最高のキーボードとはなんでしょうか?それはおそらく人によって異なるもので、「コレが絶対的に優れている」というものはないんだと思います。
では ”自分にとって最高のキーボード” とは?そこにたどり着くのは大変かもしれませんが、今日の記事がヒントになれれば幸いです。
タイピングのしやすさだけがすべてじゃない
「タイピングがしやすいキーボード」は、確かに好ましい。私も多分に漏れず、タイピングしやすいキーボードを求めた結果、数万円もするキーボードをいくつも所持するようになってしまいました。
けれども「タイピングしやすいもの」が必ずしも「最高」なのではありません。
たとえばパンタグラフキーボード。その中でも、Logicoolの「MX Keys Mini」は非常にすばらしいキーボードです。
ノートPCに備え付けられたキーボードのような薄型キーボードでありながら、タイピングをした感触が感じられる。そんな「打ちごたえ」のある薄型キーボード。
ノートPCのキーボードを使っていた時間が長すぎたためか、個人的にはこの薄型キーボードが非常にタイプしやすい。馴染むのです。
なので「タイピングのしやすさ」だけを求めるなら、「MX Keys Mini」こそが最高のキーボードということになります。
——が、これは私にとっての最高ではありませんでした。
指先の感触が気持ちいいもの
世の中には「タイピングしている時間が “心地いい” と思えるようなキーボード」があることを知ってしまったのです。
最初の出会いはHHKBでした。
Happy Hacking Keyboard Type-S。静電容量無接点方式のキーボードで、至高の逸品といわれています。キーを押したときのゴスゴスっと鈍く重厚感のある感触と音が特徴的で、一度経験すると虜になってしまうほどの魅力です。
——しかし欲深くも、より快感なキーボードを求めて、沼に浸かり始めます。そのきっかけが「ロープロファイル」と呼ばれる薄型のメカニカルキーボードの存在でした。
パンタグラフのように薄型でコンパクトでありながら、メカニカルキーボードとしてのタイピングの充実感も味わえる。そんないいとこ取りをしているキーボードがあると知って、今はもっぱらこっちを愛用しています。
たしかにキーボードは「入力デバイス」であり「道具」です。目的がハッキリしているので、その効果を最大限に引き出せることが、道具としての素晴らしさ。
ですが一方で、道具とは、それを持つことの喜び・使うことの楽しみも大切。ただ単に「使えればいい」というものではなく、使っている時間が充実することも重要なのです。
タイピング音が心地良いもの
キーボードの快感は、指先からのみ感じられるものではありません。タイピングしたときに発せられる「音」も非常に重要な要素となります。
私が、愛用している「NuPhy Air60 V2 Cowberry軸」を気に入っている理由も、この音が心地良いからです。
打ちやすさ・感触の良さももちろんですが、タイピングしたときの音が気持ちいい。コロコロとした音で、甲高い嫌な音ではなく、すこし低音が響くような音。
タイピングするたびに心地いい音が響き渡るので、ブログを書く時間・仕事をする時間が、至福のひとときに変わるのでした。
便利なもの、使い勝手のいいもの
他にも「バッテリーの持ちがいい」とか「コンパクトで持ち運びがしやすい」とか「キーマッピングをカスタマイズできる」とか「LEDで7色に輝く」とか。
そういう「便利さ」も、キーボードを選ぶうえではもちろん重要です。特にバッテリーの持ちの良さや、ワイヤレス接続の安定感などは、ストレスの原因にもなりやすいので、安定した品質をもったキーボードを選ぶべきです。
我慢してでも使いたくなるキーボードに出会える
つまり、一面だけを見ても「最高のキーボード」には出会えないということ。必ず一長一短あるなかで、自分にとっての重要なポイントを見極められると、 “自分にとって最高のキーボード” と出会いやすくなるかもしれません。
これはキーボード選びにだけいえることではないでしょうけれど。
たとえば私の場合、シンプルに使いやすい・タイピングしやすいという評価をするなら、「MX Keys Mini」です。
薄型のパンタグラフは使い馴染みがあるし、ある程度のタイピングの感触もある。バッテリーの持ちも十分すぎるほどで、マルチペアリングにも対応している。薄型でコンパクトだから持ち運びにも最適。
あるいは「タイピングの心地よさ」で選ぶなら「HHKB Type-S」です。HHKBならではの重厚かつマットなタイピングの感触は、他のキーボードでは真似できない心地よさです。
しかし、これらのキーボードを差し置いて、私が愛用しているのが「NuPhy Air60 V2」です。
使っていて最も「楽しい」と感じるこのキーボードこそ、今の私にとっての最高なんです。
キーを押したときの感触と、そこから発せられる心地のよい音。キーボードとしての打ちやすさ・使いやすさについて一定水準以上のクオリティを持ちつつ、使っている時間が充実して楽しいと思えるキーボード。それが「NuPhy Air60 V2」でした。
逆に、このキーボードを使いたいがために、我慢しているポイントもあります。
バッテリーの持ちがそこまで良くなかったり、ちょっと動作に不安定さがあったりと、欲を言えば「もっとこうだったらなぁ」と思う部分はあります。
しかしそれを我慢してでも使いたい理由がある。
この「使いたい理由」が、人によって異なるんだと思います。
自分の最高が、他人の最高じゃない。他人の評価を気にせず、自分自身が「良い!」と思ったキーボードを愛しましょう。そんなキーボードに出会えることを願っています。