一般的に、負の感情と言われるものは持たない方が良いと言われていますよね。
妬みとか、憎しみ、怒り。その力は大きいので、自分が持つことで他人へも影響を与えてしまう。そして、それが負の連鎖を繰り返すトリガーとなってしまう可能性さえあるんです。
そうですよね。誰かがイライラしていたら、周りにいる人々だってイライラが伝染してしまう。
だからこそ、負の感情は自分を不幸にしてしまうし、周りも不幸にしてしまう。そう言われています。
ですが、私が一概にそうは言えないと思ってるんですよ。いや、もちろんそういう可能性を含んでいることは事実です。
けれども、負の感情が大きなパワーであることも事実です。そしてそれは、自分のエンジンを燃えたぎらせ続けるための、重要な燃料でもあると思えるんです。
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最近あった "妬み" の感情
実は昨日、Facebookでこんな投稿を目にしたんです。
どうです?イラッとする笑顔でしょう?見た瞬間に「イイね!」を押してやりました。
彼は私の友人であるjMatsuzakiという男。イケてるブロガー&プレゼンターです。イベントを共に運営している仲間でもあります。
そんな彼がインタビューに出演したとのことで、心から祝福していました。彼がまた、自分の夢の一歩を踏み出したのですから。嬉しくないはずがありません。
ですが、同時に。なんでしょうね。言葉に表しようがないモヤモヤを抱いたんです。
その感情を理解するには、しばし時間を要しました。そして出てきた結論はこうです。
「あぁ。これが "嫉妬" という感情なんだ…」と。
そう。私は彼を心から祝福すると共に、心から羨んだのです。妬みであり、嫉妬であります。抱くべきではない感情なのかもしれません。
ですが、これがまたどうして、私の心に火をつける。やってやろうという気持ちを奮い立たせてくれるのです。
負の感情は自分を弱くするのか?
別件ですが、これまたイベントを共にしている仲間が、自分の目標を達成したと声高らかに宣言した日がありました。HAYA技のHAYAさんです。それが、以下のエントリー。
素人でも4ヶ月で10万PV超える為に考えたブログ戦略と行った準備 | HAYA技
この時も同じく、私は彼の偉業を心から祝福しました。ですが、私が達成できなかった偉業をやってのけた彼に、とても深い嫉妬を抱いたのです。
それはとてもとても強かった。まるで、木の葉の上にある水の雫が、その重さで自然と落ちるように。私の口からポロリと落ちていきました。
喜びと悔しさの狭間で
— ばんかさん (@bamka_t) 3月 22, 2012
そして、このツイートを当の本人であるHAYAさんに見られてしまう。
自然とでた言葉だっただけに、自分がとても恥ずかしい人間である感じがしました。自分の汚い部分を見られて、恥ずかしかった。そしてそれを表に出した自分が、弱い気がしてなりませんでした。
しかし、彼は私のことを、そうは見ませんでした。そっと私の肩に手をかけて、こう呟いてきたんです。
その時の感情も、言葉にはできない。衝撃、というとあまりにありきたりでシンプル過ぎますが…。ただ、自分の中で "何か" が動いた気はしたのです。
そして今、私は彼と組んでイベントをしている。
負の感情は自分に向けるべきパワー
負の感情は、それ自体が悪いものではない。負の感情とは、それ自体は単純な "パワー" でしかありません。道具と一緒で、使い方しだいで善にも悪にもなるパワーです。
その強靭なパワーは、使い方を誤ってしまうと不幸を招く。具体的に言えば、パワーの向け先です。
そのパワーを、他人にぶつけてはいけません。怒りや憎しみを他人に向けたその瞬間から、人を傷つけるナイフとなってしまいます。
ですが、そのパワーを自分に向けることができれば、今の私が抱いているような "心を燃えたぎらせる燃料" になりえるんです。
例えば今回のように、人の偉業や成功に嫉妬したとき、どうするべきか。答えはカンタンで、それを燃料として自分を動かすんです。
自分にはなくて、他人が持っているもの。それを羨む気持ちは当然です。ですが、その感情は大切に心にしまいましょう。そして、「じゃあどうすれば彼のように成功できるか!」を真摯に考えるんです。
負の感情。これは「持つべきではない存在」ではないんです。むしろ、成功には必要不可欠で、手頃に手に入るインスタント・パワーなんです。
「悪」は、「善」とはプラスとマイナスの極性が違うだけで、エネルギーという観点からみると、ものすごく強いエネルギーを持っている。
〜中略〜
「善」の体現者であるマザーテレサやガンジーは滅多に出てこないが、殺人者は腐るほどいる。それだけ凡人には「悪」のエネルギーが充満している。
by 神田昌典
これも参考になります
今回のお話は、神田昌典氏著の「非常識な成功法則」でも大いに語られている内容です。とてもおもしろく、「普通の人間がいかに成功するか」について、普通じゃないアプローチで語っているのがいいですね。
あとがき:もちろん「善」であるべき
もちろん、善の感情が自分の心の燃料になるのであれば、それに越したことはありません。ですが、なかなかそうは上手くいかないものです。
「こうなりたい!」と強く願っても、その火は小さな風にもなびいてしまうんです。
だから私は、負の感情を大いに受け入れます。そして、それを利用して、自分の力に還元しています。そうでないと、新しい一歩がなかなか踏み出せないんです。それだけ、私は弱い。
そんな私の、インスタント・パワー。