「ワイヤレスイヤホン」といった場合、その種類は大きくふたつに大別できる。
ひとつは左右のイヤホンが完全に分離しているタイプ。「完全ワイヤレスイヤホン」という言い方をする場合もある。
もうひとつは一体型のタイプ。左右のイヤホンがコードでつながってるタイプだ。
これら二つのタイプについては、それぞれメリット・デメリットがあり、使用感についても結構なちがいがある。どちらが優れているということはなく、それぞれが一長一短といった感じだ。
「生活の中での便利さ」みたいなものについても、優劣つけがたい。両方のタイプを日常的に使ってきたぼくの感想としては「分離型のほうに若干の軍配が上がるかな」という印象だが、好みによるところも大きい。
そこで今回は、「生活の中での便利さ」という点における特徴を、「分離型」「一体型」それぞれに対して取り上げたいと思う。
これからワイヤレスイヤホンを購入する人は参考にしてもらえると嬉しい。
バッテリーの持ち・充電切れへの不安
まず最初に、バッテリー周りの使い勝手についてお話ししよう。これについては分離型のほうが、いろいろと取り回しが便利で、助けられるシーンが多いように感じる。分離型:自然とフル充電されている快適さ
分離型の大きなメリットは、イヤホンと充電ケースが別である点だ。 「イヤホンを使っていない→ケースに入れている→勝手に充電されている」という構図が、とてもとてもありがたい。 生活の中では、この「充電する」という行為は、とても特別な動作だし、忘れっぽいし、面倒くさい。 その点で分離型は、充電を意識しなくても勝手に充電されるという、とてもありがたい仕様になっている。 一体型の場合は「あっ、充電がなくなりそうだったんだ。充電しなくちゃ」と思い立って、意図をもって充電しなくちゃあいけない。 大げさかもしれないが、携帯ほど肌身離さず持っているアイテムでもないので、意外と忘れがちなのだ。それこそ「朝起きて、通勤時に使おうと思ったら、バッテリーが切れていた」なんて悲しいできごとは、珍しくない頻度で訪れる。 それだけ「充電」という行為は特別で、それを意識しないで済む分離型は「バッテリーが切れていて使えない!!!」といった悲劇が起こりにくいのだ。分離型:片方使って、片方充電
一体型の場合、充電をしながら使用することができない。「充電中=使えない」という状況なわけだ。 だから、たとえば室内で使っていたとしても、バッテリーが切れたら音楽や動画の視聴を中断して、充電が終わるのを大人しく待たなければいけない。 「いや、分離型のほうだって、イヤホンを充電するときはケースに戻さないとダメじゃないか」と思うかもしれないけど、これはちょっと違う。 分離型は、左右のイヤホンが独立している場合が多い。したがって、片耳で音楽を聴きながら、使っていないもう片方を充電できるのだ。 左のイヤホンを充電しながら右のイヤホンを使い、右のイヤホンの充電が切れたら交代させる。こうすることで、インターバル無しで使い続けられる。 分離型のイヤホンを使ったことがない人は、分離型ならではの使い勝手の良さになかなか気づきづらいだろうけど、それほど分離型は便利なのだ。 「片耳だけ付けるなんて使い方、普通しないでしょ」と思うかもしれないけど、片耳使用はやってみると便利だ。環境音を取り入れながら「生活のBGM」的に音楽を取り入れたいときは、非常に重宝するからぜひ活用してみてほしい。環境音が聞こえる片耳イヤホンは生活を豊かにする最強のガジェットだと知ってほしい | あなたのスイッチを押すブログ
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持ち歩き・取り外しの面倒くささ
携帯性は「分離型」のほうが良い——けど
一見すると、分離型のほうがコンパクトにまとまっていて、持ち運びなどはしやすいように感じられる。実際、一体型については、コードがわずらわしいと感じることも多い。 カバンに入れて、他のコードに絡まったりするし、それを避けようとケースに入れたりするけど、出し入れするために丸めたり折りたたんだりするのが面倒くさい。 分離型はケースに入れて、それをカバンに放り投げておけば済むので、携帯するって意味では便利ではある。——しかし欠点もあるのだ。分離型:外出先で一時的に取り外したいときに不便
たとえばコンビニに行くとき、会計のときにイヤホンを外すだろう。分離型の欠点は、こういう「ちょっとしたとき」に外しづらいところにある。 コンビニに行くのに、わざわざケースなんか持ち歩かない。いや、仮に持ち歩いていたとしても、会計をするためだけにイヤホンをケースに戻すのは面倒だ。 そうなると結局、外したイヤホンの取り扱いに困ってしまうのだ。ぼくはいつも、雑にポケットに突っ込むしかなくなっている。 そして同時に「落としてしまうんじゃないか」という不安がつきまとう。とても小さいパーツなので、ふとした瞬間に手からこぼれ落ちることは、容易に想像できる。 実際「分離型のイヤホンをなくした」という話は、決して珍しくない。一体型:首からぶら下げられることの便利さ
一体型はめちゃくちゃ便利だ。耳から取り外しても、首からぶら下げておける。非常に安定した形で「ちょっとしたとき」に外していられるのだ。 使わないときは首からぶら下げて、使いたいときにサッと耳に入れる。こうした使い方ができるのが一体型の強みだ。 生活の中では、こういた使い方ができると助かる場面が意外と多い。逆に分離型の場合は、着けたり外したりを、あまりコマ目にやるような感じではないかな。装着しているときの安定感
分離型:「外れたら終わり」という不安感が多少
先ほど少し触れたが、分離型はどうしても紛失しやすい。ぼくは性格上、慎重に使うほうだとは思うが、それでも一度「片方だけなくした」という経験がある。 結局はカバンの底から見つかったのだが、なぜそんなところに入ってしまったのか、いまだによくわからない。ひょんなことから、カバンの中に滑り落ちてしまったのかもしれない。 なんにせよ分離型は不安なのだ。 過去に何度かヒヤッとした経験もある。肩がけのカバンを下ろすためにカバンの紐を首から抜こうとしたとき、ほんのちょっとイヤホンに引っかかって取れかけたことがある。 かろうじて耳の端っこに引っかかって落下することはなかったが、心の中で思わず「やっべ!!!」と叫んだ。 あのとき外れていたら——排水口に落ちたら、あるいは誰かに踏まれてしまっていたら——。安い買い物ではないだけに、おそらくショックは大きかっただろう。一体型:リモコンに耳が引っ張られる不快感
一体型は安定感があるものの、コードの重みで引っ張られる不快感が多少なりともある。これはちょっと意識しておいたほうが良い。 特に以下の商品みたいに、コードの途中にリモコンやバッテリーパーツがあるものは、その重みがストレスになる。気をつけよう。 もし一体型を検討するなら、ぼくは以下のような「イヤホン自体に重みがかからない構造のもの」をおすすめする。こういうタイプは、バッテリーの重量が肩にかかるため、イヤホン自体には重みの負荷がかかりづらい。そのため引っ張られることもないので、ストレスも軽減されるのだ。「この商品が良い」というわけではなく、あくまで一例として、選ぶときは「耳に負荷がかからない構造のもの」を意識して選んでみよう。