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Sabbat X12pro レビュー|カナル型嫌いな人向けインナーイヤー型のワイヤレスイヤホン

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ぼくは、いわゆるカナル型のイヤホンが嫌いだ。耳の中にギュウギュウに突っ込み、耳が完全に塞がれる感覚が苦手で、長く着けているととても疲れるのだ。

しかも時間の経過とともに、徐々に耳から滑り落ちていくのがまたストレス。何をするにもイヤホンの存在が気になってしまって、作業に集中できない。

だからぼくは、できることならカナル型ではないイヤホンを使いたい。けれども時代は何故かカナル型が主流になり、カナル型以外のイヤホンを探すだけで一苦労なのだ。

「じゃあAppleのAirPodsを使えばいいじゃない」という声が聞こえてきそうだ。

一理あるのだが、あれはいかんせん高すぎる。2万円出してそこそこのものを買うのであれば、同じ値段でオーディオメーカーが出しているちゃんとしたイヤホンにお金を使いたい。

前置きが長くなってしまった。

そんなわけでぼくは「カナル型ではなく、それでいてそこそこ安価なワイヤレスイヤホンはないだろうか」とずっと探していた。そしてようやく出会えたのが、今回の主役「Sabbat X12pro」である。

インナーイヤー型と呼ばれるタイプで、耳の奥にねじ込むタイプではなく、耳に浅く入れる・引っ掛ける感じのイヤホンだ。

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品質的には——正直にお話しすると——あらゆるステータスが「そこそこのレベル」の一品である。特筆して音質が良いわけでもなく、価格がべらぼうに安いわけでもない。

しかし裏を返せば、あらゆる面で不満が出ないレベルのイヤホンだ。「悪くない」というのは、人のストレスを逆なでしない、とても馴染みやすいステータスともいえる。

それでは少し細かく「Sabbat X12pro」をご紹介していこう。

製品の基本スペック

製品名:Sabbat X12pro(サバット エックス トゥエンテイー ツー プロ)
連続再生時間:最大約6時間
充電時間:約1時間
Bluetooth標準規格:Ver.5.0
Bluetoothプロファイル:HSP、HFP、A2DP、AVRCP
対応コーデック:SBC、AAC
防水規格:IPX5準拠
インピーダンス:32Ω
再生周波数帯域:20Hz~20kHz
感度:120±5dB
同梱物:イヤホン本体、充電ケース、microUSBケーブル、ポーチ
カラーバリエーション:ホワイト/ブラック/レッド/ブルー/ダンサー(黒色に柄が入ったタイプ)

開封・オプション

商品が届いて箱の大きさと頑丈さに驚かされた。「高級感がある」という感じはないが、「しっかりしている」「すごく凝っているのだな」というのが最初の印象だった。「適当な安物を掴まされたときのガッカリ感」は一切なく、箱を開けることへの楽しみが湧き上がってきた。

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箱を開けると、中にはイヤホンとケース、それに説明書やコードが入った箱が、スポンジにくるまれて鎮座していた。

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製品には「イヤホン」「充電ケース」「充電ケーブル」「イヤーチップ」「ケース」が含まれている。

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外観

素材感は、すこしキラキラした感じのプラスチック。安っぽいわけではないが、高級感を感じる風貌でもない。真ん中のロゴは、接続したデバイスを操作するためのボタンとなっている。

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耳に入れる形状は、iPhoneに付属するイヤホンと同じような感じ。冒頭から言っているとおり、カナル型ではなくインナーイヤータイプになっている。

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そのままでもしっかり耳にフィットするのだが、付属のイヤーチップを付けると、より耳にフィットする形になる。しかしこれを着けたままだと充電ケースに入らなくなるので要注意だ。

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充電ケース

充電ケースに入れると、自動的に電源がオフになり、充電は始まる。逆にケースから取り外すと自動的に電源がオンになり、即座にデバイスにつながる。

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残念なのは、フタを閉めると充電の進行具合がわからない点。いつ充電が終わったのかは、フタを開けてみなければわからない。

しかしバッテリーの持ち時間と、充電にかかる時間の短さは優秀だ。

イヤホン自体の再生時間は約6時間。ケースには、イヤホン4回分の充電を貯めておくことができる。
充電にかかる時間も短く、イヤホン・ケースそれぞれ1時間でフル充電になってしまう。これは本当に嬉しい。

装着したときのフィット感が最高

「Sabbat X12pro」の最大の魅力は、そのフィット感だ。耳に入れたときの装着感は、ゆるりとしている割に、不安定感がなく、そっと耳に寄り添ってくれる感覚だ。

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ぼくの感覚だと、iPhoneの純正のイヤホンは、本当に耳に引っかかっているだけで、ぶらぶらと不安定な印象を受ける。しかしこのイヤホンは、似たような形状をしているにも関わらず、耳にきちんと収まってくれている感覚がある。

もちろん密閉感はない。そのため、外界の音は普通に聞こえてくるので、音楽に没入できるようなイヤホンではない。ただぼくは、多少の環境音が聞こえていたほうが何かと便利なので、これぐらいの方が好みである。

音漏れも、良識の範囲内で使う分には問題ないだろう。職場で普通に使っていたが、誰にも指摘されることはなかったし、隣に座っている同僚に聞いてみても「気にならなかった」とのことだった。

音質は無難なレベル

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音質は当たり障りない感じだ。「低音が強い」とか「高音の伸びが良い」なんて特徴はなく、ただただ普通な印象。

iPhoneのデフォルトのイヤホンのような感じだと思ってくれれば良いだろう。安物のイヤホンみたく、音がこもったり、カッスカスになるようなこともなかった。

接続の安定感と遅延

たまーに接続がぷつぷつっと切れてしまうことがあった。また、iPhoneに接続したさいは結構な遅延があって、PUBGなどを遊ぶのは難しいほどだった。

しかしこれらが、イヤホンの性能なのかはよくわからない。というのも、パソコンに繋いだときはほとんど遅延がなく、接続の安定感もよかったのだ。

しかしAmazonのレビューを見ると、「たまにぷつぷつと音が途切れる」といったコメントも散見できたため、こればかりは商品の仕様なのかもしれない。

そこまで頻繁に起こるわけでもないので、ぼくはまぁ我慢できる範囲ではあるが、気になる人はかなり嫌かもしれない。

まとめ

カナル型ばかりが出回っている今のワイヤレスイヤホン市場では、本当に貴重なインナーイヤータイプのイヤホンだ。装着感がよく、長時間つけていても疲れないのは本当に助かっている。

わがままを言えば、もうすこし安かったら嬉しかった。形状以外に尖った性能がない製品なだけに、「無難なイヤホン」に支払う値段にしては、ちょっと高い印象だ。

いや、本当にささやかな希望ってレベルだ。総じてぼくはこのイヤホンに満足している。

もしあなたも、カナル型のイヤホンが苦手なのであれば、ぜひこれを一度試してみて欲しい。ストレスレスな音楽ライフがきっと楽しめるだろう。

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  • この記事を書いた人

ばんか

Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。 ITツールを日常で活かす方法を広く伝え歩くことをミッションとした「ITツールエバンジェリスト」です。AllAboutやYahooクリエイターズプログラムでも活動中。

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