最近では月に一回はプレゼンをする機会を頂いている、@bamka_tです。
プレゼンテーションをする機会というのは、普段の生活の中でそんなに多くはないかも知れませんね。ですが、ふとしたキッカケが降ってくるのも事実。不思議なものですね。
そんなときに「やったことがないから…」と気負いしてしまわないために、プレゼンの作り方をまとめてみました。
もちろん、これは私のやりかた。絶対に正しいわけではありませんが、私の信念に基づいた考え方です。ぜひともご参考にしてみてください。
さて、プレゼンをやると決まって、いきなりスライドを作り始めるのは非常にナンセンスです。むしろ、資料を作るのなんかは一番最後。それよりもまずやらなければいけない事がいっぱいあります。
私はそれを、大きく5つのステップに分けています。1つ1つ順番にご説明していきますね。
それでは、参りましょう。
1.メッセージを考える
最も重要なのが、この「メッセージを考える」という過程です。そう。これがすべての始まりなのですから。
というのも、「プレゼンテーションをする」というのは、そもそも「誰かに、何かを伝えたいから」です。
自分は、何を伝えたいのか。何を伝えるために、今回講演を行うのか。
これが明確にならずして、プレゼンテーションを作ることは不可能です。
メッセージとは一言である
この「メッセージ」と言うのは、一文で言い表せるものでなくてはいけません。
難しい文章は、だらだらとした文章は不必要。バシッと言い表せる言葉が見つかるまで、考え続ける必要があります。これが出てこないうちは、自分に問いただし続けます。
例えば、私が今まで話した講演のメッセージは、「アウトプットしようぜ!」「情報発信はGiftでなければならない」「夢は憧れの中になく、現実の中にある」などなど。
これを考える工程が、正直一番時間がかかります。いや、かかる可能性があります。
パッと決まることもあれば、延々悩んでも答えが出ず、ふとした瞬間に思いつくということもあります。
ですが、いずれにせよ、このメッセージが決まらないうちは、次の工程に進むべきではありません。
2.情熱と理由を考える
晴れてメッセージが決まったら、次に考えるべきは「情熱」と「理由」です。
これは、先ほど考えたメッセージに込めた想いです。
どうしてそれを伝えなければならないと感じたのか。何故、それが重要なのか。メッセージを伝えた先に、リスナーにどうしてもらいたいのか。
これらの問いに答えられる「情熱」と「理由」を、自分の言葉で表現するんです。
これがなければ、人の心に届くような熱いプレゼンテーションにはなりません。誰の心にも響かず終わってしまいます。
この「情熱」と「理由」を見つけるには、自分との対話が大切だったりします。
トヨタ流の「なぜなぜ5回」のように、自分に何故を問い続けてみましょう。そして、自分の心の奥深くに根付いている価値観や思想を掘り起こすのが、この工程では大切になってきます。
3.道のりを考える
ここまで来て、ようやくプレゼンテーションの枠組みを考え始めます。要は、プレゼンの構成ですね。
どういう道のりを経て、最終的にメッセージに到達させるのか。そのストーリーを考えます。
ちなみに、まだ考えるだけです。プレゼン資料には落とし込みません。まずは道筋を作って、それを文章化するなり、フレームにするなりして、それをEvernoteや紙のノートに残します。
道筋の立て方
方法やフレームはいろいろあります。例えば、過去・現在・未来という流れに沿って話をする方法、1つの結論に対して3つの根拠を立てて組み立てる方法などなど。
どうやったらメッセージに重みを出せるか。メッセージに重みを出すには、どういう過程を経て話すのが最も効果的か。これを考えて、道筋を立てます。
構成の立て方に困ったら、こんな記事も参考にしてみてください。
心を打つプレゼンのストーリーをつくるワザ【TAPS】で、ブログ継続法を提案してみた - ライフハックブログKo's Style
TEDを200本見て気づいたプレゼン5つの黄金律nshoji.com
プレゼンやブログが伝わる文章の基本。良書に学ぶ「書く技術」 | お土産屋さんブログ
3つ目の記事は文章の型についての話ですが、「メッセージを伝えるためのストーリーの作り方」と言う意味では共通します。とても参考になりますよ。
4.アウトラインを作成する
さて、いよいよプレゼン資料のアウトラインを作成します。
しかし、まだPowerPointもKeynoteも使用しません。使うのは付箋紙です。
少し大きめの付箋紙を用意して、1枚の付箋紙を1つのスライドに見立てる。そして、それを机にガンガン貼り付けていきます。
それを並べると、机がこんな感じになります。
付箋を使う3つの理由
付箋紙を利用する理由は3つ。
・全体を見渡せる(流れをパッと見で把握できる)
・スライドの入れ替えがカンタンにできる
・追加、削除がカンタンにできる
まず便利なのが、スライド全体を見渡せること。こうすることで、自分が立てた道筋がちゃんとスライドに反映されているか、とてもカンタンに確認ができます。
次に、入れ替えがカンタンな点。全体を見渡していると「こことここのスライドは逆の方が分かりやすい」とか、「こっちの章は、この章の前にあった方がいい」とか見えてきます。
そういう時に、付箋であればパパっと入れ替えができる。これが2つ目の便利な点。
そして3つ目は、追加・削除がカンタンにできる点です。単純に貼って剥がしてのくり返しなので、なんの手間もありません。
スライドに書くべき内容
プレゼンのスライドに必要なのは、詳細な説明ではありません。相手の心を動かせるパッションです。
パッと見て理解できる図であったり、見栄えのいい画像であったり、最も伝えたいキーワードであったり。スライド1つ1つがリスナーの心に残るカギである必要があります。
ですので、1つのスライドに載せるべきは、キーポイント1つ。多くても3つです。
スライドと言うのは、あくまでも "あなたの講演を補助するもの" でなくてはいけません。主役は、あなたの口から発せられる言葉です。
スライドは、あなたの言葉に重みを出すために、リスナーの理解を助けるためにあるべきです。スライドに頼って、スライドが主役にならないように。
5.スライドを作成する
さて、あとはもう作るだけです。付箋に書いた内容を、PowerPointやKeynoteに落とし込んでいくだけ。
これだけなら2時間もあれば完成するでしょう。スライドに動きを入れるとしても、3時間あれば作れます。
最後にスライドを作る際の注意点ですが。上述したとおり、主役はあなたです。スライドではありません。
ですので、スライドに凝ったアクションは必要ありません。スライドの奇抜な動きにリスナーの目が奪われてしまったら、あなたの言葉が宙に浮いてしまいます。
スライドを作るにあたっては、コチラも参考にしてみてください。
技術系男子のための企画&プレゼン講座(2):分かってもらうための社内稟議プレゼンは3ステップで (3/3) - @IT MONOist
あとがき:プレゼンの主役はあなたの言葉
私の悪い癖でもあるのですが、凝った資料を作りたがる気持ちはわかります。見栄えがよくて、カッコよくて。「うわー!すげー!」と言ってもらいたい。その気持ちはわかるんです。
ですがプレゼンは、リスナーに「へーすげー」と言ってもらいたわけではありません。自分の講演を聞いて、熱を感じて、リスナーの方々に次のアクションを起こしてもらいたい。だからプレゼンをしているのです。
決して、感心されたり納得して頂きたいわけじゃない。人の熱に触れることで、NextStepを起こしてもらいたい。
だから、プレゼンテーションの主役は、あくまで自分が発する言葉1つ1つです。それをお忘れなく。私も、これは忘れない。