ガジェット

AEROPEXとOPENMOVEを徹底比較!両方使って初めてわかった使用感の差

openmove-vs-aeropex

骨伝導ワイヤレスヘッドホンを検討しているうちに、「AEROPEX」と「OPENMOVE」のどちらを買うべきか、悩まれているのだと思う。

価格にして約1万円の差。決して安くはない金額である。

そこで今回は、「AEROPEX」と「OPENMOVE」にどんな違いがあるのかをご紹介しよう。

両方持っている私だからこそお伝えできること。カタログスペックでは測りきれない、実際に使ってみたからこそ感じる違いについて正直にお話ししよう。

ざっくりわかる特徴と違い

まずはじめに結論を。「AEROPEX」と「OPENMOVE」とでは、あらゆる面で明確な違いがある。販売価格で約1万円の差がある製品だが、その価格差も実感できる内容となっている。

しかし決して「OPENMOVE」が圧倒的に劣っているというわけではない。「AEROPEX」の方が高級な分だけ良いと思えるポイントが多いのは事実だけれど、それに迫るほど「OPENMOVE」が良すぎるのだ。

大きく違うのは素材であり、そこから得られる「着け心地」にこそポイントがあると私は感じている。「音質」にも違いはあるが、比較してみなければわからない差なので、実はあまり気にする必要はないかもしれない。

決断するときは、この「価格」と「着け心地」を天秤にかけて、何を優先するかを考えてみるといいと思う。

カタログスペックの比較

まず最初に、メーカーが発表している性能差について、以下の表にまとめてみた。

性能上の大きな違いはないが、上述した「素材」のほかに、「防水防塵規格」「充電方式」「連続使用可能時間」など細かな違いはある。

AEROPEX OPENMOVE
テクノロジー 第7世代の骨伝導テクノロジー(特許取得済み)
防水防塵規格 IP67対応 IP55対応
Bluetooth V5.0
素材 フルチタニウム チタン合金製ヘッドバンド・ポリカーボネート製イヤーフック
重量 26g 29g
連続使用時間 最大8時間(待機時間10日間) 最大6時間(待機時間10日間)
充電方式 独自規格のマグネット式 Type-C 充電ポート
マルチポイントペアリング 同時に2台接続可能
マイク デュアルマイク・ノイズ軽減機能

音質:OPENMOVEが悪いわけではない

まず気になる「音質」についてだが、個人的には「AEROPEX」のほうが良いと感じている。「音質は変わらない」といったレビューを書いている記事も散見できたが、両方を聴き比べるとやはり違いはある。

「OPENMOVE」のほうも決して悪いわけではないのだが、若干ポコポコする感じというか、音がすこしこもった印象があった。「AEROPEX」のほうが、ひとつひとつの音が粒立っていてクリアな感じだ。

カタログスペックを見ても、両方とも「第7世代の骨伝導テクノロジー」が使われており、どちらもAfterShokz社がもつ最新の技術を採用している。決して「OPENMOVE」の音質が悪いわけではなく、音楽や動画を視聴していても違和感は感じない。「比べてみれば」というレベルである。

素材と着け心地:長時間利用にはAEROPEXの圧倒的勝利

私が大きな違いを感じたのが「素材感」であり、その結果で得られる「着け心地」だ。

AEROPEXのほうは数時間の利用でも全く疲れないし、「耳に引っ掛けている」という感覚さえ薄い。

一方のOPENMOVEは、耳への当たりが硬い。長時間使っていると耳への重みと擦れを感じるため、すこし耳から外して休憩したくなる。

両者の重量の違いは、「AEROPEX:26g」「OPENMOVE:29g」とわずか3g程度。こんな若干の差が着け心地に響くとは考えにくいので、違いは素材にあるのだろう。

素材と触り心地の違い

AEROPEXはフルチタニウム製。
OPENMOVEはチタン合金製ヘッドバンドとポリカーボネート製イヤーフックを使用している。

AEROPEXは、全体的にマットな質感となっており、触った感触が柔らかい。金属的なガチガチした感じがないのが特徴だ。

そのため、耳に引っ掛けたときの肌触りに嫌は感じがない。こめかみに当てた振動ユニットも、優しくソフトにタッチされる感じだ。

一方のOPENMOVEのほうは金属感が強い。触ったときにカッチリした感覚があり、耳に引っ掛けたときの「擦れ」や「重み」を感じやすい。

openmove-vs-aeropex_1

黒のOPENMOVEのほうが硬い質感をしていて、白のAEROPEXのほうがマットで柔らかい質感をしているのが伝わるだろうか。

これら違いは、1〜2時間程度の使用では感じづらい。しかし2時間を超えたあたりから、徐々に違和感が現実になる。

断っておきたいのは、OPENMOVE単体でみれば、着け心地はかなり良い。「長時間の利用に耐えられないほどの痛みがある!」というわけではないのだ。比較してしまうと実感してしまう。そういうレベルの問題。

ただ私のように、

・家でも、外でも
・Macでも、iPhoneでも、
・音楽を流していようと、無音だろうと、

ずーーーっと着けっぱなしにしているような使い方をするなら、AEROPEXのほうが快適さを強く感じられるだろう。

連続使用時間:2時間の大きな壁

連続使用時間にも差がある。AEROPEXは8時間だが、OPENMOVEは6時間。約2時間の差がある。たった2時間ではあるが、この差が意外と大きかったりもする。

これが12時間と10時間の差だったら、大した問題ではない。しかし8時間と6時間では利便性に結構な差を感じる。

私にとって重要なのは、リモートワークをしている9時〜18時のおおよそ9時間を乗り切れるかどうかだ。

8時間のAEROPEXのほうは、一日中ずっと使い続けていても問題ないことが多い。一日の最後に充電しておけば、翌日いっぱいは余裕をもって使えるのだ。

6時間のOPENMOVEのほうは、バッテリー切れになるケースがたまにある。どこかのタイミングで充電を挟まなければ、一日を乗り越えられない可能性があるのだ。

「生活の中でずーっと着けっぱなしにしていられる」という骨伝導ヘッドホンのメリットを十分に感じたいなら、ぜひAEROPEXを選ぼう。

充電方式:Type-Cが汎用的で便利

一方、充電の仕方についてはOPENMOVEのほうに軍配が上がる。「独自規格」か「Type-C」かの違いで、利便性に大きな差を感じざるを得ない。

AEROPEXは独自規格。マグネット式で、充電ケーブルを近づけるだけでカチッとハマるので、充電自体はしやすい。

問題は「代えが効かない」という点だ。ケーブルを無くしたら充電する術がなくなってしまうし、旅行先ではケーブルを一本余分に持ち出さなければならない。

OPENMOVEはType-C規格のケーブルがあれば充電できる。Type-Cを採用した電子機器は一般的に普及しているので、他の電子機器で使用しているケーブルで代用が可能。

また、ケーブルを紛失したり、断線してしまっても心配ない。Type-C規格のケーブルは、Amazonや家電量販店などで一般的に売られている。代えが効くのだ。

たしかにAEROPEXのマグネット式充電ケーブルは便利なのだが、汎用性に欠ける。その点はAEROPEXのマイナスポイントであり、OPENMOVEのほうが扱いやすいといえるだろう。

防水防塵規格:若干の差はあるが両方とも優秀

防水防塵規格にも違いがある。AEROPEXはIP67対応なのに対して、OPENMOVEはIP55対応だ。

IPXは、固形物の侵入に対する保護と、水の侵入に対する保護、これら2つの保護の等級を数字で表現したものだ。数字が大きいほど等級が高く、保護される範囲が広い。

たとえば「IP45」と記載されていた場合、「4」は防塵の保護等級、「5」が防水の保護等級を表している。

これを踏まえて改めて見てみると、AEROPEXとOPENMOVEの保護等級は以下のような内容となっている。

AEROPEX:IP67
防塵保護等級:6 粉塵が侵入しないレベル(最高レベル)。
防水保護等級:7 一時的に一定水深の条件に水没しても内部に浸水しないレベル。防侵形。
OPENMOVE:IP55
防塵保護等級:5 有害な影響が発生するほどの粉塵が内部に侵入しないレベル。
防水保護等級:5 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がないレベル。防噴流形。

大きく違うのは水に対する保護レベルだ。OPENMOVEはあくまで「流水」に耐えられるレベルだが、AEROPEXは一時的な水没にも耐えられる。

とはいえ、オーディオデバイスが水没するシーンなんて、おそらく滅多なことでは起こり得ない。それよりも、ランニングで流れる汗や、外出先で振られる雨のほうが、よほど現実的だ。

そういった意味では、どちらのデバイスもキチンと保護されているので、壊れる心配はない。日常生活で使う分には、大きな差を感じることはないと考えていいだろう。

通話性能:マイクもスピーカーも差はなし

通話性能については、おおよそ差はないと思ってもらって問題ない。どちらのデバイスも、聞こえてくる音声はクリアだし、しゃべった声もクリアに相手に届く。

カタログスペックを見比べても、「デュアルマイク・ノイズ軽減機能」は両方に搭載されている。そういった点でも違いはないので、リモートワークでの使用を考えているなら、どちらもでOKだ。

総評と結論

音質には若干の違いがあるものの、日常的に使う分にはOPENMOVEでも充分。マイクやスピーカーの性能にも大きな差はない。大きく違いが感じられるのは「使い心地」のところだ。

あなたがヘビーに使うのであればAEROPEX一択だろう。毎日使ったり、長時間の使用を想定しているなら、AEROPEXのほうが適している。

骨伝導ヘッドホンをまずはトライしてみたいと考えるなら、OPENMOVEで全然OK。お釣りが出るぐらいに満足できるだろう。それぐらいOPENMOVEの完成度は高い。

価格にして約1万円ほど差があるので、ぜひ慎重に検討してみてほしい。

最後に個人的な意見をいわせてもらえば、骨伝導ヘッドホンは本当に素晴らしいし、一度使い始めれば虜になること間違いなしなので、長く愛用することを前提にAEROPEXを買うことをおすすめしたいかな。

それでは、今日はこの辺りで。

  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

-ガジェット
-, , , , ,