生活のこと。家族のこと。週末の過ごし方のこと。いっぱいだ。
「今週末、どうやって過ごそうかなぁ」
「毎週末に作り置きしてるスープ、次は何にしようかな」
「仕事で配信するメルマガ、なに書こうかな」
「今度のコンペ、進め方どうしようかな」
「来月講演するウェビナーの内容、そろそろ決めなくちゃ」
「Yahoo!に投稿する次の記事、何にしよう」
「iPhoneとMac用のMOFT、買おうか悩むなぁ」
「楽天ポイントが1万円ほど溜まってるけど、何に使おうか」
「新幹線が半額の内に、どこか旅行に行きたいなぁ」
ほら。いろいろある。
しかも、こうしている間にも、考えなきゃいけないことは次から次へと生まれてくる。新しい考えごとは、いつも突然。何をしているときにも、急にやってくる。
だから、この「考えること」をリストにしておいて、いつでも引き出せるようにしておかなくちゃいけない。
じゃないと、いちいち「なんか決めなくちゃいけないことがあった気がしたけど、なんだっけ。どれが一番優先順位の高い悩みなんだっけ」って、頭の中の引き出しをかき回さなくちゃいけない。
リストにしておけば、「何について "考える" べきか」を考えずに済む。
リストの中から「今日はこれについて考えよう」って選べる、この状態が良いんだ。
リストを作るにはメモと仕分けが大切
考えるべきことを忘れてしまう。これが一番怖い。
「考える」って結構めんどうくさいから、無意識に後回しにしがち。思いついても「忙しいから、今じゃないや」っていって、そんで終わり。
結構大事なトピックスだったのに、後から思い出されることもなく、消えてなくなってしまう。
あるいは残像だけが残るから、これまた困る。「なんか考えなくちゃいけないことがあったような……」という、ぼや〜っとした残像に、頭を支配されてしまうのだ。
ふわっと出てきて、シュンッって消える。
だからふわっと出てきた瞬間に、すぐにメモする習慣をつけよう。形なんて何でもいい。紙だって、メールだって、タスクツールだって。
僕は、家のこととかだと、「ごめん、備忘録です」って感じで妻にLINEをしちゃうこともある。
なんだっていい。メモするって行為が大切で、あとからリストに放り込めればいいのだ。
「考える」を実行するために
同時にふたつのことを考えることはできないし、没頭して作業をしたいときは「考えなきゃいけないこと」に邪魔されたくない。
そうしたらやっぱり、「考える」って時間が必要だ。
タスク管理ツールを利用している人は、その管理ツールの中に「考えるリスト」を作ってしまおう。
私は「Todoist」というツールを使って、カンバン方式でタスク管理をしている。そのなかに「Think」というリストをつくって管理している。
そして、なにか時間ができたとき、このリストの中からトピックスを選ぶのだ。何を選ぶかは、そのときの気分かな。
「考える」時間を確保するとより良い
もっと良いのは「考える時間」を強制的に作ることだ。
Googleカレンダーに予定として「毎日、昼食後の13時〜14時は、考えるに集中する時間」と、予め登録しておこう。
そうすれば「考える時間がとれなかった」や「急なミーティングが入ってしまった」なんて失敗は起こらない。
あとがき
「考える」って、なんでか後回しにしちゃいますよね。たぶん、「考える」ってことが、大変で、けっこう疲れるってわかってるからです。
だから、目の前の「考えなくても良い。とりあえず手を動かしておけば良いもの」を優先してしまうんです。
こうやってリストを作って、きちんと形にしておかないと、なんとなくで流れていってしまうのですよ。